10月9日(金)の朝が来ました。いよいよ、観光初日です。 旅行のパンフには、今日のスケジュールはこんな風に書いてあります。
世界の超一流ワインを産む恵みの地、メドック地区にてワイナリー見学と “生命の水”とも呼ばれるブランデーの産地コニャックを見学します
この文章のおかげで、理屈ではわかっているんだけど、コニャックってのは、 本当は酒のジャンルじゃなくて地名だということを改めて認識します。
昨夜、夜が遅かったせいか、朝は9時出発と比較的楽です。
ホテルを一歩出ると、ボルドーの市街地の中心部にいることに 気がつきます。 街中にこういう光景が広がっているあたりに、 ヨーロッパの懐の広さを感じます。
午前中は、とりあえずボルドーのワイナリーに行きます。
ワイナリー周辺は、とにかく、そこいらじゅう一面の葡萄畑です。 葡萄の木は、日本よりも丈が低いです。人間の腰くらいでしょうか。 てなわけで、日本のように棚にではなく、柵状の針金に絡み付いて生えています。
そんな光景をバスの窓から見ていると、 見学させていただくシャトー(ワイナリーのことらしい)に到着します。
一歩、シャトーの中に入ると、漬物のようなカビ臭さがあたりに漂います。 そんな匂いをかぎながら、必要以上に丁寧な説明が繰り広げられます。
んな説明はいいから、はよ飲ませんかい!と、私が心の中で叫んだのは言うまでもありません。 シャトーの歴史なんていくら聞いても、ワインの味には何の変わりもありません。
それにしても、さすが本場のワイナリーです。 地下には、死ぬほどたくさんのワインの入った樽が貯蔵されています。
しかし、さすがにシャトーの見学です。やっぱり、最後は待ちに待った試飲です。
試飲は、赤白各1種類ずつでした。 ここは、白ワインの方が香りが微妙だということで、 先に赤ワイン、後から白ワインという、普通とは逆の順番で出てきました。
率直に言って、まぁまぁそこそこ美味しいんだけど、赤白両方とも 若干若すぎるかな?という感じでした。
試飲が終わったら、直ちにワインの直売所に直行かと思ったら、 樽制作のアトリエとかを見学させられました。 最後の最後にお土産コーナーに案内されたのですが、 ワインはビンテージの新しすぎるものしか置いてなく、 また日本への発送もしていないということで、基本的に売る気はないんだと悟りました。
なにはともあれ、こういうきれいな建物のシャトーでした。
シャトーの見学が終わったら、今度はコニャックの村にバスで移動です。 まず、コニャック村のレストランで昼食タイムです。 昼食のお飲み物は、いかにもコニャックの村らしいものをつい注文してしまいました。
にしても、フランスのレストランの仕事は雑です。 前菜に魚をのせ忘れられる人が出たくらいは「ツカミ」として、 こんなもんを平気で出してくる神経には、真剣に笑いました。
そして昼食後、個人的にこの日のメインイベントである「ヘネシーの工場」を目指し バスに乗ります。 途中で、「さすがコニャックの街」と思わず唸ってしまう看板を見つけました。
ヘネシーの工場の中には、川か運河が流れています。 工場を見学するためには、シーバスのような船でこの川を横断します。 私のような船マニアにはたまりません。 さらに、船上から見るヘネシーの工場(あるいは、社屋?)は、 まるでお城のようにかっちょいいです。
ヘネシーでは、見学者向けに葡萄畑からはじまって、 コニャックができるまでを丁寧に説明してくれます。 かなり、見世物として工夫された展示で、
最後の最後に待ちに待った試飲があるのですが、 シュエップス(トニックウォーター)割です。完璧、なめてます。 しょうがないので、他の人が余した奴まで飲んで、何とか気を静めました。
この日は、またボルドーに戻り、昨夜と同じホテルに連泊です。 夕食にホテルの近所のレストランに行きました。 しかし、たいした量じゃないけど、食欲がわきません。 よく考えたら、日本時間換算で夜中の3時くらいなのです。 まるで、テツマン明けにカップラーメンを食べた後のような、 重い胃を抱えながらこの日は終わりました。