自動サビキ機の作成 

以前田中さんのSEASS号で鳴門を越えた時、電動で竿を上下させるようにした船を見て、その頃から自作を考えていました。最近では小豆島でも皆さん使われています。最初はそれ程のパワーも必要ないと思い、小型の電動ドライバーを利用しようとしました。でもモーターを固定するのが面倒なのと、さらに減速をしないとダメなのですぐに挫折。たいして複雑な構造も必要ないので、できるだけコンパクトな物にしたくて、一応普通サイズのドライバーも分解しては見ましたが同じことでした。
その後スッテップモーターも含めて、いろいろと減速ギアの付いているモーターを探したのですが、ここは皆さんが使っているワイパーモータが一番だろうと、まずは小型で試作します。ホームセンターで金具を購入してすぐに完成。ところがこれだと明らかにパワー不足だと判りましたので通常のフロントガラス用に変更です。少し構造を変えて安定感も増し、竿受け用のステンレスパイプが30度から70度ぐらいの上下動をするようにアングルを調節して出来上がりです。
ただし動きが速すぎですのでさらに減速をするか、又はスピードコントローラーが必要でした。半田ごてにプリント基板やパーツを用意しながら電動ドリルのコントローラーの利用を思いつきました。ものすごくコンパクトに作られていて、握りの部分にネジで調整ができるようにするだけで完成。これで動きを細かく制御できるようになりました。
皆さんが使っている物よりコンパクトで、竿受けのベースにボルトで固定します。まあ元々が簡単な構造なんで、このままでも良かったのですが、プロに見せると全体をケースに入れて、クランク部分も特殊なパーツに変更してくれました。また各部をきれいに溶接していて、さすがにいい仕事をしてくれてます。
で、実際に何回か使ってみました。まず気になるのは竿受けがパイプに挿すだけなので、下がったときに抜けそうな不安があります。それにパイプのサイズが32φでしたので、竿の握り部分が細くないと挿せません。もう1つはスピードを遅くするとパワー不足になることです。そこで次はもっと大型のモーター、竿受けは市販されているものを流用することに。
さらにモーターは竿受けの下に埋め込みとして、取り外すのは竿受け部分のみにしました。ロッドキーパーに金具を取り付けて、この部分を下に引くだけの構造にしましたので、外した場合はほんの少しモーターの1部が出ている状態となります。お陰で穴を開けましたので元に戻せなくなりましたが、本来の目標であったコンパクトは満足の行くものになりました。また、竿を固定できますので真横から70度ぐらいまで大きく上下させることも出来るようになったのが嬉しい。
後はスピードコントローラーがPWMなのでチョッパーの音が気になっていました。エンジンが回っていれば無視できるのですが、止めて流していると小さいのですが、高音の耳障りな音がします。こちらの方が効率が良いし発熱も少ないのですが、仕方なく電圧制御に変更です。試しに作ってみようとしましたが、工作が面倒なのでIC1つで突貫工事。データシート的には多少の余裕があるのですが放熱が問題です。
予想通りかなりの発熱がありますが、何とかなりそうな感じです。まあこれでしばらくエージングですわ。併せて前のバージョンもこのタイプに変更しました。これで両舷で竿を上下させることが出来ますので、穏やかな日にはエンジンを止めて船を流しながら、のんびりと魚が釣れるのを待つことができます。まあ魚が居ないことにはどうしようもありませんが。