導演: |
こっちに来て。気を付けてくれよ。
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(老太太が導演の近くに行く。張敏は化粧をし、周星馳は席について待機している。)
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老太太: |
あっ、あっ、あっ、あっ。
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導演: |
わしらが最も大切にしているのは、こんな事なんだよ。
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老太太: |
あっ、あっ、あっ、あっ。
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導演: |
彼ら2人の大御所が台詞を言い終わった後、あんたは来て言うんだ。
「アイヤー!『蹺課威龍 飲料』は本当においしいわ!どれもたったの28元で買える!」
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老太太: |
28元!
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導演: |
あんたはそれを飲むんだ。飲んだ後で「アイヤー!素晴らしいわ!」だ。
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老太太: |
すごく簡単、すごく簡単!
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導演: |
わかった?ようし、始めるぞ!…よし、飲料を持って来い!
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工作人員: |
持って来ました。飲料を持って来ました。はい!「蹺課威龍 飲料」、テイク1!
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(工作人員がカチンコを打つ。)
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周星馳: |
生徒の皆さん!授業をサボっている時、つまらないですか?
「蹺課威龍」を飲みましょう!
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(周星馳が飲料を飲んでいると張敏が左から登場し、周星馳の頭を軽く叩く。)
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張敏: |
授業をサボる事は間違っています!
…でも「蹺課威龍」の飲料は本当においしいです!うふふふふ!
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老太太: |
その通りですね!「蹺課威龍 飲料」は本当に、すごくおいしいです!
一本たったの…。うっ、うっ、あっ、あっ…。
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導演: |
カット!…あんたは何をやってるんだ!
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張敏: |
何しているのよ!
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(張敏が老太太の頭を指で突く。周星馳は机を叩いた後、下を向いて頭を掻き毟る。)
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導演: |
わしらのCMは20秒しかないんだぞ。
あんたは「かっ、かっ、かっ、こっ、こっ、こっ、こっ」って10秒も言っている。
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周星馳: |
帰る。
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張敏: |
帰るわ。
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導演: |
すみません。お二人とも申し訳ありません。帰らないでください!
帰らないでください!彼女にもう一度、チャンスを与えてください。
…もう一度だ!もう一度、道具を持って来い!
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工作人員: |
照明を早くしろ。
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張敏: |
早くして!早く!早く!
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工作人員: |
「蹺課威龍 飲料」、テイク2!
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(周星馳は両手を広げ、不満そうに「Why?」のジェスチャーをしているが、
(カチンコが鳴ると瞬時に笑顔に切り替わり、また、宣伝の台詞を言い始める。)
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周星馳: |
生徒の皆さん!授業をサボっている時、つまらないですか?
「蹺課威龍」を飲みましょう!
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張敏: |
授業をサボる事は間違っています!
…でも「蹺課威龍」の飲料は本当においしいです!
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老太太: |
その通りですね!「蹺課威龍 飲料」は一本たったの…一体、いくらでしたっけ?
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導演: |
カット!カット!
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(導演が老太太の頭を叩く。)
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導演: |
何をやってるんだ!
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(怒って老太太に掴みかかろうとする周星馳を導演がなだめる。)
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導演: |
一本たったの28元なんだよ!
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老太太: |
年を取るとすべて忘れてしまって。もう一度、あたしにチャンスをください!
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(焦った老太太は周星馳と張敏の服を掴んで頼み始める。)
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張敏: |
わかりました。わかりました。早く!早く!
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導演: |
わかった。わかった。もう一度だ!もう一度!カメラ!道具を持って来い!
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工作人員: |
もう一度!もう一度!照明の準備だ。
よし!スタンバイ…、「蹺課威龍 飲料」、テイク3!
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(カチンコが鳴ると怒っていた周星馳は、ゆっくりと笑顔になり、宣伝の台詞を言い始める。)
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周星馳: |
生徒の皆さん。君は授業をサボっている時、つまらないですか?
「蹺課威龍」を飲みましょう!
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(テイク3の周星馳は飲料を飲む時間が長くなっており、張敏は次の台詞を少し笑いながら言う。)
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張敏: |
授業をサボる事は間違っています!
…でも「蹺課威龍」の飲料は本当においしいです!ふふふふふ!
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老太太: |
そうでしょう?
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張敏: |
ええ!
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老太太: |
この「蹺課威龍 飲料」…、「蹺課威龍 飲料」は本当においしいです!
一本たったの28元なんです!
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(張敏が頷き、飲料を机に置く。周星馳は強張った表情を変えないままでいる。興奮気味の、
(老太太は台詞を上手く言えたのだが、口を開けた事で飲んだ飲料を口から垂らしてしまう。)
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張敏: |
あなた、何してるのよ?
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導演: |
うわーあー!
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(NGばかりを出す老太太に呆れ、周星馳は席を立つ。導演が老太太の所へ走って行く。)
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導演: |
あんた来てくれ…、来てくれ…。
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周星馳: |
帰る!帰る!帰る!帰る!
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導演: |
帰らないでください!帰らないでください!
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(帰ろうとする周星馳と張敏を導演が必死に止める。)
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導演: |
座ってください。行かないでください。
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(2人を引き止めた導演が老太太に向かって言う。)
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導演: |
あんた、またも滅茶苦茶やったな!ああっ?言う必要があるか?
わかっているんだろう?
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老太太: |
ああっ!言う必要はありませんよ。
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導演: |
ようし!もう一度だ!
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老太太: |
あああっ!すみません。すみません。
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導演: |
カメラ!
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工作人員: |
さあ!交換して!「蹺課威龍 飲料」、テイク4!
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(カチンコが鳴ると周星馳は怒った表情で宣伝の台詞を言い始める。)
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周星馳: |
授業をサボっている時、つまらないですか?「蹺課威龍」を飲みましょう!
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張敏: |
授業をサボる事は間違っています。
…でも「蹺課威龍」の飲料は本当においしいです。
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(張敏は非常に低いテンションで宣伝の台詞を言う。)
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老太太: |
そうでしょう?彼ら2人の言う通りです!
「蹺課威龍 飲料」は本当においしいんですよ!一本たったの28元なんです!
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(老太太は急に飲料のラベルを見始める。)
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老太太: |
…でも、どうして賞味期限がないのかな?
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導演: |
カット!
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(導演と周星馳が老太太に近づき、彼女を殴り始める。張敏は帰ろうと扉の方へと移動する。)
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導演: |
教えてやるさ!表面に賞味期限がなくても、あんたには関係ないんだよ!
今は本物のCMを撮っているんだよ!…もう一度、殴れ!
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周星馳: |
うわーっ!
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(導演の言葉によって、周星馳は老太太を殴るのだが、老太太は飛び跳ねて攻撃を避ける。
(導演は撮影を進めなければいけない自分の立場を思い出したのか、周星馳を止め始める。)
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導演: |
…殴らないでください。殴らないでください。私の顔を立ててください。
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(導演は老太太に言う。)
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導演: |
ようし!これが最後のチャンスだぞ!
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老太太: |
はい。最後のチャンスですね!
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導演: |
頼むよ!頼むよ!…ようし!はい!カメラ!
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工作人員: |
交換して!交換して!さあ、さあ!準備OK!「蹺課威龍 飲料」、テイク5!
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(カチンコが鳴ると周星馳は怒った表情のまま、早口で宣伝の台詞を言い始める。)
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周星馳: |
せーとのみなっさっ!(生徒の皆さん!)
授業をサボっている時、つまらないですか?「蹺課威龍」を飲め!
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張敏: |
授業をサボる事は間違っています。
…でも「蹺課威龍」の飲料は本当においしいです。
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(同じく張敏も早口で宣伝の台詞を言う。)
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老太太: |
ああっ!本当に、すごくおいしい!一本たったの28元で売っています!
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(老太太は飲料を飲み、その後、それを机に置く。)
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老太太: |
うわ~!素晴らしいわ~!
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張敏: |
わあ!
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(老太太がNGを出さなかったため、張敏が手を叩いて喜ぶ。)
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導演: |
はい!終了です! |