(磔にされている陳大民の腹を山本九七が棒で打つ。しかし、陳大民は平然としている。)
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山本九七: |
ハァッ!ハァッ!ハァッ!ハァッ!ハァッ!吐け!
さっさと革命党のすべての名簿の内容を吐けば、体への苦しみを受けずに済むぞ!
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陳大民: |
殺せよ!お前が一人の陳大民を殺しても、全国には、まだ千万人の陳大民がいる!
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川島芳子: |
そう思い込んでろ!
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(壁の隠し扉から川島芳子が登場し、誇った顔で山本九七に報告をする。)
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川島芳子: |
中国の電話帳を調べました。700人の陳大民だけです!
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(陳大民は「全国には、まだ千万人の革命党の同志がいる!」と言う意味で言っているのだが、
(川島芳子は例えを真に受け、わざわざ、「陳大民」と言う名前の人物を電話帳で探している。)
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陳大民: |
ああっ!?川島芳子か?
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川島芳子: |
こちらの山本九七(やまもと・くしち)さんは、
私たち全日本で最もスケベで、最も悪辣な将軍だぞ!んふふふふ!
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陳大民: |
死ぬのも怖くないのに、「九七」(1997年)を怖がるか!?
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(「山本九七」は実在の軍人「山本五十六」のパロディであると同時に、「九七」は1997年の、
(香港返還を暗示しているため、「九七」を恐れない陳大民の台詞にも2つの意味が含まれる。)
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山本九七: |
怖くないだと!?ようし!我々が、お前の胸を消してやる!イヤァァァ!
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川島芳子: |
怖くないだと!?ようし!我々が、お前の胸を消してやる!イヤァァァ!
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(山本九七と川島芳子が焼きごてを手に取り、陳大民の胸に押し当てるが効かない。)
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陳大民: |
俺の胸は偽物だ。
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山本九七: |
何っ!?
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川島芳子: |
何っ!?偽物だと!?
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山本九七: |
なら、お前の我慢強さは、いずれにしても本物のはずだろう?フン!
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川島芳子: |
引っ張り下ろしてやる!
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山本九七: |
こんな事があるかってんだ!
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川島芳子: |
やれ!
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山本九七: |
やれ!
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(山本九七と川島芳子は陳大民を引っ張り、熊のぬいぐるみや鉄の玉で叩くが、
(陳大民は上手く隙を見て逃げ出し、夢中の2人は仲間同士で叩き合ってしまう。)
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陳大民: |
お前らみたいな奴は相手にするのも億劫だな。
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山本九七: |
何っ!?
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川島芳子: |
何っ!?喰らっていないじゃないか!
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山本九七: |
奴の我慢強さは、あれをも怖がらないのか?
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川島芳子: |
そのようですね。
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山本九七: |
芳子!やはり、お前の「究極のポルノ女優」の技を使ってこそ、上手く行くと思う。
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川島芳子: |
えっ?長い事、使っていないですよ。…あなたは先に、どいていてください。
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山本九七: |
ふふっふっふっふっ!
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川島芳子: |
プッ!プッ!
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(川島芳子は手に吐いたツバで頭髪を整えると自分の服に手をかけつつ、陳大民に迫る。)
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川島芳子: |
♪私~私は欲しい~あなたの愛が欲しい~私は~。
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陳大民: |
おい!何やってんだ「兄さん」!おい、やめろよ!
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川島芳子: |
♪私は~。…お前、怖くないのか?小僧!まずは、お前にキスをしなければ!
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陳大民: |
助けて~!
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(川島芳子が陳大民にキスをすると画面が切り替わり、雷が鳴り響く。)
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財叔: |
バッバーン!うわぁぁぁ!だぁぁぁ!
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(壁の隠し扉から財叔が登場し、一人で牢屋にいる陳大民に掴みかかると、
(落ちていた鉄の玉を拾って攻撃を始め、何度も叩いた後に銃を突きつける。)
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財叔: |
言え!陳大民は、どこにいる?
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陳大民: |
財叔、あんた…。
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財叔: |
あれ?陳大民。馬鹿みたいに突っ立って、ここで何しているんだ?
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陳大民: |
あんたが、ここに何をしに来たのか聞いているんだよ。
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財叔: |
わしは、お前を助けに来たんじゃないか!行こう!行こう!行こう!
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陳大民: |
待った!もう遅いよ!
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財叔: |
なんでだ?
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陳大民: |
すでに俺は川島芳子の野郎にやられた。
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財叔: |
何っ!お前、あいつにやられたのか?
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陳大民: |
ああ、あいつにやられた。
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財叔: |
本当に、あいつにやられたのか?
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陳大民: |
本当に、あいつにあげちまった。
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財叔: |
お前は、なんで、わしにくれなかったんだ?
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(同性愛者と言う設定なのか、話を聞いた財叔は泣きそうになる。)
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陳大民: |
はぁ?
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財叔: |
何でもない。お前は革命党の名簿の内容をバラしたか?
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陳大民: |
それは俺が死んでも言えない事だ。
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財叔: |
財の名を漏らした事はないな?
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陳大民: |
ない!
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財叔: |
吳宇、李天成は?
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陳大民: |
ない!
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財叔: |
梅艷芳に張國強、張國榮は?
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陳大民: |
絶対にない!
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財叔: |
気骨のある奴だ!こんな困難な状況下で、
意外にも彼らの事をバラさなかったとはな!さあ、行こう!
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陳大民: |
皆、死んだな!
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財叔: |
なんでだ?
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陳大民: |
今、あんたに、すべてをバラされちゃったから。
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財叔: |
そんな事ないぞ!
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(牢屋の扉が開き、山本九七と川島芳子が入って来る。)
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山本九七: |
動くな!手を挙げろ!
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川島芳子: |
動くな!手を挙げろ!
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山本九七: |
持っている銃をよこせ!
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川島芳子: |
持っている銃をよこせ!
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(2人の言う通りにした財叔は銃を渡す。)
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山本九七: |
はい、ありがとう!
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川島芳子: |
はい、ありがとう!
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山本九七: |
ふふん!すでに川島芳子は全員の名前を覚えたぞ!はっはっはっはっ!
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川島芳子: |
電話帳にも書き写したぞ!
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山本九七: |
素晴らしい!
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川島芳子: |
全員、ひっ捕らえるぞ!
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(財叔と陳大民は壁の隠し扉から逃げ出す。)
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山本九七: |
追え! |