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冒頭の決闘は1977年のTVBドラマ「陸小鳳之決戰前後」のパロディで、登場する陸小鳳、花滿樓、葉孤城、西門吹雪たちは古龍の小説「陸小鳳」から来ています。また、「天外飛仙」は葉孤城の使う技です。ちなみに王晶の「決戦・紫禁城」(原題:決戰紫禁之巔)では「龍龍九」(009)と呼ばれる人物が登場したり、「008は食神になった。」と言う台詞が登場しています。
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西門吹雪が「私の顔を立ててくれないか?かくいう私も西…。」と名前を言おうとすると零零發が「お前は西だ!だから、顔を立てる必要も何かを言う必要もない。」と言いますが、ここでの「西」は「國產凌凌漆」の達聞西の名前のギャグと同じく女性器を表しています。
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シルエット映像や音楽は007シリーズの時代劇版と言えるアレンジが行われています。本作は「國產凌凌漆」の続編的作品と言う事で、零零七(007)に1を足して零零八(008)、さらに「八」を近似音の「發」に変えています。これは「保龍一族」の零零恭、零零喜、零零發、零零財の4人が揃うと新年の挨拶である「恭喜發財」になると言うギャグも兼ねるためです。
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原題は直訳すると「紫禁城の密使・008」で、本家の「女王陛下の007」(原題:On Her Majesty's Secret Service)を意識すれば、邦題は「皇帝陛下の008」となったかもしれません。また、劇場公開時の題にある「ウーマンレイカー」は「007
ムーンレイカー」(香港題:太空城)のパロディです。
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情報員の登場シーンでは「回魂夜」(または「如來神掌 第四集」)の曲が使用されています。
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零零發の妻の名前は「潘嘉玲」らしいのですが、これは発音が似ている事から考えると古典の「金瓶梅」に登場する潘金蓮から来ているのかもしれません。また、台湾版では背中のツボを押すシーンで妻の苗字が「劉」と判明するため、劉嘉玲は「劉嘉玲」を演じている事になります。
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零零發が皇帝に陰謀を伝えなかった事に対し、佛印が「南無阿弥陀佛」と感謝するシーンは羅家英が前年に出演した「西遊記」の唐三藏のセルフ・パロディに思えます。
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無相皇の妻(袁祥仁)は袁祥仁が女装して演じた「ミラクル・ファイター」(原題:奇門遁甲)の老婆・遁甲のセルフ・パロディです。
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「保龍一族」の3人が皇帝の護衛中に殺される瞬間、対比して鶏肉が引きちぎられるなどのシーンに変わりますが、これは「ツーフィンガー鷹」(原題:勇者無懼)で梁寬(梁家仁)が殺される瞬間に別の場所で料理を食べようとするシーンに変わると言う演出のパロディです。
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同じく「保龍一族」の一人が飛ばされて木に磔になるシーンは「成龍拳」(原題:劍・花・煙雨江南)で小雷(成龍)が刺客に寝込みを襲われて戦うシーンのパロディです。
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宇宙人の説明をする司儀(司会者)の台詞は、司儀を演じた歐錦棠が司会を務めるATVの番組「今日睇真D」で1995年に放送された「宇宙人解剖フィルム」(解剖外星人)の冒頭の説明のセルフ・パロディです。日本語字幕では表現されていませんが、「繰り返し」と言う言葉を繰り返し、ゲストの紹介時には「農夫の母親の隣の家の男の子の飼い犬」とかけ離れた事を言っています。
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解剖のシーンで登場する豬肉刀(肉切り包丁)と零零發が言う「実は医者じゃない。豚を屠殺しているんだ。」の台詞は「國產凌凌漆」のセルフ・パロディです。
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無相皇の息子(袁信義)の「黑白無常」(黒と白の悪霊を捕まえる一対の道教の神)を使った攻撃方法は袁信義が「勇者無懼」で演じた殺人鬼のセルフ・パロディです。
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無相皇の息子との対決で使う磁石は「ドラえもん」(香港題:叮噹)に登場する秘密道具「N・Sワッペン」(中文題:N.S徽章、南北兩極勳章)のパロディです。冒頭にある磁石の発見を発表するシーンも原作漫画と似ています。なお、対決中の零零發は李小龍のような怪鳥音を出します。
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無相皇の妻と息子を倒した後、焼けた跡地で妻の質問に零零發がとぼけた答えを繰り返していましたが、この会話は香港人からすると「(第二次)天安門事件」の後の中国政府とのやりとりを皮肉っていると感じさせるようです。
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「琴操」には皇帝が「名前を聞くだけで鼻血が出る。」と言うように男性への愛撫の技術が優れていると言う性的な意味があるようです。また、北宋時代の杭州にいた娼婦の名前でもあります。
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小説「鹿鼎記」の中で韋小寶が恨みを持たれたラマ僧たちに出くわして命が危ない時、自分が雲南にいる理由を「康熙帝が吳三桂の愛妾・陳圓圓が噂のように絶世の美貌か確かめて来るように言い、また、吳三桂が陳圓圓を宮中に差し出すかどうかも探って来るようにと言った。」と言っていましたが、これは本作で皇帝が妾候補のために任務をさせた事と似ています。
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食事中に現れた琴操が買いたがる漢方薬「當歸」(トウキ)は「ただちに元へ戻るべし」と言う意味があるため、「零零發を私の元に戻る。」と言う事を暗示して、妻を挑発しています。そして、妻が琴操に薦める「獨活」(ウド)は「孤独に生きる」の意味があるので、こちらも「あなたの元に夫は戻らないから、あなたは孤独に生きなさい。」と言う事を暗示しています。
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妻の授賞式は時代劇なのに香港金像獎の授賞式のようになっています。また、これは劉嘉玲が出演した「君さえいれば」(原題:金枝玉葉)のセルフ・パロディとも考えられます。
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零零發が鎖を繋ごうとするシーンは「バック・トゥ・ザ・フューチャー PART2」(香港題:回到未來II)で時計台に落ちた落雷を利用するシーンのパロディです。その後、零零發が変身する仙女は中国の民間伝承の「天仙配」(董永與七仙女)から来ています。さらに仙女の顔が骸骨になるのは「レイダース
失われたアーク《聖櫃》」(香港題:奪寶奇兵)でアークを開けた時のパロディです。
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本作は恐妻家の陳季常と嫉妬深い妻・柳玉娥が登場する故事成語「河東獅吼」(獅吼記)と、スパイが活躍し、夫婦愛もある「トゥルーライズ」(香港題:真實謊言)が元ネタと言われています。
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当初、妻の役に鍾楚紅の出演を希望していた周星馳は彼女の元に直々に出演依頼をしにいったそうですが、すでに女優を引退していた鍾楚紅は出演を断ったそうです。鍾楚紅と言えば周潤發との共演作が何本かありましたが、周星馳は零零發と周潤發の「發」をかけたギャグを使いたかったのでしょうか。劇中に登場する「發哥」の呼びかけには周潤發を思い出してなりません。 |