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韋小寶の被る「虎帽」(老虎帽)は元々は赤ん坊が被る物だと聞いた事があります。
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韋春花は原作では韋小寶の母親ですが、吳君如と周星馳の年齢が近いためか姉と言う設定に代わっています。なお、1984年版のTVBドラマ「鹿鼎記」で吳君如は曾柔を演じていました。
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「コロ」(男性器が萎縮して消えてしまうと思い込む精神障害の一種。縮陽とも言う。)になった客を韋春花が治すくだりは汪禹が韋小寶を演じた邵氏電影「鹿鼎記」にも登場しています。
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海大富に「宮中では本名を使えない。以後、お前の事を小春子と呼ぶ。」と言われた韋小寶が「『春』の字は使わないでくれますか?」と言う理由は「春」が「睾丸」の意味を持つからです。
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慈寧宮で「四十二章經」を見つけた韋小寶が男装をしている建寧公主(邱淑貞)に対して「何て呼んだら良いですか、先生?」と言いますが、ここの「先生」の広東語発音を聞き取ると「しあん」と聞こえます。この発音は周星馳が日常で多用するため、他の映画でも登場していました。なお、台湾版のこのシーンは面白味を出すためなのか、「せんせい」と言う日本語が登場しています。
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切られたスイカを見て韋小寶が言う「小喇叭就你亞媽」の「小喇叭」は「小號」(トランペット)の俗称ではなく、「屌那媽」(あの母親を犯すぞ)の発音と韻を踏む罵り言葉です。広東語の粗口の中には「屌」を「超」と読んだりするように、似た発音を使って罵り言葉を暗示させる事が多いです。
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胸を掴む技「揸波龍爪手」は原作に登場する神龍教の教主・洪安通が創作した「狄青降龍」を使うくだりから生まれたのではないかと思います。「狄青降龍」は本来、敵の首に飛び乗る事が目的ですが、これを洪安通から伝授された韋小寶は偶然が重なり、攻撃をして来た緑衫女郎(陳阿珂=映画では後編に登場する李珂が該当)の胸を掴んでしまうのです。なお、翌年(1993年)の映画「カンフー・カルト・マスター
魔教教主」(原題:倚天屠龍記之魔教教主)では華山派の人物(同意する相棒を演じるのは田啟文)の台詞の中にも「揸波龍爪手」の名称が登場します。
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韋小寶が「揸波龍爪手」を覚えた翌日に康熙帝と対決する際、2人が取る構えと動きは「黃飛鴻」シリーズの關德興と石堅のパロディです。周星馳の表情も關德興に似ていました。
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皇太后が使う「金蛇纏絲手」(金蛇纏獅手)は金庸の小説「碧血劍」の「金蛇秘笈」に記載されている技です。また、韋小寶が金髪の外国人女性を指して言う「金毛獅王」も金庸の小説である「倚天屠龍記」に登場する謝遜の事です。
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神龍刺によって、おかしくなった海大富が言う「啫啫」は男性器を表す幼児語です。
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鰲拜を暗殺するための想像上の計画は、荊軻が秦王を殺そうとした時の方法と同じですが、実際の計画では「三國志」などに登場する英雄・關羽(關二哥)の格好を海大富にさせていました。
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鰲府で韋小寶が歌い出す歌は新馬師曾の「卧薪嘗膽」です。
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韋小寶の足の裏に書かれてある「清明」「重陽」は彼岸に当たる「清明節」と「重陽節」の事です。
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韋小寶が最後に出世した際の肩書き「鹿鼎公」は、原作では鹿鼎山にあるアルバジン城(雅克薩城)を攻める時に封じられた物です。原作での正式名称は「三等鹿鼎公
撫遠大將軍」でした。なお、康熙帝がアルバジン城をロシアから奪還したのは1685年(康熙二十四年)だそうです。
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中国語の「逐鹿」(鹿を追う)は「政権取得の争い」「帝位を争う」の意味があり、また「問鼎」(鼎の軽重を問う)も人の実力を疑うと言う事から「帝位(他人の地位)を奪う」の意味があるため、本作のタイトルは物語に合致していると思います。ちなみに英語題にある「Tramp」(切り札)は「とんとん拍子に上手くいく」「頼もしい人」などの意味を持つ「Trump」と発音をかけているのでしょうか。 |