ちょっとサッカー2001年版

 ここではサッカーの発展を願って、我輩の言いたい放題を、日記や、論評などで書き綴ったものを集めています。2001年の10月にホームページを開設して、常々、一刻も早い時期にサッカーのコーナーを作りたいと思っていました。論文として多くを書き綴り、形式を重んじた体裁を考えていたのですが、書きたい事が山ほどあって、どうしても言いたくなると日記で書き綴ってきました。2001年中に語ってきたものを集大成してみました。

2003年5月5日

 

12月9日(日)の日記より

 昨日、Jリーグチャンピオンシップ、ジュビロ対アントラーズの試合をテレビでじっくりと観戦した。「日本サッカーを代表するチーム同士の戦い」と呼ぶのに相応しい、歴史に残る名勝負で、時間があっと言う間に過ぎてしまった。得点は延長戦でのVゴール1点だけであったが、両チームの死力を尽くした攻防は、見ていると心の底から熱いものがあふれ出てきて、感動せずにはいられなかった。

先日、『トヨタカップ・クラブチーム世界一決定戦』と称する試合をテレビ観戦したが、アナウンサーと一部ゲストの声だけが大げさに称えているだけで、反則が多く汚いプレイも再三見られ、攻撃も単調、見所の少ない、実につまらない試合だった。個々の選手の力は長けているのだろうが、チームとして見るならジュビロ、アントラーズの方が遥かに勝っている。今後は先入観にとらわれず、本当の姿を見る必要がある。

試合結果はアントラーズが勝利したが、現在の力からするとジュビロが勝っていたように感じられた。それは、かつてのアントラーズに類似し、相手に走り負けないことが基本で、ディフェンスの時に常に2対1の有利な状況を作っていた。今まではアントラーズに対して守勢に回っていたが、今シーズンはジュビロが対等か、それ以上に攻勢をかけていた。鈴木監督のチーム作りに敬意を表したい。ただスタミナの問題があり、今回もスタミナ切れの反則から失点したように、後半にどうしても動きが悪くなって失点するおそれがでてくる。その点もかつてのアントラーズの課題であった。ペース配分が加われば怖いもの無しになるかもしれない。だが、アントラーズがさらに磨きをかけてくるであろうし、ジュビロと追い越し、追い越されしていけば、日本のサッカーも大いに発展していくことであろう。

 

12月2日(日)の日記より

 ワールドカップサッカーの組み合わせ抽選会が行われ、予選で当たる国が決まった。日本のグループは比較的やりやすい相手と評するものもいるが、全く根拠の無い弁である。ワールドカップ常連のオランダさえ予選落ちし、優勝候補の一角にあげられているブラジルやドイツが、やっとの思いで本戦に勝ち上がってきたことを考えると、侮れる相手など一つも無いはずである。対戦相手を評するよりも、日本がどんなチームに仕上げられるかが問題となってくる。

 日本のサーカーは相手の応じて戦術を変更するよる、最も力を出し切れるサッカーを目指すべきである。前回のワールドカップで、本戦に入ると予選で戦ってきた戦術が全く影をひそめ、守備重視の戦いとなり、結局は日本らしさを全く見せずに終わってしまった。選手起用もベストとは言いがたく、当時、我輩はセレッソ大阪の森島が予選突破の鍵を握ると言ってはばからなかったが、声が届くはずもなく、森島を生かせなかった。最近行われた国際試合で、森島の活躍を見るにつけ、日本サッカーの申し子だと確信する次第である。

 Jリーグ発足時に鹿島アントラーズの優勝を予言し、森島の活躍を予言した我輩の目から見るなら、現在の日本代表の体制で本当にベストのチームが作れるか疑問である。選手起用は無論のこと、日本らしさを出せるチーム作りはできないと考えている。

 

11月24日(土)の日記より

サッカーJリーグは、今年度の最終戦が今日行われ、チャンピオン経験のある、ベルディ、マリノスは何とか残留することができた。逆に、九州のチームが一つもなくなってしまい、なかなか厳しいものを感ずる。サッカーは地域性が強く求められ、地元市民と一体となったチーム作りが求められている。鹿島アントラーズ、ジュビロ磐田は、正に地域ぐるみで作り上げてきたチームで、その2チームが常にトップ争いをして、J1を引っ張っていることを考えると、日本のサッカーも確実に発展していくと思われる。浦和レッズは国内最高のサポーターを持ちながら、思うように強くなれない。もっと強くなってもらわないと、サッカー全体の人気にも影響を及ぼしそうである。

 我輩の知り合いで、中高年でインターネットをやっているのはまれで、若い人が中心に発展していくと思われる。我輩もインターネットに興味が持てなかったが、情報収集などの利便さが引き金となって、自然に入り込んできた。けっして難解な世界ではないのだが、多くの中高年は難しいものと決め込んで、初めから尻込みをしている。サッカーも同じで、中高年は野球に親しんできたため、サッカーに目を向けるのが億劫なようである。日本では若い人が支えていくしかないのかもしれない。

 

11月18日(日)の日記より

今日は野鳥の森に足を向けると、森の隣り合わせにあるグランドが少年サッカーで賑わっていた。Jリーグセカンドステージでは、予想通りと言うか、期待通りと言うか、鹿島アントラーズが優勝し、ジュビロ磐田との決戦が楽しみなところである。J1残留争いも熾烈を極め、優勝経験のある横浜Fマリノス、東京ベルディが加わってくるとは誰が予想しただろうか。チーム作りの難しさをいやというほど感じさせる。同時にそれがサッカーの面白さであり、ファンの血が騒ぐのである。ワールドカップサッカーまで二百日を切り、日毎に盛り上がりが増していく。

 一方で、昨日の優勝がかかったアントラーズの試合がテレビ放映されず、日本のサッカー文化の遅れを悲しいくらいに実感した。視聴率とスポンサーの兼ね合いで放送が見送られたのかもしれないが、日本のサッカー指導者とともに国民性が、国際性に乏しい実態を改めて認識させられる。

 

11月10日(土)の日記より

 テレビで放送されるサッカーの試合はごく限られており、日本のサーカー界を見通すとはいかないが、実力のある若い選手がどんどん出てきていることは確かだ。世界でも充分に通用する選手が多く出てきており、トップクラスの選手も少なからずいる。

我輩はメキシコオリンピックで日本が銅メダルを取ったころに、夢中になってサッカーを見ていた。釜本、杉山など、当時でも世界に通用する選手がわずかながらいたが、全体的にはレベルが低く、日本リーグなどの試合を見ても、パスが繋がらないお粗末なゲーム展開が多かった。有能な選手があまり排出されず、世界レベルに達するだけの底上げが、いつまでたっても図られなかった。そのうちに嫌気がさして、サッカーを見るということが無くなってしまった。

Jリーグが発足するのを知るまでは、サッカーと縁が無くなっていて、サッカー界の状況を全く知らずにいた。ジーコ率いるアントラーズが、外国チームと行ったテストマッチを見て、あまりにもハイレベルな試合展開に唖然とさせられた。以来、がぜん興味がわいてきて、すっかりアントラーズのファンになっていた。三浦や井原などの名前も知らず、白紙の状態でJリーグを評価するようになり、読売ベルディや、横浜マリノスなどの有力チームへの先入観も無かったために、アントラーズを優勝候補にあげた。予想が見事的中、サッカーの話しになるといつも自慢にしている。

日本人にあったサッカーと言えるかどうか分からないが、ジーコの作り上げたサッカーは日本人に最も適していると思った。それぞれの国によってチームカラーがあるように、日本的なサッカーがあっても不思議ではなく、ジーコは日本人の特性を見抜いて、日本の目指すべきサッカーを示唆してくれたように思えた。前回のワールドカップ予選の試合を見るかぎりでは、日本チームはややもするとアントラーズを見ているようで、ジーコの影響が強く感じられ、大きな成果をあげた。本戦に入ると、初めから劣勢という先入観を持って試合に臨み、日本らしさがほとんど見られずに完敗に終わった。

サッカーは個々の力と、チームの力が融合して作られるもので、そのバランスをいかに取るかが肝要である。今日見た、ジュビロ対マリノスの試合に好対照を感じた。マリノスには代表クラスの優秀な選手が多くいながら、J1落ちの危機に直面し、ジュビロには突出した選手がいないが、トータルサッカーでトップの地位を維持している。埼玉ということで、レッズのことが気になるが、優秀な選手が多くそろっていながら、いつまでたっても面白いサッカーを見せてくれない。

有能な選手を生かすも殺すも指導者次第で、来年のワールドカップに向けて、日本のサッカーのあり方を考えると、どうしても黙っているわけにはいかない。サッカーを語るコーナーをそのうち開設したいと思う。