サンダードラゴン 台湾版 ~第七章~

四面佛の投げた石を喰らう馮愛南

取引現場で肥七の偽者に目を潰された馮愛南。「雌雄雙辣」では小龍(冼林沃)が馮愛南の狙いをそらした隙に四面佛が投石すると、手下たちも一斉に投石を始めるシーンになるのですが、「來自江湖」では四面佛の石が直撃した馮愛南が苦痛の声を上げるシーンが3秒ほどあるのです。



この後、四面佛の手下たちも一斉に投石を始めるシーンになります。

木材で馮愛南を叩き続ける四面佛

銃弾が尽き、さらに四面佛に拳銃をなぎ払われた馮愛南。「雌雄雙辣」では四面佛が「肥七が欲しけりゃ、地獄へ行って探すんだな!打ち殺してやる!」と言った後、馮愛南が布を潜って逃げるシーンになりますが、「來自江湖」では四面佛が彼女を叩き続けるシーンが9秒ほどあるのです。



四面佛:イヤァーッ!

(四面佛は馮愛南を木材で叩き、手下に命令する。)

四面佛:こいつを引っ張り出せ!

(小龍が馮愛南を蹴り、手下が逃げようとした馮愛南を引っ張る。)

四面佛:クソッタレ!

小  龍:打ち殺してください!

四面佛:このアバズレ女が!

(馮愛南は打たれるたびに叫ぶ。)

この後、馮愛南が布を潜って逃げるシーンになります。

賢仔は生き延びるのか死ぬのか?

「雌雄雙辣」にはラストが異なるハッピーエンド版とバッドエンド版の2つが存在します。ハッピーエンド版は賢仔と馮愛南が四面佛を倒した所で終わりますが、バッドエンド版は賢仔が死ぬのです。


上は馮愛南が刀で四面佛の首を切った後、燃え盛る炎を映してからエンドロールになるハッピーエンド版です。こちらは香港版DVDと日本版DVD(ただし、エンドロールは英語表記。)で確認でき、そして、以下に紹介するバッドエンド版は「來自江湖」と香港版VCDで確認する事ができます。
(四面佛を倒した2人は息を整えながら座り込む。)



賢  仔:どう?大丈夫かい?

馮愛南:足がすごく痛い。

賢  仔:耐えてくれ。

(賢仔は馮愛南を引っ張り、安全な所まで連れて行く。)



賢  仔:…ふう。

馮愛南:ああっ…!

賢  仔:大丈夫かい?意外にも俺たちは奴らをやっつけられたね。

馮愛南:私の命は、すごく頑強だわ。

賢  仔:幸いにも俺がいたからだろう。戦いが始まった時、
     俺に手伝わせてくれれば、何事もなかった。俺って、すごいだろう?

馮愛南:すごいわ。運が良いのよ。



賢  仔:ねえ。「雅閣餐廳」で俺に食事を奢るって約束してくれよ。

馮愛南:私が奢る?あんたが奢ってくれるんじゃないの?

賢  仔:君が俺の兄貴を救っていたら、俺が奢るさ。でも、君は兄貴を救えず、
     反対に俺が君を救っただろう。当然、君が奢るべきだよ。ははっ!



馮愛南:…ふふっ!

(馮愛南は賢仔から顔を背けるも嬉しそうな表情で考え込む。)



(突然、刃物が突き刺さる音が聞こえ、賢仔の表情が変わる。)



(実は布を隔てて彼らの裏にいた小龍が残りの力を振り絞り、賢仔に刀を刺したのであった。)



賢  仔:ぐっ…、はぁ…。

馮愛南:良いわ。私が奢る。…ああっ!

(食事を奢る返事をするため、振り向いた馮愛南は賢仔の異変に気付く。)



(馮愛南は布をめくり、後ろにいた敵を確認するも、すでに小龍は絶命していた。)



馮愛南:大丈夫なの、あんた!ああっ!?

賢  仔:俺は本当に…、すごく君に食事を奢りたかったんだ。
     すでに店の席も予約済みだった。…でも、俺は行けそうにないね。

(無言になる馮愛南。)



賢  仔:ごめんな。次、君に災難があっても…、俺は君を助けられない…。

(賢仔は目を閉じて動かなくなる。)



馮愛南:ううっ…うううっ…。

(嗚咽を漏らし、悲しむ馮愛南。画面は燃え盛る炎を映した後、パトカーが来る。)



(放心状態の馮愛南を映したまま、エンドロールが流れる。)

ハッピーエンド版が作られた理由は、もう一人の主人公である周星馳を死なないように配慮したからでしょう。ただし、ハッピーエンド版の唐突な終わり方や、これまでの馮愛南の心境の変化などから考えると、確かにバッドエンド版は辛い内容と言えども物語としては良い終わり方だと思えます。

収録に関する情報一覧

以下に、ここまでの収録に関する情報を表にしてみました。

種類 台湾版VHS 香港版VCD 香港版DVD 日本版DVD
表示タイトル 來自江湖 雌雄雙辣 雌雄雙辣 Thunder CopsII
表示会社 金韻 金韻 第一影業 金韻
冒頭(約6分56秒)
製作者の英語名
面通し(約11秒)
怒鳴る莫少珍(約27秒)
席を外す莫少珍(約10秒)
涙を流す賢仔(約32秒)
トイレの四面佛(約1分3秒)
二手に分かれる(約7秒)
鄭麗琛の格闘(約2分5秒)
公衆電話(約27秒)
鄭麗琛への電話(約14秒)
麻薬を探す(約1分41秒)
ナイフを落とす(約10秒)
隙を見て逃げ出す(約3秒)
肥七が馮愛南を探す(約16秒)
莫少珍が伝える(約1分26秒)

調
警員の供述1(約6秒)
劉震衛の確認(約7秒)
警員の供述2(約6秒)
ルートについて(約10秒)
警員の供述3(約9秒)
張華の供述(約19秒)
認める馮愛南(約10秒)
水を与えない馮愛南(約43秒)
水を与える賢仔(約1分)
馮愛南がトイレまで歩く(約13秒)
トイレで会話(約22秒)
馮愛南を心配する賢仔(約26秒)
タクシーを拾う馮愛南(約1分17秒)
タクシーを追う賢仔(約1分29秒)
雨の中で話す賢仔(約1分23秒)
石が直撃した馮愛南(約3秒)
叩き続ける四面佛(約9秒)
賢仔の死(約2分4秒)
収録時間の合計 102分6秒 96分20秒 92分2秒 87分27秒

元々、完成時点での「流氓差婆」がバッドエンド版だった事は間違いないのですが、表のように「來自江湖」にも収録されていないシーンがある事や「雌雄雙辣」のタイトルでも2つのラストが存在している事、そして、プレミア上映時の「流氓差婆」はバッドエンド版でも一般公開時にハッピーエンド版に直された可能性もあるため、何が元々どの終わり方だったのかは実は不明なままなのです。(その他、ソフト化の際にシーンの追加や削除が行われ、内容が変えられた可能性もあります。)

この編集の違いは香港第一影業機構有限公司(First Films)が関係しています。「流氓差婆」は金韻電影有限公司が製作し、配給を第一影業が行っているのですが、香港版DVDでは第一影業が製作会社として表示されていますし、製作会社として金韻の名称が表示された日本版DVDもタイトル表示時にはFirst Distributors(H.K.)Ltd.(第一影業の別名)による版権所有表示がありました。

結局、全貌が見えない「流氓差婆」が最も収録時間が長い物かと言えば、そうではない気がしますが、「來自江湖」をベースに冒頭シーンと莫少珍がナイフを落とすシーンを加えた109分12秒の物が全長版と呼べるかもしれません。(ただし、映像方式の違いにより、誤差は生じるはずです。)

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