タイトル
作品データ
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本作は「430穿梭機」のメンバーが出演した、TVBの長寿バラエティ番組内のミニドラマです。内容は唐樓に引っ越して来た星仔と基仔が共同生活を始めるも、几帳面な基仔はマイペースな星仔の無頓着な態度に怒りを覚え、2人がケンカをしてしまうと言う物です。以下に内容を翻訳しました。
(部屋で寝ている星仔。奥から基仔があくびをしながら登場。 (以下、粵語と國語が混在して話が進むため、色を分ける。) 基仔:ふあ~あ!ああっ!…何だ?一晩で滅茶苦茶に散らかっているじゃないか! はあっ…。まったく! (基仔は寝ている星仔に近づき、声をかける。) 基仔:おい!起きろ!…起きろ!…起きろ!おい! (基仔は目覚まし時計を星仔の耳に近づける。) 基仔:聞こえないのか?ええっ?ええっ?聞け!聞け!聞け!聞け!ええっ? 星仔:んっ? (星仔は目覚まし時計を渡されるも寝ぼけたままでいる。) 基仔:起きろ!起床しろって事だよ! 星仔:何を聞くって? 基仔:ええっ?聞け!聞け!これを聞くんだよ!…はあっ。 星仔:聞こえる物は、はっきりと聞こえているんだよ!でも、不要なんだよ! (星仔は目覚まし時計を投げ捨てる。) 基仔:おい!おい!おい!何でだよ! 星仔:「何でだよ!」だって?君の豚みたいに騒ぐ声を聞いたら、 失神した人だって、驚いて目が覚めるよ!…ふあ~あ!まずは顔を洗うか。 基仔:おい!わーわーわー! (基仔は星仔を待たせるつもりで彼の注意を引く声を出す。) 基仔:君がほったらかした自分の物で、ここを汚さないでくれよ。 星仔:はいはい!うるさいな! (星仔は鬱陶しそうに返事をして奥へ行く。) 基仔:あっ!もう少しで、まだ自分の部屋を片付けていないのを忘れる所だった。はぁ…。 (場面が変わり、星仔が洗面器に足を入れて気持ち良さそうにしている。) 星仔:わあっ!アイヤー!早朝の足湯は心身ともに心地が良いね!へへっ! (基仔が部屋に入って来る。) 基仔:ハッ…ハッ…、ハクション!…わあっ!何でだよ?ここに来たと思ったら、 すぐに、くしゃみが出て…ハッ…ハッ…、ハクション! 星仔:ああっ?君は何しに来たんだ? 基仔:はぁ…。 星仔:えっ? 基仔:僕には本当に理解できないよ。 …おい!君はまだ、自分の物をほったらかしているのかい?ええっ? 星仔:君には見えないのか?僕が今、すごく忙しいのが?そんなに簡単な事なら、 君が自分で片付けなよ。何事も僕にさせるのは、やめてくれ。…あーあ、まったく! 基仔:おい!少し匂うぞ。 星仔:えっ?何だって? (基仔は鼻で空気を吸う音を出す。) 基仔:匂い。 星仔:匂いだな。 基仔:うん。 星仔:へへっ!君自身のトゲトゲしい性格が香ばしいってだけだろう?へへへっ! (返す言葉が見つからず、基仔は不機嫌な顔をする。) 星仔:あーあ!くだらない話だ。 基仔:ははあ!わかったぞ!その匂いは君の物からするんだ! (基仔は積まれた洗濯物の中から星仔の靴下を拾い上げる。) 基仔: …うわっ!君のだよ! (基仔は靴下を星仔に向かって投げるが、星仔は平気な顔をしている。) 基仔:早く片付けなよ!…ええっ? 星仔:当然、僕の物さ。ここにいるのは僕と君だけだ。 隣の乞食の物だとでも思っているのかよ? (星仔は靴下を基仔に投げ返す。) 基仔:うわっ! 星仔:警告しておくけどさ、むやみに僕の物を掘り返して出さないでくれよ。 僕は「君が侵害して来た」って訴える事ができるんだからな。人間は自由。 へへっ!人間は自由なんだよ!怖くなったか? 基仔:良いさ! 星仔:全部、君が悪いんだからな! 基仔:引っ越して来たばかりだからね、僕たちは。今から取り決めを定めよう。 さあ!この場所の清潔さと衛生さを保とう。 星仔:アイヤー!僕は今、清潔さと衛生さを保っているじゃないか?僕を見なよ。 毎日、朝に起きてする事は足を洗う事だぞ!自分を見なよ。足も洗わず、顔も洗わない。 履いている靴下も、僕が何をしている最中なのかも、わかっていない。 あーあ!まずは自分の管理をしっかりしろよ。 基仔:探そう。…おい!この石鹸は僕が…、僕が洗顔用に使っているのだ! それに、このタオルもだ! 星仔:…何なんだよ?だから、どうしたって言うのさ?洗顔のために持って来ただけだろう? 基仔:ああっ? 星仔:洗顔ってのは、面(つら)を洗う事だろう? 基仔:ああ! 星仔:僕は今、足の表面を洗うために使っていたんだよ。 どちらも同様に「面」だ。どちらも同じなんだよ!ははははっ! 基仔:良いさ!同じだ! 星仔:へへっ!こいつと来たら本当に…、 基仔:ようし!将来、君が嫁さんをもらった時にだな! 星仔:「嫁さんをもらった時」だって? 基仔:化粧を彼女の顔にさせないで、足の表面に化粧をさせるんだな!ああっ! 星仔:ははははっ!君がユーモアのある奴だったなんて、思いも寄らなかったよ。 (場面が変わり、星仔はテーブルの上の書類を見ているが、基仔は部屋の整頓をしている。) 星仔:おい!手伝ってくれよ!良いか? 基仔:良い…訳ないくらい、すごく難しい! (原語は「好…難了」。「好」は「良い」の他に「すごく」の意味があり、ここでは「良いよ」と、 (言ったように見せかけ、「難しい」を続ける事で(「(手伝うのは)すごく難しい」と断っている。) 星仔:何が、すごく難しいんだよ!この報告書は2人で所持する物だろう? 基仔:ここの2人で所持する物だ。だけど、君は整頓を手伝ったかい? 星仔:良いさ!なかなか、やるじゃないか。恨みを覚えていたんだな。 今のは恨みを覚えていたって事だよな?言っておくけどな! 君は、この死人が入るような部屋の事すらも、わかっていない! どんな部屋に来たかって事をな! (星仔はウォーターピッチャーが置いてあるの所へ移動した後、話を続ける。) 星仔:…冷たい飲み水が欲しくてもな、水道水の方が、それよりも冷えているって感じさ。 (星仔は部屋の質の悪さを「容易に手に入るはずの水道水より質が悪い」と言う例で説明する。) 星仔:ほら!扇風機は2台、ここに設置してある!1台は動いていないんだ! 僕は撮影スタジオの道具部へ入ってしまったのかと思ったよ!全部、偽物なんだよ! 君は自分だけが怒れるんだと思っているな?君だけが怒れるのか?僕も怒れるんだぞ! 言っておくけどな、今後、僕の物を動かすな! 基仔:僕は欲しいなんて思ってないよ。 星仔:欲しいなんて思っていない?「欲しいなんて思っていない」って言ったな? 触るなって!触るなよ、クソガキ! 基仔:触ってないよ。欲しいなんて思っていない。 (突然、扇風機が動き出し、風がテーブルの上の書類を飛ばす。) 星仔:イカれているな、この扇風機!何の原因もなく動くぞ!何で動くんだよ! …拾うのを手伝いもしないのかよ!そこに突っ立って、何をやっているんだ! 基仔:できないよ。なぜなら…ええと…、また、物を動かすなって言われるからね。 星仔:…まったく! (星仔は一人で書類を片付ける。その後、場面が変わり、2人はテーブルで食事をしている。) 星仔:今日から、ここを「楚漢戦争」の境界線としよう。…なあ? (原語では「楚漢河界」。星仔は漢の劉邦と楚の項羽による、 (「楚漢戦争」で東西の境となった運河にかけて言っている。) 基仔:良いよ。こちら側に君が来る事は許さないし、そちら側に僕も行かないよ。ふん! それからね、二度と僕の石鹸とタオルを使わないでくれ。 星仔:誰が欲しいってんだ?漂白剤の匂いがする物なんて。けっ!ふん! 基仔:それから、僕が作る上手い食事を、食べさせてもらえる物だと思って、当てにするなよ。 星仔:「食事を作る」だって?ちっとも欲しくなんかないね。 食った飯が多ければ、「長蟲」になるからな。 (「長蟲」は「蛇」の異称。「食事量が多いと大便が蛇のように長く繋がって出る」と言う事を、 (星仔は食事中に言ったため、気分を悪くした基仔は、かじっていたポークソテーを皿に戻す。) 星仔:僕は今、好みを変えたんだ。麺を食べるのさ! 基仔:油があまり使われていないようだな。 星仔:知らないのか?油を多く摂るとコレステロールができるって医者が言っていたぞ。 ふふん!…う~ん! (おいしく食べるつもりの星仔だったが、苦虫を噛み潰したような表情になる。) 星仔:塩漬け卵よりも、しょっぱいな…。 基仔:ふふっ!ざまあ見ろ!僕と争う気かよ?はっ!…だけど、君が僕に頼むって言うのなら、 僕は、もしかしたら君にポークソテーを一切れあげるか考えるかもね。…おいしいなあ! …おいしいなあ! (基仔の言葉を聞いた星仔は独り言を言うように反省をし始める。) 星仔:考えてみるか。また、僕自身が馬鹿だったのかを。 人のタオルを使って足を拭いたりなんて、悪い冗談だよな。 基仔:う~ん…。だけど、僕も少し間違っていたかな。 焦っていて、君もタオルを、はっきりと見ていなかったんだし、 何でも悪いと言ってしまった。そう思うよ。 星仔:相手に謝った方が良いな。でも、彼は僕の部下だ。 そう言う事だから、彼に謝れば、メンツが立たないんじゃないか? う~ん…。でも、それも必要な事だよな…。 基仔:だけど彼が、僕の謝りを受け入れなかったら、 僕が場を取り繕うのは、すごく難しくなるだろうな…。 (突然、玄関のベルが鳴り、郵便配達員が声をかける。) 郵差:郵便です! 星仔:書留ですか? (立ち上がった星仔が基仔に背を向け、扉の向こうにいる郵便配達員と話していると、 (基仔は急いで自分のポークソテーを一切れ、彼のお椀に入れて自分の席に戻る。) 星仔:「八爺へ」だって?4階だろう?10階に届けに来やがって。 何で、こんなに間抜けな奴がいるんだ? (星仔は届けられた手紙の宛名を見て、それが誤配達だと気付くと手紙を置いて席に着く。 (基仔がポークソテーを入れてくれた事を知り、彼のために自分の方にある扇風機をつける。) 基仔:また、ポークソテーを食べたいかい? (星仔がお椀と自分のイスを持って基仔の近くまで行くと、 (基仔は自分の作った料理の皿を星仔の近くに寄せる。) 基仔:さあ!早く食べなよ!食べ終わったら、 次は一緒に生きの良い魚を食べるのは、どうだい? 星仔:また、生きの良い魚?先に作ってから報告してくれないかい? 基仔:構わないさ!食べよう! |