パナソニックによる三洋電機の実質解体 大リストラ始まる(2011/11/1掲載)
三洋電機は4月にパナソニックの完全子会社になりましたが、パナソニックは2013年3月末までにグループ従業員38万5千人を35万人以下にする予定で、国内での削減数1万数千人のほとんどが三洋電機従業員と報道されました。その人減らしが来年1月のパナ・グループ再編に向けて大々的に始まりました。
電池、冷熱、ゴパン、ゴリラなどパナが必要とする事業はパナに統合されますが、半導体や洗濯機、冷蔵庫などは売却、TVやデジカメは三洋に残されます。統合では電子部品や研究開発本部をはじめ多くの部門がバラバラにされて、社員は製品ごとに異なるパナの拠点へ出向になります。しかし、人員削減が前提のため再配置先が足りない上、転宅を伴う異動や異なるスキルを要求されるケースが多い状況で、7月の家電部門200人、8月の本社部門400人に始まり、ほぼ全部門で早期退職を実施することが明らかになってきました。
従業員の間から、「会社はいろいろ理由をあげているが、つまるところ三洋のおいしい事業はいるが、社員はいらないということか!」「結局、パナソニックの一員になれるのはほんの一握りの人で、あとは余剰人員扱いか…」など不安と怒りの声が上がっています。
労働組合は、「早期退職はやむをえない」、「非自発的な退職者を絶対に出さないことを大前提として」協議するとの姿勢ですが、組合員からは「マスコミ記事が先行して不安感がつのるばかり。もっと情報を速やかに開示して情報の共有ができるようにしてほしい」「職場が取り組める対応を」「組合らしく交渉して対応してほしい」などの声が聞かれます。
三洋電機懇は、「三洋社員は辞めてくれ!?」の大見出しのELIC三洋電機版を作り、職場の声を紹介すると共に、「全組合員へ速やかに情報を開示する」「職場討議など組合員同士が討議する機会を多く作る」など組合がやるべき事を提起し、再就職先を探すのは大変で収入も激減するため早期退職は慎重にと訴えました。本社のある守口と、研究所のある枚方、住道工場のある大東で配布しましたが、一瞬「三洋…」の大見出しに目をやってから受け取る人や、いったん通り過ぎてから戻ってきて受け取る人、信号を渡りながら読む人もいました。どこも受け取りが良く守口では用意した300枚が全部なくなりました。