平成19年2月18日(日)、 蔵元見学日帰りバスツアーに参加してきました。
このツアーは、近所の酒屋さんが企画したものです。 これまでも、この酒屋さんは何度か同じようなツアーを企画しているのですが、 子ども連れで行けるようなツアーではないので、なかなか参加できませんでした。 しかし、今回、妻子が別の日帰りバスツアー(※)に参加したいので、 勝手に私一人分の参加申し込みをしてしまい、 それぞれが別のツアーに参加することになりました。
(※)ちなみにそのツアーは、御殿場アウトレット買物ツアー。 買物の邪魔をする人間を排除したかったということらしい。
さて、蔵元見学バスツアーですが、 JR川崎駅西口に集合してバスに乗るだけです。 初参加なので、どんな人たちが何人くらい集まるのか想像が出来ません。 かなり早めに駅に着いてしまったので、 いろいろと想像しながら、小雨の降る駅前でバスの到着を待ちます。
結局、参加者は25名でした。20歳代くらいに見える人もいましたが、 40〜50歳代が中心という感じに見えます。実際はどうかわかりませんが。 この人数でほぼ満席となった観光バスで川崎駅前を出発したのは、 朝の8時少し前です。
さて、行き先ですが、静岡県由比町にある、 銘酒「正雪」の神沢川酒造場です。 東名高速道路を西に向かいます。 途中の海老名SAで休憩もとりながら、 予定の11時よりかなり早めに到着しました。
確かに途中の海老名までは小雨が降っていたと思うのですが、 私の日頃の行いがよいためか、 由比町はすっかり晴れています。
もともと、神沢川酒造場の建物や設備は、 一般観光客向けの見学用には出来ていません。 最初に、普通の家のお座敷のようなところに上がらせて頂き、 酒造りの工程について説明をして頂きます。 社長さんを筆頭に神沢川酒造場全体として、 今回のツアーに参加した私たちをアットホームに 暖かく迎えて下さっている感じが、 ひしひしと伝わってきます。
酒造りの工程を勉強したら、次は実際に造っているところの見学です。 蔵の中に入ると、酒米を洗っているところでした。
写真も自由に撮って良いとのことでしたので、 いろいろ普段はなかなか見ることのない、 酒造り現場の写真を撮ってきました。 何の写真なのかをうまく説明する自信がないので、 あんまり載せられませんが、いちおう1枚だけご紹介します。
この段階で試飲もさせて頂きました。 酸味があって、まさに発泡系原酒の味です。 「絞って清酒にせずに、このまま売っても良いんじゃないか?」 と思うのも当然の味です。
さて、一通り酒造り工程の見学が終わったら、 最初に工程の説明を受けたお座敷に戻り、 お待ちかねの利き酒(ききざけ)です。 なんだかんだ言って、ツアー参加者はみんな酒好きですから、 「いよいよ待ちに待った」感が、座敷中に漂っています。
全部で7種類くらい(酔っ払って忘れた)の試飲をさせて頂きました。 周囲の評判を聞いていると、一番好きな酒の評価がいくつかに 集約されているようです。
私が意外だったのは、普通酒が一番美味しいといっている方が、 かなり多かったことです。理由はよくわかりませんが、 憶測としては、昔懐かしい味(日本酒とはこういう味)だからでは ないかと思います。あるいは、老ね(ひね)ていないせいか、 普通酒独特の雑味も複雑な味の広がりのように感じられて、 他の吟醸酒などを物足りなく感じられたというのも、あるかもしれません。
私が一番好きだったのは、非売品の6年物古酒です。 6年物なのに老ね香は全く感じられず、深みと力強さを感じました。 高級な純米大吟醸酒は、もちろんものすごく美味しいのですが、 この古酒に比べてしまうと、 酒としての進化途上で水に近いものに思えるほど、 この古酒の美味しさは歴然としており、圧倒的でした。 非売品なのが残念でなりません。
試飲が終わったら、昼食会場に移動です。 が、移動の前に、 神沢川酒造場の前で参加者全員で記念撮影をすることにしました。 適当な場所がないので、公道の両側にカメラマンと参加者が分かれて 立ちました。車が通らないタイミングを見計らって、 シャッターを押す必要があります。
しかし、恐るべしは、静岡の皆様の心の広さです。 道路を通過しようとする車が、次々と、 我々が写真撮影しようとしていることに気づいて、 撮り終わるまで車を止めて待ってくれるのです。 首都圏なら、クラクションを鳴らされることはあっても、 待ってくれるなんて考えられません。 静岡の皆様が優しいのか、首都圏の心が荒んでいるのか、 考えさせられる光景でした。
昼食は、地元料理主体のレストランという感じの場所です。 2階の駿河湾の見えるお座敷で、桜えび尽くし料理を頂くことになりました。 そして、利き酒の残り+新品日本酒の大量持ち込みによる、 大宴会のスタートです。
利き酒の時点で、既に「軽めの飲み会1つ分」くらいの酒を頂いた気がしますが、 それでも次々に飲めるのが不思議です。美味しい酒は、別肝臓という感じです。 昼食会場には、神沢川酒造場の社長にも来て頂き、 一緒に飲み食いしながら、いろいろなお酒の話も教えて頂きました。 非常に貴重な体験になりました。
昼食を終えたら、お土産物屋に立ち寄ってから、川崎に向かって出発です。 帰りのバスの中でも、ずっと宴会は続きます。 しかし、さすがに途中で、飲み疲れて寝る人が出始めます。 ピーク時には、半分くらいの人が寝ていたように思います。 きちんと最後まで起きて、ずっと飲み続けた自分を褒めてあげたいと思いました。
バスツアー終了時の記憶はあまり定かではありませんが、 その日にそのバスに積んで入荷したばかりの酒をお土産に買って、 その主催者の酒屋さんから歩いて帰宅したと思います。
翌週、いつものようにその酒屋さんに買いに行ったのですが、 結局、そのツアーでは、25名で14升飲んだそうです。 仮に、全員がムラなく飲んだとして、5.6合ですか....