ファイト・バック・トゥ・スクール2 台湾版 ~第八章~
階段を下りて逃げる生徒たち

香港版

台湾版では削除されていますが、香港版には生徒たちが階段を下りて逃げるシーンが4秒、さらに周星星が逃げる生徒の一人を捕まえ、曹達華がどこにいるかを質問するシーンが18秒あります。

香港版

周星星:おい!おい!おい!おい!

(周星星が逃げる生徒の一人に声をかける。)

男學生:あれっ?あんたは周星星じゃない?

周星星:周Sirだ!

男學生:おおっ!周Sir!

周星星:ターミネーターを見かけなかったか?

男學生:ターミネーターって誰ですか?

周星星:ジェームズ・ボンドだよ!

男學生:ジェームズ・ボンドって誰ですか?

周星星:訓導主任だよ!

男學生:「ここで寝た主任」って誰ですか?

(男學生は粵語で「指導」を意味する「訓導 fan3 dou6」を、
(同音で「ここで寝る」を意味する「瞓度」と聞き間違える。)

周星星:連行して殴れ!

隊員A :Yes,Sir!!…連行して殴れ!

(隊員Aが他の2人の隊員に指示を出す。)

男學生:おい!おい!やめてくれ!おい!やめてくれ!

(男學生が連行される。)

日本版では男學生が無知なだけで連行された形になっていますが、真相は周星星に茶化されたと思われたからのようですね。ギャグが伝わらないと寂しい物です。…流れを以下にまとめました。

香港版 台湾版
1 周星星が「急いで探し続けろ!」と言う 1 周星星が「急いで探し続けろ!」と言う
2 階段を下りて逃げる生徒たち。 2 周星星がテロリストを撃ち、先に進む。
3 周星星がテロリストを撃ち、先に進む。 3 報告を受け、テロリストのボスが動き出す。
4 報告を受け、テロリストのボスが動き出す。 4 学食に入った周星星たちが警戒して進む。
5 逃げる生徒の一人を周星星が捕まえ質問。 - -
6 学食に入った周星星たちが警戒して進む。 - -

テロリストのボスと対決

台湾版
周星星の後ろを進む隊員A。 弾倉を交換する周星星。

台湾版は厨房を横切った後、隊員Aが周星星の後ろに続くシーンが1秒ありました。そして、テロリストのボス(Jonathan Isgar)との銃撃戦が始まり、仲間を抱えながら戻る隊員Aを守る周星星が移動して物陰に隠れた後、撃ち尽くしたサブマシンガンの弾倉を交換するシーンが約5秒あります。

香港版・台湾版
網板の下にいるテロリスト。

香港版では誰もいない網板の下に急にテロリストが左から転がって現れます。しかし、台湾版では下にいたテロリストが右へ転がって移動するのです。シーンが挿入される場所も異なっています。

香港版 台湾版
1 隊員Aを守る周星星が移動して物陰へ。 1 隊員Aを守る周星星が移動して物陰へ。
2 ボスが銃の弾倉を交換する。 2 周星星がサブマシンガンの弾倉を交換。
3 周星星が網板の下を狙い、撃って回る。 3 網板下のテロリストが転がって右へ移動。
4 ボスの銃弾の衝撃で周星星が落下。 4 ボスが銃の弾倉を交換する。
5 網板下に左からテロリストが転がって来る。 5 周星星が網板の下を狙い、撃って回る。
6 網板の下からの攻撃を周星星が避ける。 6 ボスの銃弾の衝撃で周星星が落下。
- - 7 網板の下からの攻撃を周星星が避ける。

おそらく、台湾版では先に下にもテロリストがいる事を観客に伝え、下からの攻撃が来た時に存在を思い出させる形を取ったのでしょう。しかし、香港版では急にテロリストが出現した方が恐怖と緊張があると判断したのか、フィルムを逆に回す事でそれを演出したのではないかと思っています。

香港版
安堵で倒れ込む周星星。 手榴弾に気付いた李Sir。

台湾版はボスを撃ち殺した安堵で倒れる周星星、学食で働く外国人スパイが持つ手榴弾に気付く李Sirのアップがありません。画像は割愛しましたが、この他、台湾版は梯子を上ってサブマシンガンを乱射する周星星の攻撃を避けたボスが反撃のために起きるシーンが2秒、長くなっています。

「愛的太狂」の歌詞翻訳

台湾版のエンドロールで表示される人物の名前は、香港版と比べると多くが削られています。本作で助理製片(製作補佐)として参加した周星馳の妹・周星霞のクレジットも台湾版にはありません。

台湾版
終わりに流れるのは「愛的太狂」。

主題歌は先に紹介した「大家免著驚」ではなく、映画公開の前月(1992年1月)に発表された李翊君の「愛的太狂」が使われています。…この曲、CD版は4分50秒と一般的な長さなのですが、本作の「未使用・NGシーン」だけは特別な11分13秒(※)の超ロングバージョンを聞く事ができるのでした。(※一瞬、途切れるエンドロール部分の1分7秒を含める計算では驚異の12分20秒になります。)

「愛的太狂」
(すごく狂うほど愛している)

歌:李翊君/作詞:呂國梁/作曲:呂國梁

* 怎麼會遇見你 當所有的傷痕都已褪去
怎麼會遇見你 正當我渴望一點久違的甜蜜

不願再想起那段傷心的過去
從來沒有人 能夠為我解說愛情

不願再哭泣 只想靜靜的擁抱
擁抱這一段 曾經美麗的奇蹟

愛得太狂 愛得太狂
清晨喚不醒 夜晚無法熄滅的夢

愛得太狂 愛得太狂
不該進入你 波濤一般洶湧的心 愛得太狂*

* ~ * 繰り返し

愛得太狂
清晨喚不醒 夜晚無法熄滅的夢

愛得太狂 愛得太狂
不該進入你 波濤一般洶湧的心 愛得太狂

* どうして、あなたと出会ったのだろう?
もう、すべての傷跡が色褪せて去った時に。
どうして、あなたと出会ったのだろう?
ちょうど私が少しご無沙汰な甘さを求めている時に。

二度とあの悲しい過去を思い出したくない。
これまで誰も私への愛を説明する事ができなかった。

二度と泣きたくはない。ただ、静かに抱き合いたい。
この抱き合った一時は、かつての美しい奇跡だった。

すごく狂うほど愛している。すごく狂うほど愛している。
明け方は呼んでも目が覚めない。夜は夢を消す事ができない。

すごく狂うほど愛している。すごく狂うほど愛している。
あなたに踏み込むべきではない。大波が逆巻くような気持ち。
すごく狂うほど愛している。*

* ~ * 繰り返し

すごく狂うほど愛している。
明け方は呼んでも目が覚めない。夜は夢を消す事ができない。

すごく狂うほど愛している。すごく狂うほど愛している。
あなたに踏み込むべきではない。大波が逆巻くような気持ち。
すごく狂うほど愛している。

未使用・NGシーン

台湾版の未使用・NGシーンは香港版で見れなかった貴重な物が多くありました。しかし、シーンの順番に意図が感じられない編集だったため、ここでは本編の流れに合わせた順番で紹介します。

台湾版

カップヌードルを食べるシーンで周星星は下を見ず、飛虎隊の方を訝しげな顔で見続けています。

台湾版

周星星が失恋の話を聞くシーンは微妙に本編と演技が異なっています。また、曹達華が立ち上がった後、原告にかけられた顔の水を手で拭う仕草がありました。本編では別カットで拭っています。

台湾版

尋問シーンも異なっています。動きが監督と意図する物と違ったため、NGの扱いになったのかは不明ですが、交代時や攻撃時、部屋を去る前などに2人の豊かな表情を確認する事ができます。

…ちなみに尋問シーンは元々、脚本にはなく、文章で簡単に触れただけの内容だったそうですが、クランクイン前に陳嘉上が古い映画の中で拷問による自供を迫るシーンが多くあった事を思い出し、急遽、このシーンにギャグを追加するため、こっそりと周星馳と吳孟達に提案したそうです。

最終的に3人の意見を総合し、陳嘉上はハンマーで柯受良の胸を叩く事を採用しました。ケガを防ぐために本を彼の胸に詰めて自供を迫る予定だったのですが、3人は長い間、本を探すも見つけられず、周星馳が電話帳を使う事を提案したそうです。しかし、その時に吳孟達は電話帳を持っていなかったため、陳嘉上は「私のでも良いから」と自分の電話帳を吳孟達に渡しました。後に正式に撮影する際、この事情を柯受良は知らなかったため、彼の反応はリアルな物になったそうです。

台湾版

重案組への配属を希望する曹達華を笑うシーンはアングルが異なり、肩に手を回しています。

台湾版

駐車違反を注意するシーンは数台の車がカメラの前を横切っている事がNGで撮り直したのだと考えられます。また、この一部は香港版のNGシーンでも見る事ができました。…バイクの方は疲労困憊の様子から想像するに、交通整理の開始前シーンの対にする予定だったのかもしれません。

台湾版

同じく保安司に呼び出された後のシーンは、その一部が香港版のNGシーンでも使われています。

台湾版

何敏の両親と話をするシーン、潜入捜査の提案をするシーンも本編と微妙に演技が違います。

台湾版

求人紹介に怒り、潜入捜査を決意するシーンも異なっています。ズーム後のサイズも違いますね。

台湾版

曹達華が周星星を殴るシーンは香港版のNGシーンでも使われています。…台湾版では気絶して白目を剥いていた周星星が目を戻す直前のシーンがあるため、画像として取り込んでみました。

台湾版

蕃薯たちと会話しながら歩くシーンは本編と違い、周星星は手に眼鏡を持ったままでした。そして、潔蒂がラケットのグリップで黃小龜の股間を押し上げるシーンは別アングルの物が残っています。

台湾版

台湾版のみにある、出席確認時に紙飛行機をはじくシーンには以下のような続きがありました。

台湾版
1 周星星が紙飛行機を指ではじく。
2 その的確さに驚いた黃小龜が拍手。
3 黎仙蒂を見続ける周星星は拍手を制止。
4 黃小龜は親指を立て、下を向いて敬服。

台湾版

バスケットボールの試合中のシーンでは曹達華が物差しを振りながら体育館を見回っていました。また、周星星がボールを突き破るシーンは本編で残骸を左側に落としたのに対し、NGシーンでは右側に落としています。…NGの方が残骸を完全に手から外す事も含め、自然な感じがしますね。

台湾版

小歪が動きを交えながら周星星を褒めるシーンも気付きにくいのですが、本編と微妙に演技が異なっています。NGシーンでは周星星に殴られた蕃薯が頭を押さえるため、髪型も変わっています。

台湾版

蕃薯たちに残業代の話をされた周星星が「終了!」と叫んだ後、頭を抱えるシーンがありました。

台湾版

柔道の練習試合シーンでは周星星が黎仙蒂を抱きかかえて回すシーンが本編と異なっています。カメラの前で周星馳が止まった後、朱茵が笑っているため、撮り直しになった可能性があります。

台湾版

黃小龜が潔蒂の前で手を振って呼び止めるシーンも違います。本編が2回なのに対し、NGシーンでは1回でした。…どちらのシーンも黃一山は体を使った緊張の表現と間の取り方が上手いです。

台湾版

周星星が黎仙蒂を追いかけて走るシーン、荒い呼吸のままの会話シーン、キスの代わりに唇を指で触るシーンも微妙に本編と異なっています。実際にキスをするシーンは香港版のNGシーンでも使われていますが、台湾版の方がエンドロールと周星馳の顔が重ならない分、見やすいですね。

台湾版

老師が周星星を呼び止め、女性の口説き方を聞くシーンも本編と微妙に演技が違います。

台湾版

黎仙蒂を連れた周星星が周囲に気を配りながらフードコートを歩くシーンが残っています。そして、何敏一家の前で曹達華にお面を取られるまでのシーンも本編と微妙に演技が異なっていました。

台湾版

周星星が黒板消しを受け止めるシーンも、その一部が香港版のNGシーンでも使われています。

台湾版

曹達華が茶色のコートを着た男を撃うために後ろを振り向くシーンを長く見る事ができます。また、カバンからサンドイッチなどを出すシーンも本編と微妙に演技が違っていました。NGシーンでは銃を見つけた曹達華が一瞬、顔をほころばせてから不敵な表情に切り替わる所が印象に残ります。

台湾版

飛虎隊に「動くな!」と言われ、皆が手を挙げるシーンと周星星が救急車を要請するシーンも本編と微妙に演技が違っています。未使用・NGシーンの終了後は赤バックに「劇終」と表示されました。

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