1999年5月29日(土)〜5月30日(日)、1泊2日で旅をしてきました。 旅の目的は、学生時代の友人たちと 酒でも飲むべ というものです。
珍道中記をはじめる前に、珍道中記の主役たちである、 学生時代の友人たちを知っておいて頂く必要があります。 本名ではなく、イニシャル(アルファベット順)で簡単に紹介します。
仮名 | 現住所 | 特技 | コメント |
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A | 銚子近くの茨城県内 | イルカやクジラの研究 | 今回のツアーの会場の家主 |
B | 川崎 | 自分をヨゴレにせずにWebで公開 | 筆者 本ページ運営者 |
I | 三鷹 | 周囲の人に対する失礼と酒のうんちく | γ−GTPが弱点 |
N | つくば | ngraphの作者 | 酒で顔(頭)が赤くなる |
O | 仙台 | ムダに詳細な過去の記憶の開陳 | ムダに昔のことをたくさん覚えてるので、新しいことを覚えられない |
要するに、B、I、N、O の4名が、 Aの家に押しかけて宴会をするというツアーです。 ツアーって言っても、5人みんなで一緒に移動するわけではありません。 N は自家用車で直接 A の家に行きます。 残りの3人は、東京から電車で銚子駅に行って、A に車で迎えに来てもらいます。 ですから、ほとんど現地集合と言ったほうが良いです。
東京方面からは、仕事で遅くなるという I を置いてきぼりにして、 東北新幹線で駆けつけた O と私(B)が電車で銚子に向かいます。
銚子までの行き方ですが、直通の特急に乗るのと、乗らないのと2つの選択肢があります。 O は、東北新幹線にも乗る関係で、 JR東日本のウイークエンドフリー切符で来ているので、特急に乗っても良かったのですが、 私が特急料金をケチったので、二人とも特急に乗らずに行くことになりました。 総武線快速で千葉まで行き、千葉から総武本線各駅停車に乗り換えて銚子を目指すと言うコースです。
東京駅の地下ホームから、総武線快速で千葉までは、45分くらいかかったと思います。 神奈川県の三浦半島方面の方には、横須賀線と言われている普通の通勤通学電車で、 いまひとつ旅行気分が盛り上がりませんが、いたしかたありません。
しかし、いよいよ千葉からは、「総武本線」です。 「××本線」というくらいですから、 観光客がナチュラルに酒盛りをしているボックス席列車 に決まっていると思い込んだ我々は、千葉駅でビールと酒を買い込みます。 ちなみに、おつまみ(横浜名物 KY軒の焼売)は、 既に私が神奈川県内でゲットして持ち込んでいます。
しかし、電車に乗り込んで見て驚きます。 たしかにボックス席はありますが、 総武線快速とぜんぜん違わない混雑と通勤通学電車のノリが広がっています。 とにかく、ビールを飲むとかいう以前に、座るところを確保するのがやっとでした。
電車は、思ったよりなかなか空きません。 待ちきれなくなった私たちは、ついにビールに手を出しました。 ちょっと周囲の目が冷たい気がしましたが、飲んでいるうちに、 徐々に人が少なくなってきました。 電車内の人が少なくなるにつれて、 車窓の風景も、日本のふるさと という雰囲気になっていきます。 そして、私たちも、安心して 日本人の心 「日本酒」 に手を出しはじめました。
そんなかる〜い車内宴会を終え、O と私が銚子駅に着いたのは、16時30分近くでした。 そこからは、A の車に乗り、A の家まで送ってもらいます。 銚子は千葉県にあります。でも、銚子駅から車で10分も走っていないと思いますが、 赤くて長い橋(たぶん銚子大橋)を通って、 大きな川(きっと利根川)を渡ると、すぐに茨城県に入ります。
A の家には、まだ N は着いていませんでした。 ビールでも飲みながら待つことにしました。そして、そのまま宴会へと突入していきます。 N が到着した18時くらいはまだ良かったのですが、 I が到着した19時過ぎくらい(?)は、既にけっこう飲んでた気がします。 そして、その後の記憶はあんまりありません。
気がついたら、寝ている人がいます。 (正確に言うと、記憶にはないんですけど、寝ている人の写真を撮っていました)
かなりの修羅場宴会だったような気がするのですが、意外とさわやかな朝です。 と思って横を見ると、O が苦悶の表情を浮かべています。 どうも寝違えたか、A の娘たち(5歳と3歳)と ムダにハッスルして遊び過ぎたか何からしく、 「首が回らない」と言っています。
B 「首が回らないって、そんなに借金が厳しいのか?」まだまだ、余裕はありそうです。 とりあえず、横を向かずに 真っ直ぐ前を見ている ぶんには大丈夫とのことなので、 気にせずに観光に行くことにしました。 観光で、横を向けないってのもきつそうではありますが....
O 「うん、3億円くらい」
朝ご飯を頂いて外に出ると、きれいな花が咲いています。 わざわざ花壇に植えたという感じではなく、そこらじゅうに雑草のように生えています。
せっかく銚子まで来たのに、一泊して酒飲むだけで帰ったらもったいないです。 観光に行くべと言うことになりました。 とりあえず、近くの海岸に行って海を見ることにしました。 遠くのほうには、 カリフォルニアでたくさん見た のにそっくりな、風力発電の風車があります。
次には、あの風車のほうに行って見ようということになりました。 すぐ近くは、ちょっとした公園(?)と駐車場があります。 ここに車を停めて見上げますが、遠くで見るよりも、思ったより大きいです。
ここの駐車場には、車が満車状態でした。サーファーの皆さんが車を停めているようです。 なるほど、どこぞの湾内とは違い、太平洋の良い波が直に打ち寄せているようです。
そんなことをしているうちに、お昼どきが近づいて来ました。 コンビニで昼食を買おうということになったのですが、 朝食を頂いた時間が遅かった上に、どうも二日酔いらしく、 全く食欲がありません。
実は、買い出しが終わったら、次は A の紹介で、 イルカウオッチングの船に乗ることになっています。 船には、2時間くらい乗っているとのことです。 ですから、あとでお腹が空くかもしれないので、 とりあえずサンドイッチとジュースだけ買っておきます。
買い出しが終わったら、車でイルカウオッチング船が出向する港に向かいます。 「本当に大丈夫かいな!?」 って言いたくなるような狭い道をクネクネ曲がりながら、 車は港に向かいます。 10分くらい走ったでしょうか。やっとで車は港に着きました。 しかし、この港は、はっきり言って どう見てもただの漁港 です。
そして漁港沿いの道を渡ってすぐのところに、 イルカウオッチングの事務所があります。 イルカを見たい観光客は、ここで手続きをして船に乗るようです。
私たち一行は、 いかにも海の男という感じのムヤミにさわやかなにいちゃん に挨拶を済ませると、事務所からは少し離れたところに停泊しているという船に向かい、 再び車に乗り込みます。
船の停泊している岸壁には、既に多くの人が集まっています。 この日のお客さんは、私たちを入れて全部で20〜30人くらいいるみたいで、 2隻の船に分乗していくことになりました。
そして乗る船ですが、 どう見てもただの漁船 あ、でも、ベンチとテントがとってつけてある って感じです。
船に乗る前に、イルカウオッチング屋のさわやかなにいちゃんから、説明を受けます。
にしても、船に乗るのは2時間くらいと聞いていたのですが、 ウオッチングポイントまでの移動時間から考えて、 どんなに早くても3時間はかかりそうです。 けっこう長い時間、船に乗っていることになりそうです。
説明が終わると、いよいよ乗船です。 2隻の船は、岸壁に平行に並んで停泊しています。 私たちは、いったん手前に停泊している船に乗り、 素通りして奥に停泊している船に乗り直します。
私もいろいろな船に乗ったことがありますが、 船から船に乗り移ったのははじめてです。
船のベンチに腰掛けると、私たちはコンビニで買った昼食を食べはじめました。 すると、イルカウオッチング屋のさわやかなにいちゃんが、 出航直前に食べて大丈夫!? 強いねぇ。 みたいなことを言います。 どうも船酔いしないか心配してくれているらしいのです。
しかし、私は船には(二日酔いでないときなら)乗り慣れています。 たしょう揺れたところで、 (二日酔いでなければ) 船酔いしないという自信があります。 とにかく、(二日酔いでなければ) 大丈夫に決まっています。
てなわけで、いよいよ出航です。 港を出ると、左手には銚子(?)の街並みや灯台などが見えます。
この日は、ピーカンの良い天気です。 風は多少吹いていますが、波はどちらかと言えば穏やかなほうだと思います。 しかし、この漁船、じゃなくて、イルカウオッチングボートはやたらと揺れます。 おそらく、伊豆諸島に行く東海汽船クラスの大きな船ならば、 ほとんど揺れないのではないか?という波なのですが、 船首を大きく上下させながら揺れます。
私もいろいろな船に乗ったことがありますが、 こんなに海水浴場のゴムボート並に揺れる船に乗ったのははじめてです。
やはり二日酔いがいけなかったのでしょう。 30分も乗っていると、完璧に船酔いしつつあることが自覚できます。 最長で4時間ということは、あと3時間30分も船に乗っていることになります。 30分で既にこの調子では、3時間後にどんな体調になっているか、想像すらつきません。
たぶん、出航直前にサンドイッチを食べたのもいけなかったのでしょう。 寝て過ごそうと思っても、胃の辺りが気持ち悪くて、寝ることもできません。 上のほうを見ながらボーっとして、なんとかさらに30分ほど過ごします。 出航後、およそ1時間経過、残り3時間です。 船酔いは、劇的に症状が悪化することもなく、歩くのすらキツイという感じではありません。 ただ、食べたものが消化できないでいるのが気持ち悪いだけという感じです。 しかし、ここで私は、以下の理由により、今のうちに無理にでも けろっぴ することを決心しました。
私は、船の最後尾にあるトイレへと向かいました。 トイレは、かろうじて様式の便座はあるものの、予想通り 下は直に海 です。 あまりにも船が揺れるため、便座のふたは、手を放すとすぐに閉ります。 ふたを手で押さえ、さてどうしたもんかなと思っていると、 下には意外に速く海面が流れていくのが見えます。 うわー目がまわるー.... とか思った瞬間、 けろっぴ、 けろっぴ、 けろっぴ、 けろっぴ。
さー、ことも済んだし、いよいよイルカウオッチングです。
出航後1時間20分ほど経過したときだったと思います。 突然、船のエンジン音が弱まります。どうも、近くにイルカがいたらしいのです。 一同、一斉に立ち上がり、双眼鏡やカメラを片手にイルカを探します。
しかし、2頭ほど見えたという証言はあるものの、私の目にはぜんぜんイルカの姿は見えません。 どうも、深いところに潜って、どこかに逃げて行ってしまったらしいのです。
その後、2隻の漁船、じゃなくてイルカウオッチングボートにより、 無線で交信しながら手分けをして探しますが、ぜんぜん見つかりません。 船長さんはじめスタッフの皆さんが一生懸命イルカを探す一方で、 ベンチでぐったりしている私の体調は、ジワジワと少しずつ悪くなっていきます。 ただ、けろっぴ するものがなくなったせいか、 寝られるようになったため、時間の経過が早く感じられたのがせめてもの救いでした。
出航後3時間を過ぎ、あきらめて港に戻ることになりました。 正直言って、ほっとしました。確かにイルカも見たいけど、それよりも、 一刻も早く船から降りたい! というのが、偽らざる本音でした。
あと20分くらいで港かな?というくらいかなり陸地に近づいたとき、 やっとで帰れるとすっかり私が安心しきっていると、突然あたりが騒がしくなりました。 「スナメリ(イルカの一種)がいる!」誰かが叫びました。 私も、最後の力を振り絞って、デジカメを手に撮影に向かいました。 しかし、やつらの動きは早いです。肉眼で場所を確認し、カメラのファインダーをのぞき込んだときには、 もう海中に潜っています。何度かチャレンジしましたが、全く撮影はできませんでした。
いろいろ努力したかいなく、あまりイルカが見えなかったので、 イルカウオッチング屋のさわやかなにいちゃんも、 少し申し訳なさそうな様子でした。 「自然が相手だからしょうがないですよ」とか言いながら、少しお話をさせてもらったのですが、 どうも A が乗るときはイルカがあんまり見えないらしいんです。 過去3回くらい乗って、一度も満足に見えていないらしいんです。 イルカに嫌われているイルカ研究家って、 そんなんありかい!
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本当は、普段はちゃんと見えるらしいのです。このときだけ、たまたまだと思います。 イルカウオッチングのポイントとしては、たぶん東京から最も近いので、 けっこう人気もあるようです。 興味のある方は、 こちら をご覧ください。
帰港直前のスナメリ騒動のため、少し予定をオーバーして、 17時過ぎに船は接岸しました。 あー、やっとで着いた。もうとうぶん乗り物には乗りたくない! って言ってはみたものの、これから N の車に乗って銚子駅まで送ってもらい、 それから電車で(どんなに少なくても2時間以上かけて)家に帰らなければいけません。
N の車に乗って銚子駅に向かう前に、とりあえず 銚子土産でもGETしていくべ ということになりました。
どうも、銚子では、「ぬれせん」というのが有名らしいです。 ちなみに、この場合の「せん」は、 煎餅(せんべい) の「せん」です。間違っても、 専門(用例:××せん) の「せん」ではありませんのでご注意ください。
とある信頼できる情報筋によると、い××み という店のぬれせんが、 美味しいらしいのです。夕方の17時30分過ぎということで、 郊外の大きなお土産物屋さんは、ほとんどしまっていました。 「たしか、街中にいくつかぬれせんの店があったと思う」という、 A の証言を頼りに、車で街中を探すことにしました。 しかし、地図もなく市内を走り回っても、そう簡単に見つかるものではありません。
あんまり一生懸命探して、帰りの電車を逃すのもアホみたいなので、 たまたま見つけた別の ぬれせん屋 で買物をしようと、 その店の向かい側に車を停めました。 車を降り、店に向かって歩こうとすると、突然、「あった」という声が聞こえます。 O が偶然にも、「ぬれせん屋 い××み は、この先300m」の看板を見つけたのです。
O を除く4人は、道の向かい側にある、これから行かんとしている店を見ていました。 しかし、O だけは、別の方向を見ていました。 首が痛くて回らない彼は、店がある横の方を向くことができず、 しかたなく見た正面方向にこの看板を見つけたのです。 しかし、朝に首が回らんと言っていたのが、 ここでオチになるとは、 前フリが長過ぎるぞぉ!!!
こうして私たちは、無事に い××み で ぬれせん をゲットし、帰路につきました。 帰りの東京行きの特急列車の中で、二日酔いと船酔いですっかりグロッキーな私の目の前で、 ビール → 日本酒 → ワインと次々に飲む、I の姿は特筆ものでした。
O の首ですが、後日医者に診断してもらったところ、 頸椎症(頸椎間組織が炎症を起こして神経を圧迫している状態)だったそうです。 1週間ほど安静にしていれば、炎症が収まり痛みも引くそうです。
ちなみに、首周りの異常は、40歳くらいから多くなるそうですけど....