ちょっとサッカー2005年版

 ここではサッカーの発展を願って、我輩の言いたい放題を、日記に書き綴ったものを集めています。今までは翌年に、一年分をまとめてファイルを作成してきましたが、2004年からは最新情報を表示するということで、日記などで書き綴ったものを、できるだけ早く本ファイルに追加することにしました。

ワールドカップの2次予選が2月に始まり、今年も、予想や批評など、書くことが盛りだくさんだと思われます。

2005年2月1日

 

12月3日の日記から

 Jリーグは今日が最終試合だったが、1位から5位までの勝点差が2で、5チームが優勝の可能性がある、一リーグ制移行早々、歴史的な混戦模様となった。前節の時点で1位の、セレッソ大阪の試合を中心に、優勝争いに絡む4チームの試合経過を交え、NHKでテレビ放映された。

 何年前だったか定かでないが、かつてセレッソは優勝争いに絡み、勝か引分で優勝だったが、勝っていた試合をひっくり返され、優勝を逃したことがあった。友人と談義しながら、今回もセレッソは同じようなことになるのではと、予想していた。

 5チームが同時キックオフで、優勝に絡む2位ガンバ大阪、3位浦和レッズ、4位鹿島アントラーズ、5位ジェフユナイテッド千葉の試合経過が速報され、5チームが先取点を取って勝利しそうだった。全チームが勝てば自動的にセレッソが優勝となるのだが、終盤に同点とされてしまい、結局2位だったガンバが初優勝した。

 今期の優勝は関西でとの期待を持っていて、特に西野監督を優勝させたかったので、我輩としては満足いく結果だった。セレッソ森島選手のファンであり、埼玉県人としてレッズ、Jリーグ発足時のひいきチーム、アントラーズと、どこが優勝しても満足しただろうが、どこのチームが優勝しても残念でもあった。Jリーグの発展を考えると、最も望ましい結果だったのではなかろうか。

 リーグ制覇は日本人監督のチームが続いており、マリノス岡田監督、ガンバ西野監督など、日本人指導者がいかに優秀か、立証された。日本人の特性に合致したチーム作りが模索されるようになり、外国人指導者の描く枠組みから脱皮しつつある。それはまだ一部のチームで、上位と下位の力の差が大きくなっている。けが人などの関係で、かならずしも強いチームが勝つとは限らないが、試合展開の面白みが全然違い、底上げをしないとより多くのファンの心をつかめない。

 

6月20日の日記から

2006年ワールドカップサッカー、ドイツ大会のアジア予選で、日本は世界で一番初めに予選突破を果たした。非常に厳しい戦いの連続で、よくも勝ち抜けたと、ただただ驚きである。我輩の予想だと、予選突破は無理だと考えていた。日本は個人技をベースとしたチームではなく、世界一と言えるチームワークがベースで、ジーコ監督の目指すものと大きく違っていた。

ジーコ監督が鹿島アントラーズを作り上げたときには、チームとしてのシステムが機能し、Jリーグ発足時、お荷物と言われたチームを、常にトップを争う強豪チームに変身させた。アントラーズは時間をかけて鍛えられ、選手一人一人の力を発揮できる、完成度の高いチームワークが売り物だった。

ジーコ氏が日本代表監督になったとき、アントラーズのような、チームワークを重視した日本代表チームに仕上げてくれると思った。我輩自身、ジーコ監督待望論者の一人で、川口キャプテンの人選に拍手を送ったのである。しかし、代表チームは選手が集まる時間が限られ、クラブチームのように時間をかけてチームワークを作り上げるのは難しい。どうしても個人に頼らざるを得ず、その場しのぎの試合展開が多かった。

日本が信条とする連動プレーが影を潜め、展開が遅いために得点を上げるのが難しかった。守備面ではJリーガーが中心だったために、献身的なプレーが結実して、システム化され、失点が少ないので、得点不足でも何とか勝てたのである。世界的なプレーヤーでも、個人技で成せるのは微々たるもので、強いチームを相手にすると、全く機能しなくなってしまう。選手が集まったときに、選手同士のコミュニケーションで連動プレーを模索し、連戦になると、試合を重ねるたびに強くなっていった。

今まで大事な試合に勝てたのは、ジーコ監督の指導力や采配によるというより、日本人選手特有の献身性が成せる業で、世界に誇れるチームワークが勝利をもたらしたのである。ジーコ監督を唯一評価できるのは、選手の自主性を阻害しないところである。

日韓共同開催のワールドカップサッカーのとき、日本代表を務めたトルシエ監督は徹底的に選手を管理し、自分の売り物とするフラットスリーを全面に出していた。日本選手はフラットスリーが機能しないことを察し、予選リーグのとき、選手同士の話し合いでシステムを変更、決勝トーナメントを果たした。噂話であるが、決勝へ進出すると、トルシエ監督は選手の意思を無視してフラットスリーを強要、結局日本チームにはそぐわず、すぐに敗退した。

トルシエ監督に比べればジーコ監督のほうが遥かに優れていると思うが、ただ大きな欠点がある。人脈に囚われ、人事、起用に大きな問題がある。コーチもそうで、今後の日本サッカー発展を考えたら、コーチングスタッフに日本人指導者を加えるのが望ましいのだが、戦績不良でジーコ退陣が騒がれたときに、選手と監督の溝を埋めることも考慮して、川口キャプテン自らが日本人指導者の参画を提案したが突っぱねている。指導体制は身内を含めたジーコ人脈で固められ、指導者レベルではジーコ監督の指導力を後に受け継ぐものはいない。

選手も同様、人選そのものが人脈優先で、起用も偏りがある。サッカーを知っている人なら、10人中9人まで分かっていることと思うが、人脈優先によるチーム力低下は目に余るところである。他に選手がいないなら致し方ないが、遥かに優れた選手がいても起用しようとしない。

ワールドカップサッカーフランス大会予選で、日本は最後の最後に本戦進出を決めた。日本が苦戦した理由に、人気の高い選手を、支援企業やマスコミの圧力でどうしても起用しなければならなかったことが上げられる。年齢的ピークを過ぎていたのも一因だが、それ以上に、連動性を重んじた日本チームにとって、個人技を優先したプレースタイルは、足かせになるだけだった。当時の監督、岡田さんは、最終予選で、非難を浴びながらも、切り捨てたのである。我輩もそのとき、チームに不要な選手を切ることが勝ちに繋がると予想して、見事に当たったのである。

今の日本チームの現状がすっかり同じで、ジーコ人脈による起用で、連動性を阻害する結果を招いている。守備面、攻撃面どちらも個人技が通用せず、連動性のあるプレーに難があり、スピードも劣って汚いプレーが多い。どうみても得点率を下げ、失点率を上げているにもかかわらず、ジーコ監督は絶対に交代しようとしない。

ジーコ監督が日本サッカーにもたらした業績は甚大で、尊重しなければいけないと思う。ブラジルから日本にもたらされた技術も日本サッカー発展に大きな役割を果たした。ジーコ監督はブラジルの国宝的な存在であり、ワールドカップまで、ジーコ監督と円満な関係を維持していくのが日本サッカーの宿命である。だからこそ、切ることの勇断を願うものである。

 

2月9日の日記から

ワールドカップサッカー、アジア最終予選、日本対北朝鮮の試合があった。予想したとおり日本が2対1で勝ったが、どこまでも際どい勝利だった。

壮行試合の批評でも書いたのだが、してはいけないミス、いわゆる凡ミスが少なからずあり、修正が必要と評しておいた。大事な試合においても、後半戦に凡ミスが続き、リズムが悪くなって失点してしまった。失点後は果敢に攻めて、何度も相手ゴールを脅かしたが、狂ったリズムはシュートにも影響し、枠の中に飛んだのはたった2本しかなかった。そのうちの1本が大黒選手の得点で、日本の窮地を救うゴールとなった。

 ラフプレーは雑プレーに繋がるとの新説を提唱しようと思う。日本選手の中には、ちょっと首をひねりたくなるような、ラフな選手がいる。ラフプレーは技術を補うテクニックとし、イエローカードを勲章とでも思っているのか、頻繁に反則をしでかす。相手エリアなら反則が直接点に結びつくことも無いだろうが、反則が習性になって、時と場所を選んでいられなくなり、自陣深くでも反則をしてしまう。ラフプレーは技術が無いから行うので、通常のプレーも雑となり、ミスが多くなってくる。国際試合になると、雑なプレーが命取りとなりかねない。今日の試合がいい例である。

 日本チームは速い展開を信条とし、ホストプレーを除いて、キープが長いとリズムが狂いだす。ややもすると、目立つプレーには力を入れるが、周りを生かすプレーは雑となり、献身的なプレーは手抜きとなる。個人プレーを売り物にする選手は、どんなに優れていても、日本チームには、プラスよりマイナスの方が大きい。やはり、今日の試合がいい例である。

 残念ながら、ジーコ監督の選手起用は揺るぎ無いようだ。

 日本の失点は、川口選手の大きなミスによるもので、集中力が欠けていたのが原因である。ゴールキーパーは内側のボールに対して最も警戒するのが定石なのだが、仲間の選手が守っている外側へ神経が行き、内側を大きく開けていた。得点される10分前ぐらいから、中盤でパスミスが続出し、責め上がっては逆襲されて、選手全体が平常心ではいられなかった。川口選手が無心で攻撃を受け止めようとしていれば、仲間を信頼して、自然に神経が内側に向いたはずである。

 日本が苦戦をした原因は、相手選手のラフプレーにも起因している。日本は高さで北朝鮮を上回っているはずなのだが、高さの優位性は全く無かった。ヘディングで競り合うとき、北朝鮮選手は、高さの競り合いではなく、押し合いになっていた。日本選手がジャンプをするとき、体を預けたり、手で押したりしてタイミングを狂わせていた。無警戒な態勢で押されるので大変危険であり、本来なら反則を取るべきで、イエローカードが出てもおかしくなかった。手口が巧妙で、結局は一度として反則を取られていない。今回は手口が分からなかったので、対処し切れなかったが、次の試合で対策を考えれば、高さを生かして、もっと楽な試合になるのではなかろうか。

 玉田選手が力を出し切れなかったのも苦戦した原因で、相手の悪質な反則と、スピードで抑えられた感がある。北朝鮮の選手は全体的に速さと強さに優れていて、接触プレーの圧力は、ラフプレーも含めて超一流だった。おそらく、玉田選手は体をかなり傷められ、動きを封じ込められてしまったと思われる。

もう一つ苦戦の原因を付け加えると、シュートが不正確だったことも上げられる。前段で記したように、後半はゴールの枠内に飛んだシュートは2本だけだった。中途半端なシュートが多く、平常心で狙いすましたようなキックは見受けられなかった。大事な試合で精度を欠いているようだと、中々一流にはなれない。又、ミドルシュートが少なく、単純にシュートすればいいものを、可能性の低い細かいパスを多用しがちだった。日本選手の生まれ持った欠陥点なのかもしれない。

 北朝鮮の弱点も浮き彫りになった。ゴールキーパーの飛び出しやセービングが悪く、大黒選手の得点は、キーパーのパンチングが小さかったところから始まった。日本が高さを生かし、ゴール前にどんどんボールを上げていけば、得点機がもっと出て来るのではなかろうか。

 いずれにしても、よくも勝ち点3を上げたものである。

 

2月8日の日記から

世界のサッカーは下克上であり、安易なチーム作りをしていると、どんなに強豪と言われるチームでも簡単に勝てなくなっている。ワールドカップ予選で、ブラジルが苦戦したり、ドイツが危うかったりで、個人プレーの寄せ集めでは、世界に通用しなくなった。

サッカーは、速さと体力、技術、判断力など、様々な要素が融合してチームが作られる。早さだけで競い合ったらアフリカ勢が有力で、技術だけで競い合ったら南米時勢が有力である。体力で勝負すればヨーロッパ勢が強く、寄せ集めの力では北米勢が巧みである。アジアは広く、様々な要素を持った国があり、将来性では強大である。一つの要素だけ卓越しても限界があり、トータル的な力が必要なのがサッカーである。どこの国のチームも可能性があり、だからこそ、世界中の国々が、熱狂的になるのである。

 様々な能力を持った、個々の選手の力をフルに発揮させるのが組織力であり、選手全員が力を出し切れるチームが強いのである。メンバー選出も重要な要素であるが、練習に参加できない選手だと、どんな力量があってもチームのプラスになれない。海外組みはどうしても所属するチーム事情で召集が難しく、選手として注目度が高くても、代表としては存在が薄くなってしまう。海外を希望する選手が多いが、今後は、日本代表と疎遠になる覚悟も必要である。

 ジーコ監督は明日の北朝鮮戦では、国内組みを優先して使うと明言しており、組織力を発揮し、負けることはないだろう。日本チームは、攻撃は最大の防御が基本で、攻撃的なチームである。リスクを冒しても攻撃を仕掛けることになり、カウンター攻撃が一番怖いところである。先日の壮行試合を見ていて、カウンター攻撃に対して、スピードで振り切られる場面が多くあった。坪井選手は怪我から復帰して、まだ完全にコンディションが戻っていないのかもしれないが、バーレーン戦までに何とか復帰して、スピードを生かしてもらいたいものである。

 

2月7日の日記から

明後日の水曜日に、ワールドカップサッカー、アジア最終予選、日本対北朝鮮の試合が行われる。北朝鮮チームの実態は全く分からないので、試合の予想をするのは難しいが、生意気にも、日本チームの出来具合から判断して、2日間に渡り、勝敗を占ってみたい。

 ジーコジャパンになって、代表試合をくまなく見てきたが、日本の最高のチームを作るには、ジーコ監督では相応しくないと感じてきた。今も考えは同じであるが、ジーコ監督の指導方針で、日本人選手が主体的にチーム作りに関われるという点では、日本らしさのあるチームに仕上がる可能性がある。

 代表チームは、メンバーが揃って練習をする時間が限られ、組織力を作り上げるのは非常に難しく、どうしても、個人の力量と判断に委ねざるを得ない。日本サッカーの特徴は、組織力で、控え選手を含め、チーム全員の、献身的でかつ、きめ細かな連携をいかに高めていくかが、強さを引き出す鍵となる。

 ジーコ監督は、当初、練習時間が無いためなのだろうが、いわゆる、海外組の選手を重要視し、個人の力量に委ねて、チームプレーらしさはほとんど見られなかった。国内組の選手は練習を積んでも控えに回され、監督、選手間に軋轢が生じ、規律を破るなどして、造反する者も出てきた。おのずから戦績は悪く、先行きの展望がたたないで、ジーコ監督に対する批判の声が高まっていた。

 批判の高まりとともにジーコ監督もある程度方向転換を見せて、戦績が上向いたが、組織力を高めるまでにはいたらなかった。ワールドカップ一次予選では、楽勝と思われたのが苦戦を強いられ、最終予選を勝ち抜いていけるか、危ぶむ声が絶えなかった。

 ところが、最終予選に向けた壮行試合で、今までと全く方向転換して、合宿に参加した国内組みの選手を起用し、組織力を格段に上げて好成績を残した。まだまだ修正点があるにしても、日本らしさが窺えるチームに仕上がり、強さが感じられた。ジーコ監督は、かつて、鹿島アントラーズをJリーグ屈指のチームに作り上げたが、今回のチームはその時の片鱗を覗かせた。選手の意思と組織が融合し始め、最終予選に向けて明るい兆しが見えてきた。

 

2月2日の日記から

ワールドカップサッカー、アジア最終予選に向けて、壮行試合があった。今日の対戦相手はシリアで、シリアは既にアジア一次予選でバーレーンに負け、敗退しているが、二次予選に進んだバーレーンと、どっこいの試合をして、実力はかなり高いと言われている。日本は、バーレーンにオリンピック予選や、アジア大会などで苦戦して、かろうじて勝った相手である。今やアジア最大の宿敵になっている。

評判どおり、シリアは先日対戦したカザフスタンより優れ、早さ、特に詰めの厳しさは雲泥の差だった。日本は相手の詰めの速さに押され気味で、カザフスタン戦のような展開ができなかった。詰めが厳しいとミスも増えて、危険な状況でボールを奪われるシーンが再三あって、苦しい試合となった。後半になっても、厳しい詰めに対する修正ができず、同じようなミスが出て何度もボールを奪われ、危ない場面が再三あった。結局点を取られなかったが、予選では致命的になり兼ねない。非常に効果的な壮行試合となったが、経験を生かして問題点の改善ができなければ、予選突破は難しい。

日本は前半に1点、後半に2点を取って3対0で勝利したが、試合の流れは得点差ほどの優劣は無かった。多くの選手が進歩の跡を見せているが、問題点が少しも克服されていない選手もおり、もう少し違ったメンバーも起用すべきである。チームプレーそのものは向上し、日本の本来のサッカーへ近づいている。普段一緒にプレーしていない、海外組みの選手を組み入れるのは難しそうである。

 

1月29日の日記から

2006年サッカーワールドカップの2次予選が来月から始まり、予行演習とでも言うべきか、日本対カザフスタンの親善試合があった。アジアのどのチームもレベルアップしており、2次予選まで勝ち抜いてきたチームなら、どこも侮れないのは言うまでもない。ジーコジャパンの真価が問われる試合で、最早後戻りは無いのだろうから、今後の展望が推し量れる。結果は4対0で日本が大勝し、明るい展望が立ったと言いたいが、相手の拙攻に助けられた場面が随所にあり、日本の実力を占うには、相手に不足だった。オリンピックの時も、オリンピック代表が壮行試合で素晴らしい結果を残したが、オリンピックでは、予選で惨敗だった。同様に、今日の試合で、展望を立てるのは難しい気がする。今回はJリーグ組でチームを編成し、海外組の中村選手や中田選手がいなくとも、ボール回しが良くなって、繋ぎができるようになった。又、玉田選手のホストプレーも良くなり、待つプレーが影を潜め、常に動きのあるプレーでキープ力が増した。ディフェンスラインからの、敵陣サイドへの球出しと、フォワードの走り出すタイミングが大分良くなった。合宿の成果が感じられるが、2次予選の対戦相手はもう少しハイレベルで、研究されていると考えるべきで、甘く見ているとしくじってしまう。2005年初の試合だから、とにかく気持ちよく勝てたのだから、マイナスになることはない。いい走りだしができたと、評価したい。