タイトル
作品データ
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本作はTVBの開局記念を祝う番組の演目の一つです。通常、TVBの開局記念番組は「萬千星輝賀台慶」と言う名称ですが、この年は節目の25周年と言う事で「銀禧星輝賀台慶」と呼ばれています。この番組で周星馳は手首の柔軟性を見せた後、女優たちを相手に板や土鍋を壊すパフォーマンスを行い、最後は吳孟達に「隔山打牛」(隔たりや距離があっても攻撃できる技)を放って笑いを取りつつも上手く開局記念の祝いのオチに結び付けています。以下に内容を翻訳してみました。 陳家碧:ねえ、星爺。私たちの「娛樂新聞眼」で聞いた所によると、あなたの映画出演料は上がり、 800万香港ドルくらいになったんですってね。そんな事ってありえるの? (「娛樂新聞眼」はTVBの娯楽ニュース番組。この頃、陳家碧はその司会を努めていた。) 周星馳:今日はテレビ局の記念日だ。そんな事は言わないでよ。僕は表演をしに来ただけなんだ。 陳家碧:でも、私も同じように疑問に思うのよ。あなたはこんなにも多くのお金を稼いで、 あなたの超能力は失ってしまわないのかしら? (これは「賭聖」「賭俠」などの、超能力で金銭を儲けると力を失うと言う設定の事を言っている。) 周星馳:えーっと。…実は超能力じゃなく、今回のはすべて本当の功夫をやるんだ。 陳家碧:そうなの。そうなの。 周星馳:見たいかい? 陳家碧:良いわね!良いわ、良いわ! 周星馳:見るのは簡単さ。まずは君をテストをしようと思う。 陳家碧:どんな風にテストするの? 周星馳:ほら。君は決められた通りに僕の動作を行えさえすれば良いんだ。 最初に君は手を少し曲げ、丸椅子にくっつくまで落とすんだ。 陳家碧:こんな感じ?言っている事はすごく簡単じゃない。 (陳家碧は余裕たっぷりで丸椅子に手を置く。) 周星馳:そうさ。くっつけるんだ。それからね、手を丸椅子にくっつけるんだ。 陳家碧:はい。 周星馳:丸椅子を動かしちゃいけないし、手も動かしちゃいけない。 陳家碧:ええ。 周星馳:歩いて一周するのをやって見せてよ。 陳家碧:こんなに簡単な事を私にテストするなんて、あなたって人は。 (陳家碧は途中で腕が動かなくなり、止まってしまう。) 周星馳:気を付けないと途切れてしまうよ。 陳家碧:確かに。本当にできないわ。丸椅子を動かしてしまえばできるわね。 (陳家碧は丸椅子を動かし、そのまま歩いて一周する。) 陳家碧:ほら、できたわ! 周星馳:それって、つまりはできないって事じゃないか。まったく…。 陳家碧:じゃあ、あなたがやって見せてよ! 周星馳:ようし! (周星馳がゆっくりと丸椅子に手を置く。) 陳家碧:あなたがどんな方法でやるのか見ているわ。 (周星馳が一周したため、陳家碧は丸椅子の下に仕掛けがないか、しゃがんで確認する。) 陳家碧:うわぁ…あなた…。うわぁ…、あなたの手、何なの? 周星馳:単に時間がないだけさ。時間があれば、さらに多く歩いて2周するよ。 (板や土鍋を持った女優たちが騒ぎながら周星馳の元へやって来る。) 周星馳:まだ、やり終えてないよ。 羅慧娟:続けてやって。 劉秀萍:続けてやって。 周星馳:もう良いよ。皆が出て来たのなら、これはやらない。別の事をやろうよ。 (周星馳は丸椅子を持ち、横に動かす。) 羅慧娟:私はあなたが本当に、そんなにすごいのか見てみたいわ。 陳寶兒:私たちは信じていないんだから。 羅慧娟:あなたを試せる物を探しに来たのよ。私たち数名の大美女である羅慧娟! 劉秀萍:劉秀萍! 李秀媚:李秀媚! 潘芳芳:潘芳芳! 陳家碧:陳家碧! (周星馳の近くにいたはずの陳家碧が女優たちの中に混ざって自己紹介をする。) 魏綺青:魏綺青! 陳寶兒:陳寶兒…たちがね! 羅慧娟:まずは周星馳をテストするわ! (羅慧娟と劉秀萍が2人で板を持ち、周星馳の前に向ける。) 周星馳:良いよ! 魏綺青:彼ができるのなら、もっとも良いけどね。 劉秀萍:強がっちゃダメよ! 羅慧娟:さあ!赤っ恥はかかないでね! 周星馳:動かないでくれよ! 羅慧娟:はい! 陳家碧:無敵神拳じゃないの?この技は。 周星馳:ダァーッ! (周星馳が拳で板を突き破る。実は板は壊れやすい素材を使っている。) 劉秀萍:ああっ! 女星們:キャーッ!! 羅慧娟:何て事なの! 周星馳:さあ、次だ! 羅慧娟:ようし! 劉秀萍:砕いたわよ! (李秀媚と潘芳芳が2人で板を持ち、周星馳の前に向ける。) 李秀媚:できるみたいだし、かなり良いみたいじゃないの。 魏綺青:技は本物のようね! 陳寶兒:本物と同じみたいだわ。 潘芳芳:ちょっと、まさか!指を出しているわ! 周星馳:ダァーッ! (周星馳が指で板を突き破る。同じく板は壊れやすい素材を使っている。) 女星們:キャーッ!!…うわぁ!! 李秀媚:待って!待って! 陳寶兒:違うわ。板に手を差し込む事ができるって言っていたけど、できないじゃない! 魏綺青:板はできるけど、土鍋はできないんじゃないかしら? (陳寶兒と魏綺青が2人で土鍋を持ち、周星馳の前に向ける。) 陳寶兒:ねえ、行きましょう。どうせ、できないわよ! 周星馳:2人で一緒に来るんだ。続けて一人ずつ来るかい?それとも2人で一緒に来るかい? 陳寶兒:あなたはどうしたいの? 魏綺青:あなたはどうしたいのよ?私は信じないわよ。 陳寶兒:2人で一緒に行きましょうよ。 周星馳:2人で一緒に来なよ! 魏綺青:わぁ!まさか! 陳寶兒:待って!まずは落ち着いて戦闘体勢を取るのよ! 魏綺青:うふふふ! 陳寶兒:私を倒せるのかしら? (周星馳が小指を立てたままで攻撃を仕掛けようとした事に魏綺青と陳寶兒が気付く。) 魏綺青:小指ですって!? 陳寶兒:小指なの!? 周星馳:ダァーッ! 女星們:キャーッ!!…すごい!すごい!すごい! (周星馳が壊れやすくした土鍋を小指で割る。驚いた女優たちは拍手で彼を称える。) 周星馳:申し訳ない。皆さんはこれがすごく簡単だと思っただろう? その通りさ。さっきのは単なるウォーミングアップにすぎないんだからね。 羅慧娟:ええっ!?まだあるの? 周星馳:今から僕は本領を発揮する! 陳家碧:本当なの?やって見せてよ! 陳寶兒:私もやるわ! 周星馳:悪いね。君たちは全員、その資格を持っていないのさ。 女星們:どうしてよ!そんな事って、ありえないわ! 陳家碧:資格を持っているのは誰なの? 周星馳:今からお呼びしましょう! 映画・ドラマ界の「変わり者」こと吳孟達さんの登場です! 女星們:すごいわ!おーっ! (白い手袋をし、黒い上着を着た吳孟達が両手で壊れやすい板を持って登場。) 吳孟達:はい、はい。…また、これ(板を破る表演)か。 周星馳:来なよ! 吳孟達:さあ、来い!来い!来い!うむ。 周星馳:笑った顔をしてくれよ。今日はテレビ局の記念日だ。 面白おかしい事を言って笑わせて、初めてOKになるんじゃないか。 吳孟達:そうだ。そうだ。来いよ! (周星馳が無言で吳孟達の後ろに回り込む。) 吳孟達:…どうした?お前が表演をするって話じゃなかったのか? 周星馳:そうだよ。背を向けて。 吳孟達:何でお前に背を向けなきゃならんのだ? 周星馳:背を向けろって言ったら背を向けるんだよ! (周星馳は吳孟達の言い方が面白かったのか笑っている。) 吳孟達:おかしな事をするんじゃないぞ! 周星馳:ええっと、ははは…! 吳孟達:ああ、もう良いぞ。 周星馳:お集まりの皆さん。至高の境地…、「隔・山・打・牛」!ダァーッ! 吳孟達:んんっ!! (周星馳の拳が吳孟達の背中を突き破って板に穴を開ける。実は本当に穴を開けたのは、 (吳孟達であり、周星馳の拳が切れ目を入れた上着の後ろに入ったタイミングに合わせて、 (彼は隠していた拳を上着の前から出すと言うトリックを使っていたのであった。そのため、 (板を持っている手は偽物で、手袋は偽物の手を剥き出しにしないために使われている。) 周星馳:死んだか!? 吳孟達:んんっ!! 周星馳:えいっ! (周星馳は拳を吳孟達の背中から抜き取る。同時に吳孟達も拳を抜いて隠す。) 吳孟達:うっ…!うっ…! 周星馳:どうしたんだい?何か吐き出したいの? 吳孟達:吐き出したいんだよ! (吳孟達は口をモゴモゴしたまま話す。) 周星馳:何を吐き出すのさ?構わず吐きなよ。 吳孟達:んぐっ!…んんっ!! 周星馳:ふふっ! (吳孟達の口から出て来た縄梯子のような物を周星馳がゆっくりと引っ張る。) 周星馳:毎回、いつも新しい事を持って来るんだけどさ…。 吳孟達:んっ。 周星馳:うわぁ~あ!先によだれを拭きなよ! (周星馳は吐き出された物を指でなぞる。それには「萬千星輝賀台慶」と書かれている。) 周星馳:「萬千星輝賀台慶」(千万の輝くスターが祝うテレビ局の記念日)! 良くぞ吐いた!良くぞ吐いた!はっはっはっはっ! |