7日目 「首都のパワー」


7日目、8月21日(木)になりました。 7日目の予定は、早朝にドブロブニクから首都ザグレブに移動して、 ザグレブ観光です。 昼食までが団体でザグレブ観光、 昼食後は解散でフリータイムです。 大雑把に言えば、午前団体、午後フリーと、 前日と同じパターンです。

さて、その早朝出発ですが、本当に早朝です。 なにしろ、飛行機の出発時刻が6時25分ですから、 ホテル出発が4時30分、モーニングコールは3時45分です。 これまでにも、いろいろなツアーの早朝出発は体験しましたが、 間違いなくトップクラスです。

このくらい早朝だと、ホテルのレストランは開いていません。 ホテルで朝食を食べることができないので、 代わりに支給された朝食のお弁当を持って、 ホテルを出発します。 ドブロブニクの空港に到着すると、 これまで初日のクラーゲンフルートから、 ずっとお世話になってきた観光バスとはお別れです。

チェックインに時間がかかるということで、 早めに空港に到着したようですが、 これからチェックイン手続きをするクロアチア航空のカウンターは、 まだ無人で開いていません。しばらく並んで待っていると、 係の人が来て、チェックイン手続きが始まりました。 そうこうするうちに、チェックイン待ちの行列もかなり長くなっています。 早過ぎるくらいに到着したのは、正解なのかもしれません。

チェックイン手続きが終わったら、その辺に座って、朝食お弁当を食べます。 お弁当の中身は、サンドイッチ、ジュース、ヨーグルト、りんご1個と、 この手のお弁当としては、ありふれた感じです。 そうこうするうちに、空港のカフェも開き始めました。 早めにチェックイン手続きが終わって時間的な余裕があったので、 無理にお弁当を支給せずに、 カフェで勝手に食べなさいでも良かったような気がしますが、 あくまでも結果論です。

食事を終えてジュースなどの液体の手荷物がなくなってから、 手荷物検査を受けて、搭乗口に進みます。 大きな空港では、手荷物検査場から搭乗口まで、 延々歩かされますが、ここは搭乗口の待合室直結です。

出張の人が多いのでしょうか。待合室は、徐々に混雑してきます。 明らかにベンチの数が不足しています。 待つのが大変だなぁ、とか思っているうちに、 まもなく搭乗時間になります。 搭乗口を通ると、いきなり外に出ます。 どうやら、ちょっと先に止まっている飛行機まで、歩いて行けと 言っているようです。

1時間弱の短いフライトなので、 特に機内サービスはないだろうという話でしたが、 実際にはパンが配られました。 クリームパンみたいなやつが、けっこう美味しかったです。

ザグレブ空港に到着したら、 荷物を受け取って、ザグレブだけお世話になる観光バスに乗ります。 まだ8時くらいです。 空港からザグレブ中心に向かう道路からは、 路面電車が見えます。中古の電車をかき集めてきたのか、 いろいろな色の古い電車が走っています。と思えば、 最新型のきれいな青い電車も走っています。

予定よりも、ちょっと早いということで、現地ガイドさんの提案で、 地元の墓地を見に行くことになりました。 日本人の発想だと、見ず知らずの観光客が物見遊山で墓地に行くのは、 少し不謹慎ではないかという気もします。ガイドさんが言うには、 「すばらしい彫刻がたくさんあるので、無料の美術館的な感じで紹介したい」 そうです。それを聞いて、ちょっと安心して物見遊山しようかと思います。

丘の上にある墓地に入るとすぐに、 非常に大きくて立派な墓石が見えます。 さらに、立派な彫像が飾ってあるお墓もあります。 なるほど、無料の美術館というだけのことはあります。 お墓には、普通に地面に立っているお墓と、 建物の縁側みたいなところに並んでいるお墓があります。 縁側のほうが、美術館っぽいです。

ちなみに、上の写真の床に、長方形の枠があります。 そこが、実際に埋葬する場所だそうです。 「知らずに踏んじまったじゃねーか!」と思ったのですが、 むしろ「多くの人に踏んでもらうのは縁起が良い(?)」ので、 あえてみんなに踏まれるようにしているそうです。 言われてみれば、 フランス でも、そういうお墓がありました。

頭で墓地だとわかっているので、 どうしても、おどろおどろしさは感じますが、 それさえなければ、観光地としてわざわざ来る価値があると思いました。 ただ、観光コースとして組み込むかどうかは、 賛否が分かれるところかもしれませんけど。

さて、墓を見終わったら、もともとの予定通りの市内観光です。 今度は、旧市街の一角でバスを降り、ここからは徒歩で観光です。

工事中の教会があります。屋根の独特の模様を見て、 フランスはボーヌのオスピス を思い出します。

それから、市街地が見渡せる高台に行きます。 高台の横には、下の市街地と往復できるケーブルカーがあるのですが、 点検中だか工事中だかで動いていません。

あとで見学する、ツインタワーの教会が見えます。 ここも工事中です。なんで、こんなに工事ばっかりなんでしょう。

それから、高台を降りてツインタワーの教会に向かいます。 途中、市場を通ります。

市場の先は、広場になっていて、 多くの路面電車が絶え間なく行き来しています。 路線図を見ると、いろいろな路線の電車が、 集中するポイントのようです。

と、いろいろ立ち寄りながら、ツインタワーの教会に向かいます。 ツインタワーの教会の中も見学します。 教会の中は、厳かですばらしいのですが、 すばらしい教会であればあるほど、 自分が物見遊山で行くのは場違いな感じがして気が引けます。 ここの教会も、かなり気が引ける教会でした。

教会の見学が終わったら、いったんバスでホテルに荷物を置いてから、 また教会付近に戻ってきて昼食です。 昼食は、名物のザグレブ風カツレツだそうです。

昼食後はフリータイムです。 街中を見物したり、御土産物屋を物色したりします。 美味しいチョコレート屋さんがあるので、 御土産に良いだろうという話を聞いたので、行ってみます。 確かに良さそうですが、外はけっこう暑いです。 日本に帰っても暑いに決まっています。 ドロドロに溶けてしまうのが心配で、買いませんでした。

御土産物が買えなかったですが、 代わりにスーパーでビールを買って(何の代わりだ?) ホテルに戻ることにしました。 路面電車に乗ってホテルに戻ります。

路面電車の切符は、乗場近くのキオスクのような売店で売っています。 電車の中に、切符に日時を刻印する機械があります。 最初に日時を刻印してから、1時間以内は乗り降り自由だそうです。 でも、ホテルに帰るのには乗り換えは要りませんから、関係ありません。

ところが、電車が動き出して少ししてから気づいたのですが、間違って、 ホテルに戻るのとは反対向きの電車に乗ってしまったようです。 いったん電車を降りて、改めて 正しい向きの電車に乗り直すことにしました。 予定に反して、 「1時間以内乗り降り自由」の恩恵に あずかることになってしまいました。

乗り直した正しい方向の電車では、切符に刻印済みなので、 改めて刻印するという動作が出来ません。何を持って、 私は切符を持っていると確認されるのだろうか?と心配になりましたが、 「ズル」をせずにきちんと切符を買っているという「大人の約束」を前提に、 ノーチェックなのだそうです。

ホテルに戻ってから、夕食までは少し時間があります。 近所の美術館か博物館を見学に行くという選択肢もありますが、 疲れて寝てしまいました。 夕食は、宿泊するホテルのレストランのビュッフェです。 ドブロブニクほどの豪華さはないですが、 ここのレストランも、そこそこ美味しくて良かったです。

これまで、ブレッド湖、ポストイナ鍾乳洞、プリトビッチェ国立公園、 スプリット、モスタル、ドブロブニクと、 ものすごい景色や街並みを見てきた後で訪れる首都ザグレブは、 普通の平凡なヨーロッパの都市という感じで、 インパクトに欠ける印象が残りました。

ちょっと工事中が多かったとは言え、 教会はすばらしかったです。路面電車は本数も多く、 観光や買物にも便利です。行きませんでしたが、 美術館や博物館もすばらしいと想像します。 冷静に考えると、首都でもあるし、 観光に訪れる街として特段の不足はないのですが、 他がすごすぎたと言わざるを得ません。

以上で、今回のツアーは実質的におしまいです。 翌日は、飛行機を乗り継いで日本に戻ります。


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