ANALOG SYNTHESIZER 80年代的未来 KAWAI K3 このシンセサイザーもあまり出回っていないようで手にして初めて実物を見たのですが、結構でかくて重い!この当時はアナログからデジタルへの過渡期で、まず機械の安定の面からオシレータがデジタル化されたわけでフィルタはアナログという時代のものです。同時期の同じようなものではαJUNOなどあるのですが音的にはだいたい似たような音が出ます。オシレータの波形を選べるためアナログフィルタのシンセのわりには暗めですがゴージャスな音も得意です。 まず外見ですがこの当時流行のフラットフェイスとかと呼ばれていた典型的なデザインで個人的に「ペコペコボタン」と呼んでおります。正直言うとペコペコボタンは使いづらい。だけどこの当時はこれがかっこ良かった。野暮ったいモノは外には見せないという80年代的スマートな未来デザインだった。ところがK3の場合、ダイアルが付きエディット項目全てのボタンが付いていて一目でわかるので意外に操作はしやすい。また、掃除のしやすさもαJUNOと並びトップクラスです。商品的視点で残念なのが、マスターキーボード的な作りなのにモジュレーションホイールが付いていないことと、本体に波形、エンベロープ等の図が書いていないことです。(別にシールとかシートがあったのかも?) 音に関してですが2DCO、そして波形書込というものがあります。一般には加算方式と呼ばれるものですが、倍音を32個まで自由にレベル設定できるものです。コルグにも似たような方法で波形を作成できるシンセサイザーが数種あります。(カワイとコルグはこれが好きなようだ)ここまでいじる人はそうはいないと思います。ここまで音源にこだわっているのなら、オシレーターシンクを付けて欲しかった。そしてフィルターですが一応発振します。しかしレゾナンスが(0〜30発振手前まで)と(31発振)という値となっているためレゾナンスの設定だけでちょっとだけ発振というのができない。それと内蔵のコーラスは音のふくらみより広がりに重点が置かれたものでパンニングディレイもある。 太っ腹KAWAIホームページからK3の音色がダウンロードできるのでK3、K3mを持っている方は試してみてはいかがでしょうか。(MIDIエクスクルーシブの音色データ)いまだにKAWAIブランド1号機をサポートしているのには頭が下がります。それとも古いから無料配布? |
(c)2002. Past&Future,all rights reserved.