アオリの新釣法 2010版
 今まで魚の食いが落ちる潮どまりを中心に狙っていました。しかもジギング同様、しゃくりと操船を同時にしますので風が弱いとき限定。そして釣れても1,2匹。もちろん釣れない時の方が多く、魚探反応もあてにできませんので仕掛けを入れても釣れる気がしないまま、半ば時間つぶしのような感じでした。それに魚の場合は前あたりの後ドキドキしながら、ここという瞬間に合わせを入れますが、適当にしゃくった時に釣れていた状態というのも好みではありません。たまに活性の高いイカは餌木を抱いてすぐに走り出す場合もありますがまれです。数は出なくとも魚のように楽しく釣りたいとずっと考えていました。

 で、まず仕掛けです。これまで中錘に2mぐらいのハリスで餌木を結ぶ一般的なものを使っていましたが、底の起伏が激しい場所だと棚が分からなくなって頻繁に根掛かっていました。それに餌木のフォール中にイカが乗りますのでほとんどあたりが分からない。この状況を改善するために胴突き仕掛けにして枝ハリスを極端に短く5,6p程度にしまして、錘も枝スから10〜15pに。幹糸の影響が不安ですが、枝が長いと幹糸によく絡むし、カンナが引っかかることも多くなります。この長さならイカが抱いた時の違和感は確実に感じ取れます。そして折角ですので1ヒロ離して餌木をもう1つ結びます。これはダブルを狙うのでなく少しでも餌木が目立つようにする思いです。底錘は15号か20号を水深で使い分けています。ちなみに餌木の錘は2分の1ぐらいにカットしています。

 次は釣り方です。当然ですがまずは底まで落とします。着底前にサミングでスピードを落として、これが1回目のデモンストレーションとなります。しばらくしてしゃくりますが、その後竿先をゆっくりと下げてフォールを能動的に演出します。もし違和感を感じたら止めてみたり、軽く誘い上げたりもします。ここが一番重要で、今使っている竿は2.7mですが腕も含めて真上まで上げて4,5秒ぐらいで水面まで降ろしています。少なくとも餌木が自然とフォールする動きよりは手でコントロールする方が勝っているという考えです。したがって動きが良いとかいう高価な餌木は不要。そしてあたりですが中型以上のアオリだと仕掛けが止まって落ちなくなります。そこでラインを巻き取りながら竿を下げ、間合いを取ってしゃくり上げます。乗らなかったときはすぐに竿を下していくと再び触ってくることもよくあります。あたりがなければ底まで落として少し待ってからしゃくりを続けます。この待っている間に乗ってくるのも分かる場合がありますし、時には錘が底を叩きながら曳いている時に乗ってくることもあります。ちょっと根掛かりと区別がしにくいですが。

 最後は肝心なポイント選びです。アオリは居ればすぐに乗ってくるようです。ただしそんなに群れていないようですからどんどんポイント移動をします。同じラインは2回流せば終了です。それに魚のように早く回遊してくることもありませんので先行者が流したポイントは期待薄になります。で、ポイントというより場所になりますが、島や岩場の潮が流れる側面に張り出した根の潮上側です。つまりもっとも流れの早い所になります。私が狙っているのは水深が25mから35mぐらいの起伏の激しいところです。もう1つは40mぐらいの平坦な底に少し起伏があって根掛かりするような場所。こちらは水温が下がってきた時期に狙っています。どちらにしても潮がガンガン流れている時の方が活性が高いようですので潮どまりに狙っていては釣果が伸びなかった訳です。それに以前は潮下の流れが撚れているような場所を選んでいましたが、イカが大きくなれば泳力も魚と変わらないみたいです。

 アオリはまだ初心者に近い部類ですが魚が釣れない時には有難い釣りものですし、美味しいので持ち帰っても喜ばれます。釣果は100%がポイントによって決まりますので仕掛けに大差はなしとして、勝手に釣れていたでなく自分で釣った感が味わえることが利点だと思いますので皆様も1度試してみて下さいませ。まあ魚が釣れるなら当然魚を狙いますし、時期的にも11月初旬の短期間に限られるでしょうがね。ご意見、ご感想は大歓迎ですので掲示板にどうぞ。


追加
 10月の初めごろだとアオリも小型で深場にはあまり居ません。水温が25℃以下にならないとこの釣りは成立しないようです。そして小型のアオリはエギを突いてすぐに離してしまうこともよくあります。エダスが短いので違和感を感じやすいのでしょうが、これは出来るだけ柔らかい竿を使うしかありません。