チャウ・シンチー“ハッスル”ナイト
2004年8月21日~27日の期間、東京で映画祭イベント「The Movie King お台場映画王」が行われました。初日の21日(土)は新作「Kung Fu Hustle」を意識した「チャウ・シンチー“ハッスル”ナイト」が開催され、このイベントの舞台挨拶のため、周星馳が18日の午後に来日してくれたのです。(なお、このイベントは翌日の「蘋果日報」の報道で「周星馳電影欣賞會」と呼ばれていました。)

私は運良くイベントに参加する事ができたため、以下に当日の様子をレポートしたいと思います。

チケットの引換え時から緊張

イベントの開始時刻は20時30分からでしたが、「星馳フレンズクラブ」の会員は19時に会場の「シネマメディアージュ」に集まる事になっていました。フジテレビが特別に用意してくれた「優先チケット」の引換えを行うためです。会員の目印はファンクラブの会員証で、これを事前にケースに入れて首から下げるように言われていました。

私は19時前に会場に到着しましたが落ち着きません。実はファンクラブの会員に会う事は初めてだったので誰が会員なのかわからなかったのです。そのため、先に自分が会員証を準備して、待とうかとも思いました。しかし、数分も待つと「少林10」と書かれた黄色のTシャツを着た方がエスカレーターから降りてきました。…間違いなく周星馳ファンですね。私は不思議と安心しました。すると周りにいた「星馳フレンズクラブ」の会員も揃って目印の準備をし始めたのです。

偉大な少林Tシャツの力に感謝しながら、私も会員証の入ったケースを首から下げます。次第に「星馳フレンズクラブ」の会員が集まり、自然とチケットの配布が行われました。チケットの入手後は各自、時間になったら「シアター11」に入ると言う事なので、私は会場を軽く回ってみます。飲み物や軽食が販売される中、映画のグッズも売られていたのですが、残念ながら周星馳の物はありませんでした。公開時には、きっと多くの「カンフーハッスル」の関連商品が登場するのでしょう。

「カンフーハッスル」のチラシを入手

時間も迫り、私が「シアター11」に入ると、「少林足球」のオープニング・テーマ曲が流れていました。薄暗い光の中で「周星馳が来るんだ。」と思うと気分が高まってきます。

入場の際にもらった「映画王」のパンフレットを開けると、左のチラシ(無料配布コーナーからなくなるほど人気ありました。)が入っていました。

チラシには「あの『少林サッカー』から、2年!!!」、そしてフィールドに「サッカーなんて、もうやめた」と書かれています。加えて言うのなら、「やめた」の「た」の字の下は句点の代わりなのか、「カンフーハッスル」の台湾版予告編にあった潰されたサッカーボールの画像がありました。

有名プロデューサーと周星馳の登場

会場で待っていると、「カミングスーンTV」で放送した周星馳のインタビューが収録された番組が始まりました。このインタビューは「少林サッカー インターナショナルバージョン」のDVDの特典映像と同じでしたが、この特別番組には他に日本のナレーションや「賭聖」「大內密探零零發」「喜劇之王」などの名場面シーンの紹介なども含まれています。

アナウンサーの佐々木恭子さんが司会者として登場し、「お台場映画王」自体、そして「“ハッスル”ナイト」の内容について話してくれます。そして、ゲストは「踊る大捜査線」(香港題:跳躍大搜査線)で有名なプロデューサー・亀山千広さんでした。

会場の左にはカメラが回り始め、自然と周星馳が来る気配を感じました。周星馳が登場した時、予想通りに「キャー!」と言う女性の歓声が会場中に激しく、強く響き渡ります。端の席のファンたちは周星馳に握手をしようと手を力いっぱい伸ばします。中には握手にまで到りませんが、手に「触れる」と言う事に成功した方々もいました。

一番、前の席の端の「星馳フレンズクラブ」の会長さんが立ち上がり、周星馳に花束を渡しに行くと周星馳がハグをしました。周星馳が出た時、気付くと私も狂った猿の如く、拍手をしていました。やはり憧れて応援している人の前では興奮も高まるようです。ちなみに私のいた「C列」の会員は「I.C.O.J 周星馳 友の会」と白い生地に緑色の字で書かれた横断幕を持つ係りになり、嬉しい事に周星馳の目に止まる確率も上がっていたと思います。

リラックスした感じです。 通訳さんのメモを覗く…。 笑顔の横顔も。

そして、周星馳は「こんにちは。私は日本で皆さんにお会いできて、とても嬉しいです。」と言い、さらに「今度、来た時は日本語で挨拶をするため、2ヶ月の練習の時間を私にください。」 と言いました。これは2ヶ月後の10月21日くらいには、また来日してくれると言う予告宣言として取っても良いのでしょうか?…と思っていたら、10月開催の「第17回東京国際映画祭」に「カンフーハッスル」が招待され、またも舞台挨拶があるとか。この時は練習した彼の日本語が聞けると良いですね。しかし、挨拶が始まった時から、私も含めてですが、ファンのカメラのフラッシュ攻めがすごかったです。「ズーム機能カメラ付き携帯電話」で周星馳を撮り、撮った画像を早くも待ち受け画面に設定している方もいました。

「カンフーハッスル」予告編の上映

デュエット中にも見えます。 何だか残念そうな顔。

周星馳と亀山千広さんの距離が広いような…。

亀山千広さんは「食神」の公開時から周星馳を尊敬していたようなのですが、周星馳も実は香港で亀山さんの作品を見ていて、お互いに憧れていたそうです。舞台挨拶の後は一緒にラーメンを食べに行く約束をしているくらい仲が良いそうですね。ちなみにラーメンの話の後は「ええぇ~!」と言う、観客の嫉妬の声が上がります。

そして、「カンフーハッスル」の予告編が流れるのですが、最近、流れている「スパイダーマン2」(香港題:蜘蛛俠2)の本編前にある物とは違いました。主にメイキングで構成されている映像でしたが、あの袁和平が周星馳に直々に指導しており、周星馳自身も本格的な功夫アクションを袁和平に見せているのです。。

ナイフが体に刺さったままのシーンを撮影した後の休憩中の映像やワイヤーで回りながら、迫り来る大勢の敵を一人で蹴散らすアクションなどもあって興奮しました。また、今回の映像を見る限りでは林子聰と田啟文の出るシーンは少なかったようですが、陳國坤はオールバックに髭を生やし、何ともワイルドな感じでした。横になってタバコをふかすシーンは渋かったです。

激レアグッズの抽選会

そして、「激レア」と言う事で、かなり楽しみにしていたグッズの抽選会が始まります。抽選でもらえるグッズは次の4つでした。

・お台場映画王のグッズ
・「カンフーハッスル」のポスター
・サッカーボール
・ポラロイドでの周星馳との2ショット撮影サービス

どれもサイン入りで、しかも2ショットサービスでは写真にその場でサインを入れてくれるのです。目の前に置かれた抽選箱に周星馳は左手を入れ、中のクジをゆっくりと取り出します。周星馳はファンたちがドキドキしている様子を楽しんでおり、最後の抽選の時は日本語で番号を読み上げるのですが、その時も彼は間を取って、じらすのでした。

…結局、残念な事に私は何も当たらず、ポラロイドでの2ショット撮影サービスは私の目の前の席に座っていた方が当たりました。もし周星馳が、もう一列、後ろの席の番号が書かれた紙を引いていれば、自分が舞台に上がる事になっていたかもしれません。

2ショット撮影が当たった方は、
私の目の前の席の方でした。
あげる側なのに、
何とも嬉しそうです。

映画の上映時間が迫り、周星馳は次のような言葉をファンに向けて言ってくれました。

日本の皆さん、長年の応援をありがとうございます。
いつも同じ事を言いますが、これは私の本心です。
良い映画を作って、それをお返しにしたいと思います。

この後、大勢に惜しまれながらも周星馳は去りました。時間にして何分だったでしょうか?とても短かったように思えます。次は、いよいよ映画が始まります。

…その前に先に紹介をしようと思いますが、右がサイン入り「カンフーハッスル」ポスターの一部です。実は、すべての映画が終わった後、会場を出て帰ろうとした時、ロビーで周星馳のサイン入りポスターを当てた方が、それを他のファンの方々に見せてくれていたので、私もお願いして、そのサインの部分を撮らせていただきました。「周星馳 21.8.2004」と書いています。

「食神」と「精武門」の上映

最初に上映された映画は「食神」です。字幕はDVD版の完全字幕ではなく、当時の「手書き字幕風書体」でした。大画面なので逆光のせいで黒くなった史提芬周(周星馳)の表情が薄く見えたり、觀音菩薩が火雞(莫文蔚)だとはっきりわかります。

また、薛家燕(薛家燕)や夢遺(劉以達)が登場する後半は爆笑が巻き起こっていました。先の展開を知っているファンは笑い所の前から、くすくすと声を出したりもしています。自分がいつも笑うシーンが大勢と同じだった時は嬉しかったですね。上映終了後は「食神を見ていたら何だかお腹がすいてね。」と言う声も聞こえました。

続いて上映されたのは「ドラゴン怒りの鉄拳」(原題:精武門)です。亀山さんと周星馳が今回のイベントで上映する作品の一つとして、李小龍の作品を流そうと話し合っている時、たまたま2人が好きな作品を同時に挙げたら、それが「精武門」であったと言っていました。

「精武門」で笑いが起きたシーンは通訳(魏平澳)が隠れたり、犬の真似をするシーンですね。他に陳真(李小龍)が電話の修理工に変装し、意味もなく笑顔なシーンでも爆笑が起きていました。映画の合間の休憩時間には、このシーンについての「お茶目だ。」「可愛い。」と言う声がありましたが、他に「やはり、陳國坤は李小龍と似ている。」と言う声も聞こえました。

ちなみに霍元甲を毒殺した男が日本人だと陳真がわかった理由は…腹巻だそうです。腹巻をしている者が日本人だと中国人は思っているそうですね。

「喜劇之王」と「少林足球」の上映

「精武門」の後に「喜劇之王」を持ってくるとは考えていますね。この作品には「精武門」のパロディがありますが、周星馳の李小龍に対する尊敬の気持ちが強く伝わります。上映終了後は不思議と周りのファンは、すぐに感想を言いませんでした。…余韻に浸っていたのかもしれません。

しかし、その後、柳飄飄(張栢芝)がタクシーの中で泣くシーンに、つられて泣いてしまうと言った意見や今回は杜娟兒(莫文蔚)の気持ちになって見たと言った意見を聞きました。どれも共通して言っていた事は悲しいと言う意見です。私はこれを見るたびに尹天仇(周星馳)が悲しく見えるのですが、色々な視点で、見ている人たちの意見も聞けて今回は私も見方が広がったような感じです。勉強になりました。(ちなみに映画は香港製日本語字幕入りDVDとは違い、誤字の「ハサンム」はありません。)

さて、最後は「少林足球」が来ます。大画面での見るのは「インターナショナルバージョン」から約1年半ぶりで心待ちにしていたのですが…すみません、不覚にも少し寝てしまいました。朝、早く起きたせいもあったのかもしれません。

威力あるボールの衝撃でコップの水が揺れるシーン、阿梅(趙薇)が美容院に入るシーンなど、一部の記憶が、まったくないのです。気が付いたら、山西豆腐隊の主將(谷德昭)が「幻覚だ!」と叫んでいるシーンだったので、ものすごい場面で目が覚めたと思ったりもしました。映画はDVDで修正される前の字幕なので明鋒(吳孟達)が阿星(周星馳)の足を見る時や決勝戦で逃げ出すメンバーの台詞が違っています。

…イベントが終わった後は朝の5時でした。とても楽しい時間を過ごせ、周星馳もそうですが周星馳と言う存在と彼の映画を通して、お会いできた周星馳ファンの方々と色々な話ができた事は本当に嬉しかったです。お声をかけてくださった方々、本当にありがとうございました。

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