『三文文士映像日記』日記帳bT8 2020年(令和2年)5月

 

1日(金) /12/27

 

5月に入り、一日晴天傾向となり、日差しが強くて気温が上がり、熊谷の最高気温は25℃を超え、今年初の夏日となった。薄手の上着を羽織り、昼食を兼ねた散歩に行くと、帰りは上着を手に持つようだった。天気予報によると、明日はさらに気温が上がって、真夏日の可能性もあるようだ。

一人暮らしとなって、普段他人との接点がほとんどなく、セールスとは無縁で、金が出ていくことはほとんどなかった。ところが、先日、ペンキ塗りのセールスがやってきて、家の壁の塗り替えをすることになってしまった。

前々から考えていたことで、無視する事ができず、セールスは20歳そこそこで、結婚をしていて、遠からず子供が生まれるとのことなので、余計応援をしてやろうと思った。

空き地となった地境にブロック塀も立てよと考え、ペンキ屋でもブロック関連業者がいて、それも契約し、さらには、屋根瓦の補修も提案され、結局は3つの工事をすることになってしまった。どう見積もっても予算オーバーであり、どの工事も二人の息子にも関係するので、金を出させようと考えている。

人生70年を超えて、後はじっとしているのが相応しいと思うのだが、お節介という病巣に取りつかれて、目をつぶって通り過ぎることができないのである。妻が亡くなったとき、これでお節介とは縁遠くなると思っていたのだが、ついつい厄介ごとに首を突っ込んでしまう。

 

2日(土) 13/31

 

昨日の天気予報通り、朝から陽射しがたっぷりで気温が上がり、熊谷の最高気温は30℃超えの真夏日となった。昼の昼食を兼ねた散歩では、暑さはそれほど苦にならなかったのだが、午後から外で作業をしたら、夕方には夏バテ状態になってしまった。若いころは暑さが苦にならず、猛暑日でも動き回っていたのを覚えている。

ブロック塀の工事が完了して、野晒し状態だった敷地が、中々いい恰好になった。ノロウィルスの問題で、工事にクレームがつくのではと、少々気になったが、問題なく工事を進めることができた。後はどんな門扉にするかが課題で、今日は仮門扉を作って、よその車が駐車場には入れないようにした。

他にも家壁の塗り替えや、瓦の補修工事も契約し、半月ほどしたら始まることになっている。ブロック塀工事はほとんど騒音が出なかったが、壁塗りとなるとそうはいかないと思われ、少々気になるところである。合わせて瓦補修工事もあり、散在となるが、今回の工事のセールスマンは、近々に初出産を控えており、応援しないのでは男が廃るとの心境である。

 

3日(日) 晴・曇16/29

 

今日も晴天傾向で気温が上がり、熊谷の最高気温は30℃に達しなかったものの、日差しの強い一日だった。昼の、食事を兼ねた散歩では、夏の日差しを受けて、だるい散歩となった。昼の散歩も、これからは負担が大きくなってくるが、何とか休まずに夏を乗りきろうと思っている。

コロナウィルスの問題は、熊谷ではほとんど情報が入らず、どんな状況か分からないが、駅から離れた地域で行動し、普段と全く変わらない生活をしている。私と同様な生活をしている人もけっこうおり、行きつけの喫茶店(食事も扱っている)には、数はそれほど多くないが、いつもそれなりの人数が食事をしている。

駐車場にする敷地のブロック塀工事が完了して、門扉をどうするか思考しているところである。経費削減を意識して、全くオリジナルの門扉を作る予定で、構想を練っており、昔に戻って、ものづくりを楽しもうと思っている。

昔から自分で何でも作ってしまい、家周りには、自分の手作りがちりばめている。今一番目立つのがモッコウバラであり、ブロック塀の上に棚を作って這わせている。モッコウバラを植えている家は少なからずあり、自惚れであるが、我が家のモッコウバラが一番奇麗に見える。

 

4日(月) 晴・曇17/23

 

今日は曇っている時間が長かったせいか、気温が上がりきらず、最高気温は25℃の夏日に至らなかった。最近、気忙しくて夕方のジョギングが疎かになっていたので、今日はなんでかんで走ってきた。荒川河川敷では多くの若者がやってきていて、グランドの何カ所かに分かれ、色々なゲームに興じていた。

我が家の壁塗りや瓦補修の工事を依頼していて、全部合わせると250万円に達し、自分の預貯金で全部支払うとなると先行き不安となり、長男に援助してもらおうと東京に住む長男を呼び出した。

契約書類や支払明細などを見せたら、息子がすぐにネットで調べ始めて、工事の終わったブロック塀の値段がべらぼうに高いと指摘してきた。私の婚約者にも連絡してくれて、意見交換した結果、ブロック塀工事代金が高すぎるのでクーリングオフの手続きを取ることになった。

契約した営業マンは21歳で、結婚していて遠からず第一子が生まれる予定で、私の気持ちとしては売り上げにできるだけ貢献してやろうと、大して資産を持っていないのに三つの工事を受け持ってもらうことになった。

本人は気のいい好青年で、決して悪意はないと思うのだが、上司に言われて高く見積もったらしく、長男の調べては、ブロック塀工事代金は通常の3倍の値段と言うことで、セールスマンに騙され、裏切られた結果となった。よく目で言うなら、上司に仕向けさせられたと思いたかった。

自分のお人よしが幾分嫌になったが、自分らしい姿であり、過去に多くの人を手助けしてきて、若干の行き違いがあったものの、多くの仲間に慕われた。それは亡くなった妻にしつけられたとも言えて、妻に手助けすることを生き甲斐にしてきた。

 

5日(火) 晴・曇15/29

 

真夏日にはならなかったが、今日も気温が上がり、熊谷の最高気温は29℃と、真夏日に迫って、暑い一日となった。少々多忙となり、昼のウォーキング、夕方のジョギングを休み、一日運動らしい運動はしなかった。それでも脹脛が痛くなり、前日までの疲れが残っていたのかもしれない。

今日も家の工事の事で一日費やした。昨日に引き続いて長男坊がやってきて、セールスマンと半日やりあい、長男坊は納得しなかったが、私の方が面倒くさくなって、予定通り進めてもらうことにした。長男坊は帰宅するということで、「駅まで歩いていく」と言って帰っていったが、実際は女性(私の彼女)と示し合わせ、クーリングオフについて話し合ったようである。

夕方になって彼女から連絡が入り、明日クーリングオフの手続きをする事になった。セールスマンに連絡を取り、クーリングオフをすることを伝え、工事は延期(当面は再開の見通しは立っていない)することになった。

今回家周りの工事をしようと思ったのは、彼女との結婚を意識したもので、肝心の彼女にクーリングオフの手続きを取ると言われたら、おとなしく従うしかなかった。大変たくましい彼女であり、尻に敷かれた余生の出発点となりそうである。

 

6日(水) 曇・雨14/17

 

今日は曇りや雨で、昨日までの様には気温が上がりきらず、大分涼しい一日だった。今日は絶対に散歩をしようと思っていたのだが、クーリングオフの手続きなどで、結局、運動はできなかった。二日続けてウォーキングを休むのは記憶になく、運動不足を意識したが、膝に違和感があったのが和らいで、ちょうどいい休息になったのかもしれない。

自分は本来何をすべきなのか考えてみると、ぽっかりと空間が広がっていた。なんとなく時を過ごして一日が終わり、生産能力が著しく減退している。家の工事の関係に時間を取られた事が要因と思いたいが、創造力の著しい劣化のように思えてならない。

実際に、考えるのが億劫になって、ボケーとしている時間が多くなっている。余分なことに捕われていたとの見方もできるが、老いぼれたと自覚する必要があるのかもしれない。もしそうだとしたら、自分はいったい何を目的に生きていったらいいのか、悩むようである。

妻が生きているときの生きる筋金が途切れてしまったのか、毎日浮遊しているような気分である。それは、生き甲斐が失われているとの証で、精神的には高齢者から抜け出して、冒険を夢見ていく必要があるのかもしれない。

 

7日(木) 晴・曇12/22

 

一日晴天傾向で、気温が上がって20℃を超え、炎天下では汗ばむようだった。昼の食事を兼ねた散歩では、涼を求めてコースを取り、木陰では大変心地が良かった。昨日は幾分涼しかったが、だんだん夏日がベースの気候に移ろっていく。

昨今、物事の判断力が極端に衰え、特に損得勘定が下手になって、大雑把に終始している。時には大きな損出となることもあり、それでも深く考えずに早く終わらそうとしてしまう。時には事細かに計算して答えを導き出すこともあるが、実行力にかけている。

何をやるにしても進展がなく、浮遊した生活となり、それはぼけが始まったと言うことなのかもしれず、余生を正常な道筋を歩む事ができるか不安となってくる。面倒くさくなって、きっちりと判断せずに、むしろ逃げてしまい、無為な時間を積み重ねるようである。すなわち、老いぼれということである。

 

8日(金) 9/24

 

昨今、なんとなく多忙で、夕方のジョギングを休むことが多くなった。散歩も、毎日という原則が崩れて、通常と比べて三分の一ほどの回数となっており、気になるところである。何日か前に疲れ気味となり、運動する気力が薄れて、ジョギングも含め、運動の規則性が薄れてしまった。

昨今、能力の衰えが著しく、論理的に物事が考えられなくなっている。話をしていても、相手の言っていることが正確に理解できず、確認することも疎かになっている。ところが、時間が過ぎてから色々と分かってきて、しくじったことに気づく。

今、ブロック塀工事の事で業者と揉めており、相手の言い分の成否が、すぐには明白にならず、後になって色々な事との関連性が見えてくる。20代のころは切れ者と言われて、労働組合の役員になって労使交渉に臨むと、完全に会社側を凌駕し、組合側の意に沿って結論を出してきた。

今はその片鱗は全く影を潜め、後になって問題点に気付くと言うパターンになっている。明らかにボケの始まりで、思考力がかなり衰えていると実感する。10年以上前の話になるが、松本清張の小説を愛読したことがあったが、晩年に近くなればなるほど愚作と感じられ、年を取るというのはこう言う事かと、しみじみ感じたことがある。

創作はライフワークと任じてきたが、そろそろ終焉を迎えそうである。

 

9日(土) 晴・曇10/20

 

はっきりしない天気だったが、最高気温が20℃となり、洗濯物はよく乾いた。昨今、運動量が少なくなり、記録を見ると、ジョギングのみならず、ウォーキングも減っており、気になるところである。なるべく早く通常通りに戻さなければ、年齢を考えるとかなり危険な状態と言えるかもしれない。

ブロック塀工事の問題で、たまたま我が家を訪れた知人(今は親しき友と言える)に話すと、建築に詳しい人で、「これは酷すぎる」と指摘された。さらに、近所のブロック塀を扱っている人に聞くように言われ、すぐに行ってみた。

はっきり覚えていないが、昔ブロック塀の工事をしてもらったかもしれず、顔はよく知っていて、さっそく相談をしてみた。すぐに、「これは酷すぎる」との答えが返ってきて、「97万円かかった」と話すと、呆れかえっていた。

今は安全性の問題で「こんな工事をする業者はいない」と言われた。地震などでブロック塀が倒壊して人の命にかかわり、ブロックそのものは何段も使わず、上部はフェンスで目隠しをするのが通常だと言い添えられた。

若いセールスにできるだけ仕事を与えてやろうとの温情で始まった工事であり、完全に裏切られる結果となった。過去において世話を焼いた若者が多くいるが、裏切られるようなことは全くなかった。多くの仲間ができて、長期にわたって親交を交わした。時代の違いと考えるべきか、あくまでも個人的な問題なのか、なんとも寂しい限りである。

 

10日(日) 晴・曇14/26

 

 今日は朝から気温が高く、日中気温がぐんぐん上がって、熊谷の最高気温は25℃を越えて夏日となった。夏日と言っても、空気が乾燥していたのかそれほど暑く感じられず、比較的活動しやすく、夕方のジョギングでは快適に走れた。荒川河川敷では、若い人を中心に多くの人が集まり、楽しそうに運動していた。

熊谷ではコロナ感染状況の情報はあまり聞こえてこず、町中ではマスクをしている人が多いが、買い物でも、人と人との距離を置いているものの、普通の生活をしている。特に、荒川河川敷や堤で運動をしている人が多く、コロナ騒ぎの前より多いくらいである。

ブロック塀工事の問題で、息子の方から修復工事をしないよう言ったら、誓約書があると、文句を言ってきたようだ。私に文句を言ってくればいいはずなのだが、今日は連絡がなかった。明日にでも言ってくるかもしれないが、私にはめられたと気づいたのかもしれない。ことによると荒業で押しかけてくるかもしれないが、私は動ずることはない。

 

11日(月) 晴・曇19/31

 

今朝は昨日に比べて一段と気温が高くなり、熊谷では30℃を越えて真夏日となった。昼の食事を兼ねた散歩では、日陰を選んで歩くようだった。そろそろ初夏を感じさせる陽気になってもおかしくない季節である。

今日の日記を書いていて、たまたま昨日の日記を読んでみたら、ブロック塀工事のことで相手が息子に文句を言ってきたと知った。昨日の段階で分かっていたはずなのに、さっきまで全く記憶がなかった。自分の記憶が壊れかかった蛍光灯並みで、時間がたつと点灯することがある。

いつ壊れるか分からない記憶であり、記憶からデータへ移行しなければならない。壊れかけた脳を意識すると、自分の判断だけで事を起こすのは避ける必要があるのかもしれない。

 

12日(火) 曇・晴17/25

 

昨日ほどではなかったが気温が上がり、熊谷の最高気温は25℃の夏日となった。これで、三日連続で最高気温が夏日以上となり、5月らしい陽気になってきた。この時期は北海道東北沖のオホーツク海高気圧から寒気が関東にも流れ込み、曇りがちの涼やかな天気となることが多い。梅雨の前触れと考えていいのではないか。

夕方ジョギングをしてきたらやたら疲れてしまい、老化が促進したのかと、不安になった。記録表を見ると、ジョギングを休むことが多く、かなり不規則な生活となっている。不規則の原因が判然としないが、おそらくブロック塀問題であり、収束の着地点を模索しているところである。今後相手がどう出てくるか定かでないが、裁判になれば、業者側は業務停止命令が出てもおかしくない状況に陥っている。

 

13日(水) 16/29

 

日中気温が上がって、熊谷の最高気温は真夏日一歩手前の暑さとなった。昨日までは、時々電気ストーブを使うこともあったが、今日は全く不要だった。逆に疲れやすく、何をやってもかったるかった。

 

*ブロック塀の不良工事についてまとめてみた。

ブロック塀問題

 問題の経過

@  私の置かれた状況

A  孤立した生活

B  出遭いと社会復帰

C  S君との出会い

D  S君に対する姿勢

E  ブロック塀問題の経過

○最初は壁修復(塗装)工事について契約

○合わせて、瓦修復工事の提案あり

○コロナ問題を鑑み、こちらから工事を遅らせるよう要請

S君の焦りを感じて、こちらからブロック塀工事を提唱

※一度も見積もりなど知らされずに工事が行われる

○工事が終わって支払いを請求され、97万円を支払う。

※97万円と知ったのはその時が初めてだった。

○他の工事との総額が300万円近くなり、長男に資金援助を求めることにした。

○長男が確認にやってきて、「建築基準法違反」と知らされる。

○私はそれほど深刻な問題とは分からず、今後の対応は息子と、建築基準法に詳しい知人女性に委ねる。

○壁塗装と屋根補修工事はクーリングオフで解約する。

※私はブロック塀の補強をすればいいぐらいに考えていた。

 F 会社側の対応

    息子の方で、今後の対応は自分がするとカナリアペイントに申し入れしてあったが、私がよほどぼけている(S君に同情的)と思ったのか、再三、私とじかに話し合いの申し入れがあった。

   ○所長から佐々木君が苦しんでいると言って同情を求めてきた。

   こちらから「建築基準法」について話すと、S君は「どこにそんなことが書いてあるんですか」  

   と聞いてきた。S君は全く知らなかったことが明らかになり、所長が慌てて口封じする場面もあった。

   ※今回の違法工事は、所長ないし先輩の指示であった事が明白になった。同時に、全く同情の余地がないと、私自身が覚醒、カナリアペイント側の対応を待った。

  ○所長が最後にやってきたのは、建築工事に携わる友人と、ブロック塀工事をやっている知人にブロック塀工事の実情を教授された後で、「今時こんな工事はあり得ない」と、いかに悪辣な工事であるのか学んでいた。近所の比較的新しい家屋は、全てブロック塀上部にはフェンスが付いていた。

  ○所長は私が学んでいたとは知らず、脅しを交えて、工事の正当性を述べてきた。

    最初に、私の家族が「やくざでは」と脅してきた。契約書か何かの工事規定に「補強はしなくていいと書いてある」と平然と言ってきた。

   それは呆けていた脳を覚醒させる効果があり、所長の言い分をあえて否定せず、誓約書に進んで判を押し、カナリヤペイント(所長だけの意志なのかもしれない)の悪徳性を担保することに成功、さっそく息子に連絡する。

  ○所長は意気揚々と息子に誓約書があると裁判を封じ込めようとしてきたが、息子が誓約書を裁判に提出すると話すと、それから連絡が無くなったようである。

 

  今回、ブロック塀工事の違法性をホームページに残すことによって、私に危害が加えられた時の証拠となるように残すこととした。

 

14日(木) 12/29

 

朝はいくぶん気温が下がったが、日中どんどん気温が上がって、昨日と同様真夏日間近となり、昼の散歩を兼ねた食事では汗ばむようだった。確実に夏が近づいてきて、この夏はどんなことになるのだろうか気になるところである。

私の持つ特性と言うべきか、悪癖と言うべきか、昨日記したブロック塀問題について、本社の社長と直談判をしようと、うきうきしながら考えた。社長がどこまで承知しているのか問いただし、どのように解決しようと考えているのか追及しようと思っている。

その時は当然私一人だけでなく、息子や友人も同席してもらい、収拾方法を話し合いたいと思っている。社長がどこまで承知していて、どのように解釈しているのか聞き出そうと思っている。

何ともはや、私に内存する病原菌が増殖され、若きころの団体交渉が頭に過るようになった。会社側が正当性を主張した文言を交渉記録に残し、交渉記録を上部に提出、上部から、発言した課長を首にするかどう打診があり、処置は上部に任せたことがある。

今回のブロック塀問題でも同様な手口で、ごまかしきれない状況を作った。そこで問題になるのが、どう着地させるかで、裁判で争って営業停止に追いやるか、S君の仕事をどう確保するかの二つである。S君に話して、本社社長が話し合う意思があるか確認させようと思っている。

 

15日(金) 晴・曇14/29

 

今日は、春と言うより夏の陽気で、薄着でもすぐに汗ばむようだった。昼食を兼ねた散歩では疲れ方が酷く、年を取ったと意識しないわけにはいかなかった。色々とやらねばならないことが多くあり、確実に片づけていけばいいのだが、面倒くさくて何も手を付けなかった。

今までの生活の中でも、何度も老いを感じたが、今ほど切迫感はなく、なんとなくやり過ごしてきた。人生の区切りを意識しないわけにはいかない時期に差し掛かっており、意識をそこへ向けるべきなのに、悲しいかな、ぴんと来ない。なんとなく時間を過ごしていて、どんな結論が出るのか見当がつかない。

独りぼっちで会話がないのが最大の問題で、ボケがかなり進行しているのかもしれない。生きながらえるというのは非常に難しく、自分の存在感を鮮明に意識することが肝要と思われる。まさに会話が少ないのが致命的で、テレビを見て癒すのが精一杯である。

創作が縁遠くなり、本分が失われて行っている証である。創作は会話から始まり、肝心の会話が希薄となり、我が人生が危機的状況にあるのかもしれない。自分に乗り越える力があるのか、今の段階では推し量れない。

 

16日(土) 雨・曇17/22

 

一日雨傾向で気温が上がらず、この一週間からすると季節が逆戻りした陽気だった。一雨ごとに季節が進む時期と考えれば、今日の雨で本格的な初夏へと移ろうのかもしれない。高齢者に足を一歩突っ込んでしまうと、寒さに弱くなり、今日のような陽気だと身動きが取れなくなってしまう。

散漫がちの生活であるが、一度焦点があってくるととことんこだわり始め、他に手がつかなくなる。創作などに応用できればいいのだが、今のところそこまで進んでいない。そうなると、これからどんな人生になるのか考えると、危機意識が湧き上がってくる。

妻が亡くなって「愛妻記」に自分の存在価値を見出した、引きこもりがちな生活から、幾分社会生活に馴染みはじめ、会話を楽しめるようになった。コロナの事もあって、社会生活が希薄となり、元に戻ってしまったような感覚になる。

今は何とか踏ん張って、自分らしさワールドをこしらえていく必要がある。それは創作へと連なり、一日10時間近く書き綴っていた時代へ、瞬時でもいいからワープできればと願っている。

 

17日(日) 晴・曇15/31

 

今日は曇ることもあったが気温がぐんぐん上がり、熊谷の最高気温は30℃を越えて、日中は完全に夏服となった。夕方の河川敷でのジョギングでは、多くの人が運動をしていた。家族連れも多く、なんとも楽しそうにしていて、たまらなく羨ましかった。

何度も書くようだが、記憶が曖昧で、特に一日おきのジョギングを、前日やったかどうか、全く記憶に残らない。今月に入ってのジョギングを計画帳で調べてみると、一日おきは2回だけで、中三日、中五日など、規則性が完全に失われている。

それは老化が急速に進んでいる証なのではと、気になってきた。できるだけ記録帳を見るようにしているが、この数か月、ほとんど役に立っていない。諸々の事を一度リセットして、何が適切なのか審査してみようと思う。

 

18日(月) 曇・雨17/21

 

 この4日間、最高気温が日替わりで20℃と30℃と行き来して、今日の熊谷の最高気温は21℃だった。この寒暖の差は老体には負担が大きく、体調がすぐれない感じである。本格的な初夏へ移行すれば、気温に慣れて、苦にならない気候と言ったところである。

年を取ったためなのか、ボケが強まった所為なのか、考えるのと動くのが億劫になってきている。今日は71歳の誕生日で、他人に言われるまで気づかなかった。初老の域を超えて老人そのものであり、何年生きられるか分からないが、そう長くないと考えた方がよさそうである。

妻が亡くなって1年間は「愛妻記」の作成に勤しんできたが、今は創作からは縁遠くなっている。唯一日記を書き続けているのが生命線で、日記が書けなくなったら完全に生きた屍になってしまう。

90歳が目安であるが、今の調子だと高望みとしか言いようがない。残りの人生で何が成しえるのかが当面の課題で、脳をいかに活性化するかにかかっている。

 

19日(火) 曇・雨14/21

 

昨日と同様雨がベースの一日で、気温も上がらず、二日続けて梅雨に入ってしまったようである。それでも二日前の真夏日より過ごしやすく、むしろ、一番過ごしやすい陽気と言えるのかもしれない。残念ながら、老化が進んで、さわやかと感じられない肉体になってしまった。

違法ブロック塀工事の問題で、いまだに煩わされている。構わず裁判にかけてしまえばいいのだが、悪質性からすると営業停止にもなりかねない状況である。社長だけの問題で片付くなら裁判をすればいいのだが、社員にも波及してしまい、職を失ってしまうかもしれない。

コロナの問題もあって、どこの会社も厳しい状況にあり、日本全体が危機的状況にある。そんな社会にあって、いったいどんなことができるか考えると、自社の営業のみならず、高齢者の見守りも盛り込んで、信頼を売っていくのが上策ではないのか。

それは種まきと同じで、信頼を植え付けて、花咲くのを待つのが唯一の道筋ではないのだろうか。自分自身はもう仕事には携わりたくないが、営業手法を若者に伝授できないか、考えているところである。なんとも複雑な思いである。

 

20日(水) 雨・曇11/15

 

雨が降ったり止んだりの一日で気温が上がらず、春先に戻ったような陽気だった。今日の涼しさは、北海道東北沖の寒気を含んだ高気圧から吹き出た涼風が関東にも流れ込んだためで、この時期特有の天気である。それは梅雨の前触れとなり、遠からず梅雨に入っていくと思われる。

近頃創作が全くできなくなり、唯一日記だけを維持しているだけで、71歳と言う年齢が重くのしかかってくる。完全にボケてしまえば気にならないのだろうが、反ボケと言ったところで、覚醒状態も少なからずあることは確かである。何も考えないでいられればどんなに楽かと思うが、考える人で通してきてしまい、損をしている。

世の中、何も考えずに生きている人が少なからずいる様に思える。妻が生きているときは、常に妻の事を考えていて、生きる原動力となっていた。まさに至福の人生を歩んできて、妻の眼差しは多くを物語、一体感が崩れることはなかった。

 

21日(木) 曇・雨10/16

 

曇りや雨の梅雨の様な天気が続き、昨日、今日と気温が上がらず、季節が戻ってしまったような気候になっている。梅雨の走りとみるのが適切なのかもしれず、憂鬱な日が続くと思うと、かったるくなってくる。

これと言って体調が悪いというわけではないのだが、非常にかったるく感じる時が多い。何もしたくなくなり、どうしてもごろごろしてしまい、老化が進んでいるのを実感する。90歳まで生きる予定だが、今の調子だとそこまで持たない気がしてきた。

現実に記憶がすぐに薄れてしまい、記録帳に行動を記録するようにしているが、一日おきのジョギングでは規則性が失われつつある。まだまだやりたいことが多くあり、呆けきってしまうわけにはいかない。高齢者が生き抜くのはなかなか難しいものである。

 

22日(金) 曇・雨12/21

 

梅雨らしいうっとうしい日が続き、気分もスッキリとしない。天気予報によると、明後日あたりから晴天が戻ってきそうであり、初夏の香りを味わえるかもしれない。

私の脳は認知症が入っていることは確かで、すぐに忘れてしまうことが頻発している。単なる物忘れと考えたいが、楽観できない。今日も、町内会の会費を徴収するのをすっかり忘れていて、会長さんに催促された。さっそく班員分のお金を会長さんに支払いに行ってきた。班員から徴収するのを後回しにし、今の調子だと、徴収するのを忘れてしまいそうである。

詐欺にあって賠償を求める方法に、消費者センターに申し出る方法があるそうだ。消費者センターに全く縁のない生活をしてきたので、トラブルの解決方法は無知に等しい。トラブルを相談できる相手がいるのだから、妻を失って引きこもりの生活が続いたが、完全に社会復帰できたと言うことである。社会復帰ができても物忘れは如何ともし難く、独り暮らしの危うさを感じている。

 

23日(土) 15/24

 

ほとんど陽射しはなかったが、暖気が流れ込んだのか気温が上がり、熊谷の最高気温は24℃となった。夕方の河川敷でのジョギングに行くと、数多く人が集っていて、全くコロナの事が感じられず、気分的には爽やかに走れた。

爽やかに走ったためにペースが速まったか、家に帰ってくるとぐったりしてしまい、食事以外に何も手がつかなかった。運動は何とか維持しているが、他の事に手がつかなくなり、ゴロ寝生活に陥ってしまったようである。日記は何とか維持しているが、生産性は極めて低くなってしまった。何とか現状を打開し、創造性のある生活に切り替えたいものである。

 

24日(日) 晴・曇17/28

 

日中は晴天傾向だった、午後には曇ることもあり、熊谷の最高気温は、30℃には届かなかった。気温が30℃近くまで上がると動くのが億劫になり、若いころは猛暑の中に素肌をさらけ出したことを考えると、一段と年を取ったと実感する。

猛暑の中に素肌をさらけ出しただけでなく、30代のころ、労働組合の闘志として管理者を立ち上がれないまでに抑え込んだことがある。今の自分は考えることも忌避しがちで、優柔不断そのものである。自分の自己満足で事態を動かすことは避けたいが、誰かさんのために大芝居を打とうと、闘志が湧いてきている。何とか億劫を霧散させ、最後の大芝居を打とうと、気持ちは満ちてきていることは確かである。

 

25日(月) 晴・曇18/28

 

今日は比較的いい天気で、気温も上がって、熊谷の最高気温は真夏日間近となった。遠からず梅雨入りしてもおかしくない時期となり、外出するのが億劫になる。日々記録帳や日記を書いているが、前日のことが思い出せなくなり、特にジョギング日が一日置きから二日置きになってしまうことが頻発している。むしろ二日置きが普通になって、三日置きもしばし起きてしまう。

コロナに伴う外出規制が緩和されているようだが、熊谷では今までと全く変わらず、市内放送も聞こえてこず、どうなっているのかさっぱり分からない。コロナによる経済的な影響は甚大ではないと思われるが、景気回復策は少しも耳に入ってこない。実体的には一部を除き、普段と変わらないのかもしれない。

 

26日(火) 晴・曇・雨19/25

 

物忘れがひどいのが気になって、記録帳を忘れずに書くようにしているのだが、前日の事は記憶しているつもりになって判断し、一日おきのジョギングのはずが二日前の出来事を前日と勘違いして完全に定期性が崩れてしまっている。年齢からすると厳密に走らない方が適正なのかもしれず、完全にやめてしまわない程度に走り続けていけばいいのかと、自分に言い聞かせている。

コロナの問題がどう終息をつけるのかさっぱり分からず、自分の行動範囲は通常に戻った感があり、どこまで活動範囲を広げるか、判断できずにいる。人と人との接触は極力避けるようにしているが、昼食時やスーパーでの買いものなど、マスクこそしているものの、通常とほとんど変わらない状況である。

コロナの問題は政府も落としどころが分からず、なし崩しになる感があり、色々な政治問題などを、恥ずかしげもなく誤魔化している。救いのない状況であっても、承認できる議席数を確保しているのでなんでも通してしまい、同時に多くの選挙民がそっぽを向いて、いざ選挙となると、投票率が50パーセントを切って、30パーセントを切る得票率でも自民党政権が保持されてしまう。

今の国会体制は完全に瓦解し、分権体制(連邦制や合衆国制)へ急ぎ移行する必要がある。

 

27日(水) 晴・曇18/27

 

連日、ジョギングの事に合わせて物忘れがひどいと書いているが、今日は走ったものの記録帳を見ると中三日となっていた。記憶装置が完全に狂ってしまい、修復するのは難しいのかもしれず、こう言うのを「ボケ」と実感せざるを得ない。しかし、呆けっぱなしではないようで、「ブロック塀問題」でどう対処するか次から次へと構想が浮かんできて、構想的には完全に淘汰できている。

ジョギングは走る回数が狂っているものの、ウォーキングは毎日ということで、距離もほとんど差はなく歩き続けている。もしかしたらそろそろジョギングは諦めて、ウォーキング一筋にした方がいいのかもしれない。年を取ってくると、一日一日を過ごすのが結構負担になっているようで、心身ともにご隠居さんになるのが相応しいのだろうか。

 

28日(木) 曇・晴17/26

 

この頃はいつも疲れている感じで、散歩の他にはごろごろしている時が多く、何かを取り組むというところまでいかない。創作を中心にやりかけの事が大量にあり、収拾がつかなくなっている。老いぼれて最早身動きが取れなくなっているのではと、気になるところである。

スマホで、一度も使っていない「伝言メモ」に何か入っているようである。私の行動範囲は限られており、伝言する必要な時は電話をしたり、直接会ったりして用を済ませており、かなり怪しげな伝言メモと言うことになる。内容はまだ確認していないが、伝言メモを開封するときには余さず写真に撮って、証拠として残そうと思っている。

伝言メモを送ってきた可能性がある人間は一人おり、ブロック塀工事(建築法違反)の料金返還にかかわる嫌がらせと思われる。相手をにっちもさっちもいかないところまで追いつめており、最後のあがきと取れないこともない。もし予想通りなら、民事裁判から刑事裁判に格上げになって、相手にとってはとんでもないことになるかもしれない。

 

29日(金) 晴・曇14/29

 

今日は久々に30℃近くまで気温が上がり、暑いと実感した。老体は暑さより寒さに弱く、今日の暑さは少しも苦にならなかった。夕方のジョギングも、ちょうどいい陽気と感じられたたが、疲れが抜けなくなった感じで、家に帰ってくるとぐったりだった。

仏壇に捧げる花を取り替えようと供花を買ってきたが、家に帰ってきて、花を一時置くバケツに持っていくと、昨日?買ったと思われる供花が水につけてあり、そのまま忘れてしまったようだ。供花のみならず、散歩の帰りにスーパーに立ち寄って総菜を買ってくるのだが、前日買って手がついていないものが冷蔵庫に仕舞われていることも少なからずある。買い物をするときは必ずメモをして、買い忘れ、買い違いをしないようにしていても、家に帰って冷蔵庫を見ると、少なくとも一品は買い違いになっている。

ブロック塀工事の問題が常に頭にあり、会社に乗り込んで社長を糾弾し、社員の姿勢を聞き出して、会社再興の施策を考えてしまう。甚だ面倒くさいことなのだが、構想がどんどん湧いてきて、新社長?の活躍が目に浮かんでくる。

 

30日(土) 晴・曇16/29

 

連日最高気温が30℃近くとなり、夏バテにまではならないものの、いささかぐったりしてしまった。今からそんなことを言っていたら、夏を乗り切れない。いまいち元気が出ないのは、歳を取ったからに他ならない。なんとも寂しい限りである。

ブロック塀問題で、会社に乗り込み、社員の人を交えて直談判を予定しているが、その台本を書こうと日記を読み始めると、きっちりと筋書きができていた。日記を日付順に記していけば自動的に脚本になってしまう。ごろごろしながら筋書きを思い描いていたのが、馬鹿に思えてくる。

日記には迫真の迫る文言が幾つも記されていて、正確な全貌が出来上がっており、まるでドラマを見ているようである。相手社長は私を呆け老人と決めてかかってきており、台本を読み上げたら縮みあがってしまうのではなかろうか。

明日には台本ができあがるので、月曜日には申し入れするようである。

 

31日(日) 曇・晴18/25

 

今日はこの2日間に比べると暑さが和らぎ、夏日以下の気温で比較的過ごしやすかった。5月も今日で終わり、梅雨らしい天気に切り替わるのだろうが、昨今空梅雨が多く、雨の影響はそれほどでもなかった気がする。

ブロック塀問題で抗争中であるが、当事者からスマホに電話がかかってきて、「この番号でいいんですね」と、意味深な言い方をしてきた。3日前に、普段全く使ったことのない「伝言メモ」が入ってきて、怪しげなので開封せずに置いてあり、状況見合いで警察官立会いの下、開封しようと思っている。

伝言メモに対する反応がないことでしびれを切らせ、電話をかけてきたと思われた。脅しをかけたつもりなのかもしれず、社長と同じで分別がないと感じられた。このまま進んだら会社は破綻するのは見えており、違法建築のブロック塀代金の返納を優先、消費者センターに持ち込むことにした。

社長は足掻いてもどうにもならないと分かっているはずで、完全に担当者が独走していると推察される。彼はまだ20歳そこそこで、末永い将来があるはずなのだが、社長の愚かさが青年を潰してしまったと言える。