家有囍事

タイトル

原題: 家有囍事
英語題: All's Well, End's Well
台湾題: 家有囍事
家有喜事
92家有囍事
大陸題: 家有喜事
92家有喜事
韓国題: 家有囍事
가유희사
ベトナム題: Chuyện hỉ trong nhà
Gia hữu hỉ sự
タイ題: กระทิ้งสู้ปู้เสี่ยวฉิง
คนเล็กตัวใหญ่หัวใจไม่ยอมแพ้
その他: Family Happiness
Family Has Happy Affairs
HAPPY HAPPY
邦題: ハッピー・ブラザー

作品データ

監督: 高志森
脚本: 谷德昭、蔡婷婷
製作: 黃百鳴、高志森
製作会社: 高志森影業有限公司
香港公開: 1992年1月25日~3月6日
興行収入: 48,992,188HKドル
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役名 出演者
常歡 周星馳(チャウ・シンチー)
常滿 黃百鳴(レイモンド・ウォン)
常騷 張國榮(レスリー・チャン)
何里玉 張曼玉(マギー・チャン)
程大嫂 吳君如(サンドラ・ン)
梁無雙 毛舜筠(テレサ・モウ)

説明

本作は英語題のように「終わり良ければ、すべて良し」の旧正月映画で、ギャグと絡めつつも登場人物の恋愛模様を描いた暖かいホームコメディです。周星馳は全編に渡って強い無厘頭さが感じられるギャグを放っており、話し方から動きまで、どれを取っても非常に弾けた演技をしています。

情報

「香港小姐」(ミス・コンテスト)出身のSheilaを演じる陳淑蘭は、1988年度の「香港小姐」で準優勝を受賞しており、Sheilaの英語名を持っているため、この設定はセルフ・パロディなのでしょう。

「何里玉」は「荷里活」(ハリウッド)の近似音なため、常歡は「ハリウッドと何か関係でもあるの?」と聞きます。なお、英語字幕では「Hollywood」と似せるため、「Holliyok」と表記されていました。ちなみに國語版でも張曼玉の役名は音に合わせて「郝來玉」(hao3 lai2 yu4)になっています。

何里玉の最初のコスチュームは歌手であり女優のマドンナを真似ており、常歡に見た事があるか聞いた映画は「イン・ベッド・ウィズ・マドンナ」(香港題:與麥當娜同牀)でした。

常歡が堕蓮を振り切るために使った、時計を1分間見る行為と台詞は王家衛の「欲望の翼」(原題:阿飛正傳)のパロディです。

何里玉は常歡の眼を「E.T.」(香港題:外星人)だと言っていますが、常歡は自分の眼を俳優のトム・クルーズだと言っています。

常騷が按摩教室を覗きに来るシーンは「チャイニーズ・ゴースト・ストーリー」(原題:倩女幽魂)のパロディで、その音楽も使われています。

小西灣でデートをする常歡と何里玉の格好は「プリティー・ウーマン」(香港題:風月俏佳人)です。さらに月を見ながら思い出す映画は「月夜人狼 The Wolf」(邦題不明)、「カサブランカ」(香港題:北非諜影)、「泥棒成金」(香港題:捉賊記)、「月亮 Moonlight」(邦題不明)でした。

同じく小西灣のシーンに登場する言葉である「隔膜」(gaak3 mok6)には「隔たり」と「隔膜」(かくまく)の意味があるのですが、ここで常歡が暗示しているのは「処女膜」の事です。
何里玉:私は軽い女じゃないわ。

常  歡:俺は軽い!…じゃなかった、俺も違う!

何里玉:その上、私たちの間には「隔たり」(隔膜)があるし。

常  歡:「処女膜」(隔膜)は取り除けるよ。

(何里玉の噛んでいた風船ガムが常歡の口に張り付いて割れる。)

何里玉:私たちには「隔たり」があるって言ったでしょう?

常  歡:構わないさ。すでに「膜」は破裂したよ。

(東京国際映画祭に行くと言って去る何里玉。)

常  歡:何さん、この「膜」はまだ要るの?…OK。君が要らないなら俺が要る。


常歡が東京銀座の東武ホテルの304号室に入った後、音楽と共にパロディとなっているのは「ゴースト ニューヨークの幻」(香港題:人鬼情未了)です。サブタイトルはありませんが日本語で書かれた案内も登場しています。

常滿が両親(父親:關海山と母親:李香琴)にSheilaを紹介するシーンでは、次のような発音のギャグが登場します。

常滿:父さん、母さん。彼女はシーラだよ。(阿爸、阿媽。佢係Sheila。)

母親:メス豚?(豬乸?)

常滿:シーラは英語名なんだよ。(Sheila係英文名嚟㗎。)

母親は「Sheila」を「メス豚」と言う意味の「豬乸」(jyu1 na2)と聞き間違えたようです。また、國語版では「死んだ?」の意味の「死啦?」(si3 la1)と聞き間違えます。

続いて、勘違いをした両親に対し、常滿が説明するシーンでも発音のギャグが登場しています。

常滿:父さん、母さん。彼女は僕の新しい奥さんだよ。(阿爸、阿媽。佢係新新抱呀。)

母親:新しい宝石店?(新金鋪?)

父親:いつ、新しい宝石店が開いたんだ?(幾時開咗間新金鋪?)

「新新抱」(san1 san1 pou5)は「新しい、息子の妻」の意味ですが、母親が聞き間違えた「新金鋪」(san1 gam1 pou1)は「新しい宝石店」の事です。國語版で母親は「新しい奥さん」の意味を持つ「新媳婦」(xin1 xi2 fu4)を「新しい服」の意味を持つ「新衣服」(xin1 yi1 fu2)と聞き間違えます。

常歡が何里玉に言う「醉拳甘迺迪」の甘迺迪はジョン・F・ケネディの事です。この作品は「南拳北腿孫中山」の下集に当たり、主演は梁醒波だそうですが当然、存在しない架空の映画です。

常歡・何里玉・浮気相手(李麗珍)が庭で顔を合わせた時に流れる曲は「將軍令」です。

常歡を看病する何里玉の格好と異常性は「ミザリー」(香港題:戰慄遊戲)のパロディです。

常歡が歌う「女~殺~手~!」は陳寶珠の映画「女殺手」の主題歌です。

洗濯物として干される常歡は、Sheilaに「ドクター・スランプ」(原題:IQ博士)の歌をリクエストされますが、実際に歌うのは鄭君綿の「賭仔自嘆」です。

スープを持って程大嫂の元を訪れた常騷が、彼女を元気付けるために言った言葉は「自分のスタイルを見なさいよ。まるで白燕のようだもの。」ですが、白燕は戦後の香港映画で活躍した女優の名前です。ちなみに國語版では林青霞に変えられていました。

ヒューズが飛んでテレビが見られなくなった間、水槽を見続ける両親は魚が泳いでいる様子を「Blue Reef Adventures」(香港題:深海獵奇)の番組と勘違いしています。

台湾式麻雀をしている時に父親が言う「わしは当然、景気が良いからな。」の台詞は、國語版では「わしは周星馳だ。当然、運が良い。」になっています。

常歡がチェーンソーを持って追いかけるシーンは「13日の金曜日」(香港題:黑色星期五)で、何里玉の像は「シザー・ハンズ」(香港題:剪刀手艾德華)のパロディなのでしょうか?

程大嫂が両親に挨拶した後、「我要走啦。」(私は行かなくては。)と言うと、母親は「要飲酒?!」(お酒を飲む?!)と勘違いしますが、これは「走」と「酒」の発音が同じ事から起きた聞き間違えです。

バイクで登場した常歡の髪型を見た何里玉の台詞にも発音のギャグが登場します。

何里玉:「癲佬正傳」なの?!(癲佬正傳?!)

常  歡:ちがう!アーノルド・チュワ…(唔係!係阿諾豬華…。)

何里玉:シュワでしょ。(係舒華呀。)

常  歡:シュワ!…つまり、「ターミネーター」なんだ。(舒華!…亦即係未來戰士。)

「癲佬正傳」は爾冬陞が監督した精神病患者を扱った映画ですが、何里玉は常歡が精神病患者を真似ていると思ったようです。そして、常歡は「アーノルド・シュワルツェネッガー」(阿諾舒華生力加)の「シュワ」の部分である「舒華」(syu1 wa4)を「豬華」(jyu1 wa4)と言い間違えています。

カラオケの事を間違えた父親に対し、母親が言う「譚詠麟も歌っている『亞拉永遠OK』。」は「卡拉永遠OK」の間違いです。

「阿諾舒華生力加」の発音のギャグは程大嫂が常歡の頭を見て驚く時にも登場しています。

程大嫂:あんたのその頭、何のつもりなの?(你個頭想點呀?)

常  歡:このスタイルはアーノルド…(呢個造型係阿諾…)

常  歡:シュワ!(舒華!)

何里玉:シュワ!(舒華!)

常  歡:ルツェラガー!(生力啤!)

何里玉:ルツェネッガー!(生力加!)

「舒華」と言えた常歡でしたが、今度は「ルツェネッガー」の部分である「生力加」(san1 lik6 ga1)の発音を間違い、ビールのメーカーである「San Miguel」の中文名「生力啤」(san1 lik6 be1)を出してしまいます。國語版では「生力啤!」の部分で「吃雪茄」(chi1 xue3 jia1)と言っており、これは「シガー(葉巻)を吸う」の意味になるため、日本語にするならば「ルツェシガー!」でしょうか。

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