ロイヤルのGPS魚探修理 2021.11/21
同じ港の船長から依頼。
釣行中に地図が動かなくなり、その後も同じポイントに止まったままということ。
メーカーもなくなり引き継いだヤマハのアフターも受けれないし。
アンテナの電池交換をしても治らないという状況で預かった。
以前電池交換をしたDGPSアンテナと同じキノコ型で開けてみると少し進化してる。
4段だったのが3段に。
とりあえずコネクターの接触やケーブルの導通をチェックしたが異常は見つからない。
起動後画面にアンテナを認識したと出るので訳が分からない。
状況からして問題は本体でなくキノコと考えて、
信号をアルディーノに入れてシリアルモニターで表示するも文字化けして意味不明。
USBシリアル変換アダプターを購入して直接パソコンで表示しても同じ。
通信速度はオシロでも確認して規格通りの4800ボーで間違いなし。
他の設定を色々と変えて試すが変化ない。
オシロで2進数を読むがセンテンスの頭の$が出てこない。
が、この時ロジックが逆なことに気づいた。
4069を入れて接続するとすぐに思った様な表示が。
たったこれだけの事で何日ロスしたことか。
ただNMEAセンテンスは出ているがGPSに関するデータが乗っていない事が判明。
試しに古いGPSアンテナを接続してみるときちんと信号が出始めたので本体に繋ぐと位置を特定した。
つまり今回の故障は最上段のGPSアンテナが原因だった様。
ずっと名古屋の画面だったのが変化した時に治った事を実感した。
これで修理完了かと思ったが衛星を4つしか捉えてない。
室内だからとベランダに移動しても最高5つまでだしDOPもC/N比も悪い。
最新のアンテナを購入して接続しても効果なく、
パソコンソフトのMINIGPS他で見ても同じなのでこれ以上は手が付けれないと判断。
それに気合切れも。
ヤフオクで検索しても現物なく、あったにしても動作するかどうかも不明。
他メーカーのものでも同じ規格なのでコネクターを合わせればいけるかもだがこれも賭け。
仕方なく秋月でGPSユニットを購入。
本体から12vが来てるので3端子で5vを作りインバーターを入れて本体に組み直し。
シールドカバーにタップを切ってビスで固定。
NMEA出力を4800ボーにしてデータを絞った。
それでも通信速度が低いのでいくつかは出力の頻度も下げて設定。
ディファレンシャルはサービス停止だから全て取り出したので中はガラガラ。
もっと小さなケースに組み込む事も考えたが船の取り付けに工夫が必要なので却下。
結局中身は全てビニールパックに。
このユニットは優秀で室内でも衛星を8つ以上認識するしみちびきも受信している。
DOPも0.8なので誤差も非常に少ないと思われる。
マイボートのホンデックスはSBASが作動してても2.0なので羨ましい性能。
AQUAMAPのDOPは分からなかったがロシアの衛星も含め凄い数が受信できている。
その中にみちびきを3つ認識しているのは驚き。
多少出費も掛かり治したというより使えるようにした訳で修復ではないが、
かつての名機が今後も利用出来る様になった事は値打ちがある。
久しぶりの電子工作でGPSやNMEAの事も少し分かったし何より頭の体操になった。
また一段落した後に工作室の大掃除もしたのでダブルで気持ちが良い。
めでたしめでたし。