船底カバーの製作 
同じ港に係留している船もいくつかはブルーシートでカバーをしています。効果があると言うことを聞き、以前ドライブを保護するため船尾にだけブルーシートをしていました。ところがほとんど効果も無くフジツボがいっぱい付いていたし、付けたり外したりする手間も掛かるしで半年ぐらいで止めました。それに定期的にマリーナに船を揚げる必要もあるので、その際に船底塗料を塗ればよいと考えました。まあ可愛いマイボートですのでワックスもしなくてはね。

それでもマリーナでする作業は大変ですし、それによって1日が潰れてしまいます。もちろんペンキ代も必要ですし、何よりせっかくの休日に釣りに行くことが出来なくなってしまいます。それに船外機の時はそれ程でもなかったのですが、ドライブの奥の方のフジツボを取る作業は相当なものです。これってボルボの場合だけなんでしょうかね。その後何人かより、やはりカバーは効果があるという話や、水が動かない場所はフジツボが付かないという情報。また冬場は1度船底を洗えば海藻も付かないということを聞き再度カバーをすることにしました。

そこで以前の反省に立って今度は全面をカバーすることにし、出船時や帰港時にできるだけ手間が掛からないような工夫をすることにしました。イメージとしては船底にキャップをする。つまり船を係留場所のキャップに差し込むといった感じで考えました。まずブルーシートの大きさですが、ホームセンターには思ったサイズがありませんので、大きめの4.8×9.6を購入です。船の幅は2.4ですので3.2に切ります。このシートは1.6で張り合わせていますのでその部分で切り取りました。次にドライブ部分を除いて船の幅に合うように浮力体を付けます。これは発泡スチロールを考えていたのですが、凍結防止用の適当な物を見つけました。少し余裕を取ってブルーシートに巻き込んで固定します。
さてその固定法です。だってポリエチレンは簡単には接着できませんからね。初めは原始的な針と糸作戦でしたが、すぐに挫折してしまいました。ホッチキスのように部分的で良いからもっと簡単に出来ないかとハトメを使う作戦に変更です。でも数日でさびが出ていましたし強度不足。やはり接着をしようと両面テープにも挑戦はしてみましたが話しになりませんでした。そこで説明にポリプロピレンもOKというプラスチック用の接着剤で着けてみると意外に強く接合できました。
船首部分は切り込みを入れて立ち上がるようにし、また船首のカーブに合わせて形状を作っていきました。ただ、どうしてもシワが出てしまいます。気分が良くないですがここは素人なので我慢ですわ。そして船尾のドライブ周りも単にシートを引っ張り上げて留める方法以外に思い付きません。007だったらボタン1つで全自動なんでしょうけどね。もう1つ大事なことがありました。帰港時にシートが広がっていないと船を入れられません。1つは自分のアンカーロープに、他方は隣の使っていないロープを利用して狭くならないようにしています。このロープを付ける部分はプラスチックのハトメを利用しました。
それでもこれで出船時は船尾のシートを外して船を少し沖に出しドライブを下げてエンジン始動です。また帰港時はシートに向かってゆっくり進入、少し手前で止めてロープを手繰りながら固定し、最後にドライブのシートを引き上げて固定するだけになりました。以前と比べると少しは楽になっていますが、効果がどの程度出るのかは不明です。それに時々はシートの掃除もしなくてはダメのようですが、何もしたくないのならマリーナ保管以外はムリかな。それでも一長一短がありますしね。さてこのカバーはどれぐらい使い続けるのでしょうか。
半年後
今のところスピードダウンはありませんので船底は汚れていない様です。でもシートの方はかなり汚れているのが見え、所々に雑草のような藻が付き始めていますため補修を兼ねてシートを揚げました。裏返してみるとさすがに訳の分らない海洋生物の巣になっています。貝はイ貝と巻貝が少し付いていましたが、フジツボはほとんどありませんでした。デッキブラシで汚れを取って、本当なら1日は乾燥させれば良かったのですが、船底の保護を優先させるために補修を済ませてすぐに戻しました。ちなみにシートの内側は全く汚れていませんので船底保護の効果は高いと思われます。
8ヶ月後
前回の掃除の後間もなくして、帰港するとシートが狭まっていてることが急に増えました。掃除したばかりだと油断していると、このホヤの様な海洋生物がシートに猛繁殖して、その重みでシートが広がらなくなっていました。それにしても港の水温は30度以上ありましたので生物には住み難い環境だと思い違いをしていました。まあ出船しても最近は不調ですし、朝から少し風がありましたので暑いのを覚悟で再び掃除に取り組みました。
ところがシートを揚げようとしても強力な重さでどうにもならない状態。仕方がありませんので少し持ち上げては剥がす作業を繰り返しながら、渾身の力で何とか引き上げることができました。が、この作業だけでムリな姿勢に暑さも手伝って、もうヘトヘトになってしまいました。写真はその掻き落した後に引き上げていますのでブルーの部分がありますが、海の中では本当に密集した状態でした。ほんの1ヶ月少々でこんなに繁殖する生物は一体何を食べているのでしょうかね。それにフジツボも少しですが繁殖していました。しかもそこそこの大きさになっていますので、こちらの成長も驚きです。それでもシートに皮膜があるのでしょうか、掃除は結構簡単にできます。水温の影響もあるでしょうが7月の半ばぐらいにシートを揚げて掃除をした方が良さそうです。もう1つの選択はこのままの状態でシートが狭まらないように工夫することでしょうか。
1年後
効果はバッチリ。出船時は気にならない程度で、帰港時も5分は掛かりませんので皆さんにお勧めですよ。まあ年に何回かはシート掃除の必要がありますが、ドライブ周りの掃除やペンキ塗りのことを考えたら楽なものです。ただフロートを巻いているところの接着剤が剥れて修繕を何回かしました。おそらく最初の接着がきちんと出来ていなかったのが原因だと思いますので第2弾を作る予定でいます。それにドライブのカバーをしている部分のペラが当たっているところは傷んでいるのが分ります。
 
 
 
第2弾を作成2009.9.27
補修をしながら1年半。夏場のシート掃除が大変ですが、船を上げてのペンキ塗りよりは有用ですので2作目を作りました。問題点は帰港後にドライブを包むようにシートを引っ張る手間が掛かることと、水生生物の重みでシートが沈み、結果シートが狭まってしまうことです。これを解決するために塩ビパイプを利用することも考えているのですが、今回は1作目とほぼ同じとしました。ある意味適当に作った割りに良く出来ていたということです。船に固定する細いロープは舳先に1本と船尾に2本、そしてドライブを包むために2本と後ろに引っ張る用に1本です。マイナーチェンジの変更点はシートを薄手にしたこと。フロートを接続して折れ曲がらないようにしたこと。もう1つは企業秘密です。まあ2回目なので完成度は上がっていますが、薄手のシートは強度不足でした。フロートももう少し浮力があった方が良かったです。そして作成中もずっと第3弾のことばかり考えていましたので、適当な段階で新しい構造に切り替えようと思っています。
 
2014.12.20現在
現在第4弾のシートを使っていますが、2011年に2つ作成したものです。構造的には同じものでフロートは100mmとその中にすっぽり入るものを2重にし、2m×3で6mの長さに接着して使っています。ただシートが痛んできたのでまた2つ作成しました。前回もですがブルーシートのサイズが9.6×7.2なので縦半分にして同時に作りました。この感じだと2年で交換の様です。