リレーメッセージ第9回  郡山市  M.Kサン (全盲難聴)

 冬は夜空が美しい。
 「星の世界」の歌そのままの満点の星空きれいですね。 でも、私は星空を見たことは、ほとんどありません。 星座表や写真で知っていますが、実際には見た事はありません。 わずかな記憶ですが、小さい頃、夜明け前東の空にきらきら光る明けの明星(金星)と、高校生の頃まで初冬の夜、頭上にきらきらと輝く昴(すばる)は覚えています。
 星の話は好きで、星空を見たくてしかたがなかった。 12歳の時、ボール紙製ほの80倍の倍率を持つ天体望遠鏡のキットを買い、組み立ててわくわくしながら夜が来るのを待って、夜空にレンズを向けました。 星はやはり見えません。 大きなお月様がにっこり微笑むどこらか、泣きべそをかいているようでした。
 私が生まれて初めて、そして最後に星空らしきものを見たのは、25歳の時、今から26年前のことです。 やはり初冬のこと友人といわきの海に日の出を見に行くことになり、深夜平田村を過ぎたあたりで車を止め空お仰ぎました。 文字通り満天の星空。 私の目にも天の川らしい星の集団がわずかにわかりました。 2人で驚き、しばらく見上げていました。郡山市の空気が汚れて、夜も星が見えにくいほど明るいという事を知り、このことにも驚きました。
星の話は今も好きです。 子供たちがテレビでブラックホールの事など見ていると、私も時の経つのを忘れてしまいます。 こんな時、星に詳しい通訳介助者がそばにいたら、もっと楽しいだろうな、と思います。
 平田村やK.Uさんの故郷栗原市の美しい夜空をいつまでも残したいですね。

次回はT.Hさんにバトンを渡します。

        パソコン指導者養成研修会に参加して  二本松市  H.Sさん

 昨年の11月に盲ろう者向けパソコン指導者養成研修会に行ってきました。
盲ろう者がパソコンを使うには、パソコン、点字ディスプレイ、点字ディスプレイにモニターの情報を出力するためのスクリーンリーダー、その他にアプリケーション・ソフト(ユーザ補助のため)などが必要です。
 盲ベース、ろうベースのどちらかによって、必要なハード、ソフトが決まってくるため、数多くあるハード、ソフトの中から使う盲ろう者に合った物を提供した方が良いという事でした。
 盲ろう者は、盲+ろう 2つの障害を合わせたのでわなく、盲Xろう それ位重い障害であると聞きました。 周りからの情報が全くと言っていいほど入らない・・・・・しかし、パソコンが有れば状況が変わってきます。 インターネットに接続して、ニュース・いろいろな検索、メールでのコミュニケーションが可能になってきます。
 今回は指導者養成という事で、ハード・ソフト面に精通して、なお盲ろう者とのコミュニケーション出来る能力が必要だと解りました。 一つ一つ確認しながら余裕を持って行う事が必要かな?

全国盲ろう者地域団体指導者研修会報告   福島市  K.Sさん (盲難聴)

平成19年度社会法人全国盲ろう者協会地域団体指導者等研修会が行われました。
日時 平成20年1月26日(土)27日(日)の2日間
場所 東京都国立代々木オリンピック記念青少年総合センター
 当友の会から私と通訳者2名参加いたしました。
「基調講演」自立支援法の今後について 福島智氏
分科会1  「通訳介助者とのかかわりにおけるマナー」
分科会2  「NPO法人の設立について」
分科会3  「災害時における支援」
 分科会を選ぶのは、迷いましたが初めての参加なので、先ず大事なことを確認する上で、第1分科会に決めました。
 東京都の代表者からマナーについての話がありました。その後、意見交換が行われました。
主な内容を上げてみます。
(1)盲ろう者と通訳介助者との信頼関係を築く。
   お互い人間であるから、誤解や、勘違いがないとも限りません。
   そのような時、信頼関係があれば、その訳を話しすることで誤解も解けると思います。
(2)通訳介助の依頼の際は、いつ・どこで・何をと言うように、目的を告げましょう。
   例えば、披露宴・告別式など、服装を考慮する場合もあるので、目的を介助者に伝えておくこと。
(3)約束の時間を守ること。
その他、女性通訳介助者が多い現在、男性盲ろう者のトイレへの誘導、セクハラなど相手を尊重しながら行動をしましょう。
 これらの問題は、依頼者と通訳介助者が共有できるテーマだったと思います。
 分科会2では、NPOについての説明
NPO法人となった和歌山県の事例が発表されました。
また、作業所から見たNPOと友の会から見たNPOについてなどが話されたそうです。
NPOとは、「営利を目的としない活動」であり、法人化してのメリットは、県、その他への社会的に信用が得られること。事務処理上の利点があること。また、活動の内容の公開・法人税の支払いなどの義務が生じてくる。
このテーマについては、いろいろな考え方があるようでした。
 分科会3「災害時の支援」では、25年間も家にこもっていて、5年位前から社会に出たと言う体験談。
台風の時助けられた一人暮らしの方の体験が話されたそうです。
地震・台風・火災・防犯など、いつどこで何が起こるかわかりません。
地区の役所・消防署・交番に盲ろう者が住んでいることを知ってもらうことも必要です。
消火器の場所は、大丈夫でしょうか。
 身の回りの整理、枕元には倒れるものを置かない、防災時の非難用品を備えて、日頃から挨拶をするなど
地域の人とのかかわりが大切であり、自分からの働きかけも必要である。
 それぞれ分科会の発表がありました。
 参加して感じたことですが、参加者が大勢でしたので、混雑時、トイレの場所を数ヶ所確認されていた当介助者の心くばりにもうれしかったです。
 今回の宿泊は個室でした。介助の方にはカードキーの使い方、室内の間取りの説明、お風呂の蛇口の説明について、また、電話連絡ができるよう室内の受話器で確認をしました。
 私は、宿泊の旅に少し慣れていたので、不安はありませんでしたが、目が不自由であるからこそ、家庭においても自分のことは自分で整理する習慣をつけておくべきと、改めて感じました。 
 通訳を受けながら、初めて使用した補聴器がとても役に立ちました。発表された多くの方は、通訳者を通しての発表です。いかに通訳介助の皆様が貴重な存在であるかという事も痛感しました。
 2013年には、世界盲ろう者連盟ヘレンケラー会議が日本で開催されるそうです。福島・門川さんが中心となり、準備委員会を立ち上げたとのお話もありました。
 食事も良く宿泊設備が整った会場で、一人で泊まる体験ができた事に対し関係の皆様、通訳介助の皆様に感謝申し上げて報告と致します。
    
 

            クリスマス会報告    郡山市  Y.Mさん  (弱視難聴)

 昨年に引き続き、今回もみなさんの要望により、ケーキ作りをメインにしました。
 参加者25名が4つのグループに分かれ、それぞれ趣向を凝らしたケーキを作りました。
 昼食はケーキと同時進行で作ったカレーライス。
 グループの代表が自分のケーキについて、「シンプル」 「情熱・太陽」 「ツリー」 「手をつなぐ仲間達」など
ケーキの紹介をしました。
 午後は3つのゲーム、重さはかり、長さはかり、タオルリレーをしました。
物差しを使わずに荷造り紐を2007mm分切るのですが、みなさんかなり近い長さになりました。
 今年のサンタ N.W君とT.S君が、みんなにプレゼントを手渡しました。
 配ったお菓子はKSさんのご家族からいただいた寄付で用意しました。
 最後に、R.Sさんのギターに合わせて「きよしこのよる」をしっとりとみんなで歌って終わりました。

                     新年会報告

 2月3日(日)、福島市保健福祉センターで新年会を兼ねた蕎麦打ち交流会を行いました。
 参加者は34名。
 午前中は講師のMさんにご指導いあただき、蕎麦打ち体験をしました。蕎麦粉のサラサラした感覚に気持ちいい!!と歓声が上がったり、だんだんに塊になっていく様子、のしてトントントンと蕎麦を切る感触を味わいました。
 蕎麦を切る時に誤って手を傷つけないようにと、Mさんが道具にプラスチック板を付けて一工夫してくださいました。
 午後は、福岡大学のM教授と福島大学のN准教授によるワークショップが行われました。
 盲ろう者も全盲の人も触ってわかるように工夫された、マグネット付きのパーツはシーツの切れ端やスーパーボール、スプーンでした。生活の中で睡眠や運動、食事の優先順位に並べて自分の生活を振り返って考えてみるという内容のワークショップでした。ボードに並べて貼り付けて1人1人コメントしました。
 普段、物を見て判断している人にとっては、触ってコレは何?と不思議に感じたようです。 
 いつもとは趣向の違う交流会の機会を提供していただきありがとうございました。
 新年会に参加されたK、N先生から、2月4日に事務局にメールが届きましたので、了解を得てご紹介します。

 昨日は、大変お世話になりました。
 午後のワークショップでは、みなさんの声をじっくり聞くことができ、本当に良い時間を過ごすことができました。
 また、午前の蕎麦打ちでは蕎麦打ちを楽しんだ以上に参加されているみなさんの間での自然、かつ多様なコミュニケーションを目の当たりにすることができ、コミュニケーションのあり方について再考するヒントをたくさんいただきました。
 本当にありがとうございました。
 今後も、みなさんと交流を続けていければと思っております。
 これからもよろしくお願いします。                      
                                           K.N      

編集後記

福島盲ろう者友の会が設立して早9年。会報も今回で40号になりました。みなさんのご支援を心から感謝します。
会報の名前「ピーチピチ」の名前通り、桃のようにほんのり甘く、そしていつまでも若々しく過ごしている会員の様子を、届けて行きたいとおもいます。
これからもよろしくお願いいたします

ピーチピチ第40号