どれだけ経っただろう
君の分の缶コーヒーが
ポケットで冷え切っていた

待つ時間さえも愛しく感じた
熱い思いがひたむきに北風に抗っていた

靴音が聞こえる度に
振り向いては本気で沈んだ
プレゼントを隠した滑り台で
雪の子が無邪気に遊んでいた

待つ寒ささえも楽しく思えた
星の無い寒空の下でただ身体が冷えていった

人気が無くなり
短針が90度回った
ドアノブに袋をかけ
僕は帰った
寂しい
けれど悲しくはない
君の喜ぶ顔が驚く顔が
目に浮かび一人にやけていた

待つ時間さえも愛しく感じた
熱い思いがひたむきに君の幸せを祈っていた

季節が廻りクリスマス
君は彼と過ごすのだろう
冷たい風も寒い空も
窓が曇って隠すその部屋で

待った時間も冬の温度も
君の笑顔が見られるなら
過ぎた時間は後悔ではなく
ただひたむきに好きだったクリスマス