Yesterday's Tomorrows
Yesterday's Tomorrows
小松崎茂の世界
写真集
過去の21世紀
Yesterday's Tomorrows

 199X年世界は核の炎に包まれた。海は枯れ地は裂け、あらゆる生命体が絶滅したかにみえた。しかし、2000年問題以外何事もなく21世紀に突入する。(2000年は20世紀だが)
 21世紀はタイヤのない自動車が透明のチューブの中を飛んでいるはずなのだがいまだにその気配はない。セグウェイ(ジンジャー)も宙に浮くという噂もあったが、発表されたものはやはりタイヤがついていた。
 そして2001年、真っ赤のミッドセンチュリーな椅子にかこまれての宇宙の旅、「申し訳ありませんが、デイヴ、それはできません」といわれ、一家に一台ロボットがあって銀色のピタピタ服をみんな着て、でかい壁掛けテレビで電話。旧型のISDNテレビ電話が秋葉原のジャンクショップで2,000円で並ぶ。
 そして2002年、頼りなく(本人達曰くメカニカル)踊る4台のロボットと電卓を押し入れにしまいVAIO片手に音楽奏でる4人。
 2003年アトムが誕生。耳から蒸気が出る。いつのまにか忘れていた「逝ってよし」という言葉が完全死語となった。ナイトライダーでデボンが生き返る。「申し訳ありませんが、マイケル、それはできません」といわれ、秋葉原が完全にアニオタ街になる。
 そして2005年、ペプシで当たった、2001年宇宙の旅がようやく実現かと思ったら2010年宇宙の旅となる。そしてクラフトワーク自身も予測できなかった21世紀のテクノカットは4人揃ってスキンヘッドとなる。(オービタルとブライアンイーノは先に未来に到達)
 それにしてもリニアモーターカーというのはいつまで実験をしているのだろうか?あれだけ実験していれば宇宙にでも行けそうだが。

 Yesterday's Tomorrowsという本なのだが、以前からずっと探していて、80年代に出版されたもののようで90年代に再発されようやく入手できました。今見ると非常に馬鹿げているものが多数あるのですが発案者らしき人が誇らしげに発案物と並んで写っている写真や、どう考えても一般に普及しそうもない飛行機車みたいな乗り物を運転?操縦?してきたと思われる女性がいかにも普通を装ってホテルの前で飛行機車を降りてボーイに荷物をわたしている写真などみどころ満載です。
 その他、メトロポリス、ガジェットに出てくる20世紀号?、プロペラつきモノレール、絶対に飛ばないと思われるファンのついた車、ロケットトレイン、未来の街なのにチンチン電車、仮装パーティーみたいな格好の未来人、ヘラクレスみたいな宇宙人、手の部品を人が換えてあげないと相応しい仕事ができそうもないロボット、変なもの多数。

 この本を見るとサンダーバードの箱絵で有名な小松崎茂が外国の未来画を参考に絵を描いていたことがわかります。小松崎茂の絵が載っている本は近年かなりでています。個人的にはミックスアップシリーズの宇宙ディスコが馬鹿げていてお気に入り。3枚目の画像は小松崎茂の世界という本です。


(c)2003. Past&Future,all rights reserved.