タイトル
作品データ
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本作はTVBの開局記念を祝う番組の演目の一つです。内容はTVBに所属する芸能人が抱える契約の悩みをテーマにした漫才で、息の合った周星馳と吳孟達がブラックなギャグを交えた皮肉を言っています。なお、途中で映る客席側に張敏の姿も確認できます。以下に内容を翻訳しました。
吳孟達:やあやあ、星仔!星仔! 周星馳:やあ、達哥!元気かい? 吳孟達:どうも、どうも、どうも。 周星馳:どうも、どうも。 吳孟達:今夜は、わしたちのTVBの23周年記念日だな。良い話をいくつかするべきだが…。 周星馳:良いね!まずは、あんたが先に言ってくれよ。 吳孟達:ようし!じゃあ、わしは「TVBのお誕生日、おめでとう」に「今年は昨年に勝る」だ。 周星馳:それらは皆、ありきたりな事だろう? 吳孟達:わしのがありきたりな事だと? 周星馳:ああ。 吳孟達:じゃあ、お前には、もっと優れた話があるのか? 周星馳:僕のは優れているさ。僕はTVBが十分に「良い子宝に続けて恵まれる」事と、 「馬で乗りつけたら、すぐに勝利する」事を祈っているんだからね。 (原語で周星馳は「連生貴子」と「馬到功成」の事を言っている。) 吳孟達:「良い子宝に続けて恵まれる」だと? 周星馳:「良い子宝に続けて恵まれる」って言うのは、 毎年、いくつかの質が極めて高い番組を十分に生産できるって事だよ。 吳孟達:その通りだな!その通りだ! じゃあ、「馬で乗りつけたら、すぐに勝利する」とは何の事を言うんだ? 周星馳:「馬で乗りつけたら、すぐに勝利する」って言うのは、 各芸能人の同僚が芸能マネージャー室に行って契約の話し合いをする時、 十分に「馬で乗りつけたら、すぐに勝利する」事ができるように祈っているって事さ。 吳孟達:要るな。それは必ず要る。必ず要る。 周星馳:あんたも知っているように、芸能人の契約の話し合いは非常に難儀なんだ。 吳孟達:おい!周星馳!そんな事はないだろ?お前は今、人気のある「時の人」だ。 お前が契約の話し合いで、どうして難儀な事があるんだ? 周星馳:同じようにあるんだよ。 吳孟達:わしは信じないぞ! 周星馳:信じないのなら、あんたは僕を演じてよ。僕がマネージャーを演じるからさ。 吳孟達:そう? 周星馳:一度、試してみなよ。 吳孟達:ようし。 周星馳:ようし。 吳孟達:コンコン。 (扉を叩く演技と共に叩いた時の音を口にする吳孟達。) 周星馳:入って。 吳孟達:マネージャー! 周星馳:やあ、周星馳! 吳孟達:へへへ~! 周星馳:いやぁ~!ここしばらくは、すごかったね。 吳孟達:いえいえ。 周星馳:ざくざくとお金が入って来てるし。 吳孟達:いやいやいや。 周星馳:どうしたんだい?何か用でもあるの? 吳孟達:いえ、別に。マネージャー、ご存知の通りですが、もうすぐ私の契約は満期です。 周星馳:そうだね、そうだね。 吳孟達:ご存知の通り、今は何でも物価が高いですね。 周星馳:うん、うん。 (周星馳は出演リストを確認する演技を始め、吳孟達の話よりも確認作業に集中する。) 吳孟達:車のローンもありますし、母親も養わなければいけませんし…。 周星馳:うん、うん。 吳孟達:マンションのローンもありますし…。 周星馳:うん…。 吳孟達:それに2人の妹も養わなければいけませんし。ですので、私が希望しているのはですね、 私の契約を更新する時にマネージャーが考慮してくださって、さらに私に…。 周星馳:おや~? 吳孟達:えっ!? 周星馳:周星馳! 吳孟達:何です? 周星馳:君は、ここ2年の番組出演数が足りていないな! 吳孟達:そうです。なぜなら、ここ数年は会社が私に、 いくつかの時代劇に出るようにと、すべてを手配していたからでして…。 周星馳:わかってるよ。実はね、会社はそれらの出演数が足りない芸能人に対しては、 以前から強い我慢と、かなりの理解しようとする態度を抱えていたんだ。 吳孟達:ええ…。 周星馳:なぜなら、これは必ずしも芸能人の間違いだとは限らないだろう。 多分、会社がその両方に配慮を加えられなかったに過ぎないんだ。 吳孟達:ええ、ええ…。 周星馳:だから、私たちは以前、すごく意気投合した話し合いをしていたんだよ。 一昨日に、ある人がここに来て、私と契約の話し合いをしたんだ。しかも、 とても楽しく話し合ったんだよ。だけど、彼は同様に良くない所もあったんだ! 吳孟達:何です?何です? 周星馳:彼は番組出演数が足りないだけでなく、さらに出演料の値上げを要求したんだ。 吳孟達:えっ!?それじゃ…。 周星馳:はぁ…、今回は本当に仕方がなかった。それで「君はすでに出演数が足りない。」と言い、 「君が出演しないのなら、ここにあるお金を持って行って良いよ。」とも言ったんだ。 吳孟達:そんな、まさか!? 周星馳:「計算してみな!ほら!君の毎回の出演料は大きすぎるし、阿姐よりも多すぎなんだ!」 (「阿姐」とは女優・汪明荃の愛称。) 吳孟達:そうですね。 周星馳:「その上、阿姐は全局最大の出演料だろう。君は阿姐よりも、さらに多く欲しいのかい?」 吳孟達:違います!もちろん、違います! 周星馳:それはそうだ。「ただ、君のような考え方だけでも君は道具部へ連れて行かれるべきだ。」 吳孟達:道具部へ連れて行って、何をするんです? 周星馳:取り囲んで叩くんだ。 吳孟達:えっ!? 周星馳:ハンマーを取り出してね。 (道具部に左遷させ、舞台セットの作成をやらせようとしている風に聞こえるが、 (周星馳は集団によって、その人物を袋叩きにすると言う事を暗に示している。) 吳孟達:えっ!? 周星馳:「じゃあ、良いよ。私たちの話も終わりだ。」と言った。彼もその考えを持っていたのかな? それで、「君がさらに出演料が欲しいと言う考え方は完全に良心を失っている。」と言った。 吳孟達:ええ。ええ。 周星馳:それで、私たちが会議を開いた時、そんな人がそんな考え方を持っていると言う事は、 会社への少しの感情もまったくないと言う結論に至ったんだ。 吳孟達:ええ。ええ。 周星馳:感情がなければ、その人が仕事に入れ込むとは考えてはいけない。 吳孟達:ええ。ええ。 周星馳:会議での分析を経て決定したんだ!…彼を諦める事をね。 吳孟達:それから、どうなったんですか? 周星馳:彼はクビになった。 吳孟達:あっ…ああっ…。 周星馳:ああ、そうだ!吳孟達、君はさっき…あ!君は周星馳だったよね。 (吳孟達が「周星馳」を演じている事を忘れた周星馳が間違って吳孟達の名前を呼んでしまう。 (なお、この辺りで映し出される客席側の「最前列の左から3番目」に張敏の姿が確認できる。) 吳孟達:そうです。そうです。 周星馳:周星馳、君はさっき、何かあったんじゃないのかい?要求だとか要るとか何とか…。 吳孟達:いいえ!いいえ!私は何も言っていませんよ! 周星馳:じゃあ、何をしに部屋に入って来たんだい? 吳孟達:いやいや!私は雑誌の「香港電視」を取りに入ったんですよ。 周星馳:じゃあ、自由にどうぞ。 吳孟達:ええ…、ええ…。 周星馳:うん。うん。 吳孟達:うわぁ…! 周星馳:…だから、言っただろう。僕たちのような番組出演数が十分でない芸能人は、 契約の話し合いをする事が、すごく難儀なんだ。 吳孟達:違うんだよ、星仔。わしの番組出演数は足りている。 加えて出演数が超過するくらいさ。これも同じように話し合いの時、すごく難儀なんだ。 周星馳:どうして、難儀なんだい? 吳孟達:信じないのか?じゃあ、役を逆にして、お前は吳孟達を演じてくれよ。 わしはマネージャーを演じる。試してみよう。 周星馳:やろう。やろう。 吳孟達:やるぞ。 周星馳:コンコンコン! (扉を叩く演技と共に叩いた時の音を口にする周星馳。) 吳孟達:入って。 周星馳:やあ、マネージャー! 吳孟達:やあ、達哥!ははは!いやぁ~、 君は近頃、周囲の状況が良いね。 周星馳:ええ。ええ。 吳孟達:またも映画を撮ったりと何かとね。 周星馳:ええ。ええ。 吳孟達:どうしたんだい?私を探して、何か用事でも? 周星馳:私は思うんですけど、来年は物価が上がるでしょうね。 吳孟達:うん、うん。 (吳孟達は出演リストを確認する演技を始め、周星馳の話よりも確認作業に集中する。) 周星馳:私の契約も、もうすぐ満期になります。 私が考えているのは、あなたが考慮してくださって、さらに加え…。 吳孟達:おい、達哥! 周星馳:どうしました? 吳孟達:君は番組出演数が超過しているじゃないか!! 周星馳:そうなんです!そうなんです! 吳孟達:うわぁ~!君は良かったな!出演料があるし、番組出演数も超過しているし、 映画も撮っているし、ざくざくとお金が入って来ているじゃないか! なあ、君は年末の納税証明書に気を付けなよ! 周星馳:ええ。ええ。 吳孟達:お金の貯蓄はしているのかい? 周星馳:しています。しています。 吳孟達:賭け事をするんじゃないぞ。 周星馳:いいえ、今はしていません。 (吳孟達は賭け事で多額の借金を作った過去があり、ここではそれを自虐ネタとして出している。) 吳孟達:実は私たちの会社は、番組出演数を超過した芸能人を以前からすごく好んでいたんだ。 周星馳:ええ。ええ。 吳孟達:一昨日、ある人が来て契約の話をした時、彼も同様に出演数が超過していたんだ。 周星馳:はい。 吳孟達:いやぁ~!私たちはとても楽しく話し合ったんだよ。 周星馳:ええ。ええ。 吳孟達:だけど、彼は同様に良くない所もあったんだ! 周星馳:どんな事です? 吳孟達:出演料の値上げを要求したんだよ! 周星馳:そうなんですか? 吳孟達:私は言ったさ。「そんな事ってありえるかい?まさか、さらに出演料の値上げだって? えっ?すでに君には出演数の超過額のお金があるんだ。さらに正式な出演料もある。 君の今の出演料は阿姐よりも多いんだ!」ってね。 周星馳:ええ。ええ。 吳孟達:「このようなやり方は完全に良くない。道具部に連れて行くだけでなく、 さらに美術部に連れて行くんだ!」って言ったよ。 周星馳:美術部に連れて行って、何をするんです? 吳孟達:彼を貼り付けるんだ。 周星馳:貼り付けて、どうするんです? 吳孟達:以後、会社に使ってもらえるだろう! 周星馳:ああ、そう言う事でしたか。 (ここは壁にかける遺影として、ドラマの中で使ってもらえると言う事を暗に示しているが、 (それは本当に永遠の遺影となるべく、死んでもらうと言うブラックなギャグを含んでいる。) 吳孟達:ええと、それで私たちは会議を開いて分析した後、彼は会社に対するべき感情が、 まったくないと思ったんだ。そして、彼を諦める事を決定したんだよ。 周星馳:そう言う事なんだ…。だから、番組出演数を超過しても惨めだし、 番組出演数を超過しなくても惨めって事なんだね。 吳孟達:そうそう。思案どおりに言うと、こう言う事なんだ。 でも、実はわしたちも間違っているんだよ。より一層、深く考えてみよう。 実際、わしたちは会社に対するべき感情があってこそだろう。 周星馳:それもそうだ。 吳孟達:うむ。 周星馳:じゃあ、実際の所、僕たちも会社に報いるべきなんだね。 吳孟達:必要な事だ。だから、わしは決めたんだ。今日から、わしの出演料を半分に減らす! 周星馳:僕も今日から決めた。カツラが粘りついても、時代劇を撮り、ワイヤーで吊るしてと、 会社に要求するよ。人っぽくない人の役や犬っぽくない犬の役も僕が成し遂げるよ。 (これは時代劇はメイクやワイヤーを使うシーンなどで大変だが、それでも行うと言っている。) 吳孟達:わしは決めた。わしの銀行の貯蓄を…、わずかな貯蓄だが会社に捧げるぞ! 周星馳:僕は決めた!母さんを呼んで一緒に、ここのトイレに行くんだ!床を拭くのさ! 僕を長年、育成してくれた事を会社に報いるのさ!お金は受け取らないぞ! 吳孟達:おいおい!話は戻るんだが、 今日のわしたちが行った、この出演の料金は受け取ったか? 周星馳:まだ、会社に言ってないよ。 吳孟達:まだ、言っていないだと!? 周星馳:そうだよ。 吳孟達:そんな、まさか? 周星馳:僕は、会社側があんたに言っていたと思っていたけどね。 吳孟達:出演料も受け取らず、こんなに長くしゃべって、どうするんだ? 周星馳:じゃあ、自由に二言を言って、おしまいにしよう。 吳孟達:わかった。じゃあ、「会社のお誕生日、おめでとう」だな。 周星馳:「今年は昨年よりも良い」。こんな感じにしよう。 吳孟達:こんな感じだな。 周星馳:それじゃあ。 |