ダイワ シーボーグ修理                               2022.9/27

使用中にリールカウンターが動かず巻き取りで自動停止しないので竿先を折りそうになったそうで修理依頼が。
以前から時々その症状が出ていたが次第に悪化したらしい。
持ち帰って触ってみるがカウンターが動かないだけで他は正常。
購入してまだ4年ほどで結構美品の範囲のため何としても復活させたい。

サービスモードとかで診断できれば良いのに。
どうにもならないので分解したがセンサーが動くための磁石も正常に回っているし。
これ以上調べようがないので意を決してユニット裏側の防水プラスティックを除去。
以前古いバージョンのリールの液晶が薄くなったので同様の作業を行ったが何倍も手間が掛かった。
なにせ小さいし構造も分かりにくかったので少しずつ小型ナイフで削り取った。



さらにパーツのサイズが手作業では無理なほど小さい。
拡大鏡で基盤を丁寧にチェックするも原因は見つからず。
関係ないと思ったがボタン電池らしきものがあったので交換してみたが、後にこれはコンデンサーだと分かって元に戻した。
コンデンサーの劣化もそれ程古くないのでチェックから除外。
ランドが浮いている可能性を考えてハンダごてでなぞるも復活せず。
その間何回か正常に動いたので原因の特定がさらに難航。



いよいよオシロの登場だけど基盤が2段になっているので動作させるには重ねてないとダメだからほとんどチェックできない。
上側は電源とモーターコントローラーで下側にマイコンとその裏に液晶が。
それがマイクロサイズのコネクタで接続されている。
磁気センサーも見たことない極小サイズで点検しにくいが基盤の端に設置されてるので隙間からチェック。
磁石を近づけて出力波形を見ようと思ったら電源が来てないことが判明。
そこで電源ラインを調べるとスルーホールの片方がラインから浮いていて通電してない。
ハンダ面はなく緑のレジストで見えにくいのでまさに奇跡の発見。
何と指で触れて違和感を感じたのが発見に繋がったので目視では見つけられなかったはずだ。

場所は作業しやすい基盤の外周なのでハンダで接続して復旧。
すぐにカウンターが動くことが確認できた。
磁気センサーの品番でネット検索したが出て来ず、てっきり3vか5vだと思っていたら12vだったのは驚き。




この後防水処置をシリコンで行ってから組み立てるだけ。
マイ工作室が暑くて作業に日数が掛かったが何とか修理完了。
何度も諦めかけたので喜びもひとしお。
ただこのサイズの修理には顕微鏡の必要性を感じたし視力が低下してきたのでもう無理かも。