カンフーハッスル 大陸版 ~第五章~

強い罵声を浴びせる阿星

こちらはNGシーンからです。四眼仔によって、何度も路面電車の座席に頭を叩きつけられた後、下車した阿星が阿骨に浴びせる罵声が本編よりも長く、強い物になっています。…しかし、肝心の最後の台詞で周星馳が笑ってしまったため、採用していません。以下に台詞を翻訳しました。



阿  星:手伝ってくれと言った時、お前は何をした?

阿  骨:ワン!

阿  星:ふん!それはダックスフンドか?何だ?演じるならシェパードを演じるべきだ。トンマ!
     これまでずっと殺人、放火、強盗、強姦、痴漢など恐れて経験していないから、
     しっかりやって、成果を出すんだ!…お前は「豬油膏」が欲しいんじゃなかったか?
     そうだな、早寝早死にしろよ!…ついて来い!

犬の種類を出し、からかうように怒るシーンは面白いのですが、長いせいかテイク2では台詞から削除されました。また、「豬油膏」は豚の脂で作ったクリーム状の薬の事ですが、これに続く「早寝早死に」(早唞早逝)の部分は、大事な時に寝てしまう足手まといな阿骨は太っているため、寝て、そのまま死ねば、彼の脂肪で本人が欲しがる「豬油膏」が作れるから世話がないと言う意味の皮肉です。ここは結構、強烈なせいか各バージョンの字幕では元の台詞を翻訳していませんでした。

記憶に残る女は涙を流す阿芳

こちらは未使用シーンからです。阿星が斧頭幫の琛哥に謁見するシーンも元々は長く、別アングルで師爺(田啟文)が手招きをするシーンが見れたり、阿芳からお金を奪った後の阿星の罪悪感なども、わかるのですが、テンポを重視したためか削られています。以下に台詞を翻訳しました。



(師爺がバーで迷っている阿星を指差し、手招きをする。阿星が師爺のいるテーブルに進むと、
(師爺はお金を阿星の服のポケットに入れる。なお、本編にあるポケットを指で叩くカットはない。)

師  爺:ほら!持って行って身なりを整えろ。今日から、お前も斧頭幫の一員だ!

阿  星:本当ですか!?

師  爺:そうさ!お前だけじゃない!

(阿星を連れて行く師爺。本編では彼らが右に進むと途中で編集により、すぐに簾をくぐって、
(琛哥に会うシーンになるが、未使用シーンでは阿星が人を紹介されるシーンになっている。
(なお、本編では「お前だけじゃない!」の台詞が「友人がお待ちかねだ!」に変えられている。)



師  爺:誰かくん(阿邊個)!こいつは「誰かくん」だ!お前ら2人とも新人だ。今から身内だぞ!

(師爺は「誰」を意味する「邊個」に「~くん」や「~ちゃん」を意味する「阿」をつけて呼んでいる。
(所詮、こいつは単なる下っ端なので名前を覚える気にすらならないと見なす失礼な言い方で、
(印象に残る作品として「咖喱辣椒」でも、丁家強が演じる政治部の上司・馬Sirが使っている。)

阿  星:兄貴!

阿邊個:兄貴!

(2人は挨拶を交わす。)



師  爺:そうだ!誰かくん、早くしろよ!

(師爺に呼ばれ、阿星はホステスの前に行く。)

師  爺:見て、誰か気に入ったのを選べ!



妓女頭:こちらは小紅。私たちの売れっ子よ。

(ホステスのリーダー=ママが阿星に話しかける。)

師  爺:何が売れっ子だ!全員、立て!



妓女頭:聞こえた?全員、立って!急いで!
     早く!早く!早く!こっちに来るのよ!早く!

師  爺:早く選ぶんだ!

阿  星:すごく多いですね。選ぶ時間をくれませんか?

師  爺:しっかりと見るんだ。目を閉じて、記憶に残った女を選べば良い。早くしろ!



(阿星の前に11人のホステスたちが並ぶ。)



(ホステスたちを見た後、師爺に言われた通り、目を閉じる阿星。)



(阿星の頭の中に浮かんだ女性は…、)



(…涙を流し、こちらを見つめている阿芳だった。)



(目を開き、動揺する阿星。)



師  爺:選ばなくて良い!早く!早く!早く!早く!

(呼ばれた阿星は簾をくぐると、そこには琛哥がいた。)



阿  星:琛哥!

琛  哥:一目、お前を見て、良い事以外、何でも十分な度胸で、できる奴だとわかった。

阿  星:そうです!



琛  哥:お前は、この機会を待っていたんだよな。

阿  星:そうです!

琛  哥:今、ある件は、お前の手が必要だ。

阿  星:「たとえ火の中、水の中」(赴湯蹈火)です!琛哥!

(「赴湯蹈火」は「熱湯に飛び込んで火を踏みつけようとも恐れない。」の意味。
(琛哥は阿星の気持ちを理解したように無言で頷くと、右手を阿星の前に出す。)



阿  星:琛哥、あなたの手が、どうかしたんですか?

師  爺:おい!口づけだ!早くしろ!

阿  星:おおっ!



(忠誠を誓うと言う意味を理解した阿星が琛哥の手に口づけをする。)
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