アドルフに告ぐ


絵:手塚治虫
出版社:講談社(全5巻)


ストーリー
神戸に住むドイツ領事の息子のアドルフは、パン屋の息子でユダヤ人のアドルフを通じて、アドルフ・ヒットラーの秘密を知る。その秘密とは…!?第二次世界大戦を背景に、三人のアドルフの運命を描く著者の代表作・第一弾。(「講談社 手塚治虫漫画全集 372 アドルフに告ぐ1」より)
ドイツのヒットラー・ユーゲントに入れられたアドルフ・カフマンは優秀な成績を修め、アドルフ・ヒットラーから表彰をうける。一方、ヒットラーに関する極秘文書はドイツから日本へ送られ、記者・峠草平の手に落ちるが…。(「講談社 手塚治虫漫画全集 373 アドルフに告ぐ2」より)
ナチスのユダヤ人狩りは激しくなっていった。同胞を救うため、リトアニアへ赴いたアドルフ・カミルの父はパスポートをすられ、ドイツへ送還される。そこで今やヒットラーに傾倒しているアドルフ・カフマンと再会する。(「講談社 手塚治虫漫画全集 374 アドルフに告ぐ3」より)
ヒットラーの極秘文書を手に入れたカミルは、ソ連のスパイ・ゾルゲを通し、驚くべき事実を世界に公表しようと企てていた。一方,ユダヤ人摘発に奔走しているカウフマンは、その文書を取り戻すため、日本行きを命じられる!?(「講談社 手塚治虫漫画全集 375 アドルフに告ぐ4」より)
カウフマンが驚くほど、神戸の街は戦争で荒んでいた。カミルらを拷問し、カウフマンは念願の極秘文書を手にするが、その時、ヒットラー死亡の知らせを受け愕然とする。三人のアドルフの運命を描く大河ロマン、ついに完結。(「講談社 手塚治虫漫画全集 376 アドルフに告ぐ5」より)

店長からの一言
と、ま〜、「ヒットラーは実はユダヤ人だった」という疑惑を元に描かれた漫画ですが、私に手塚治虫のすばらしさを再認識させた漫画です。
とにかく最初読んだときに「面白い」と思いました。確かに、当時他にも面白い漫画がいっぱいありましたがなんかそう言うものとは違う面白さを感じました。
これぞ手塚治虫のストーリーテーリングの妙というものでしょうか?「漫画も文学だ」と胸を張って言える作品の一つだと思います。
この漫画を読んでまだ「漫画は小説以下だ」と思う人間がいたら、きっとその人は「読み物の面白さ」ではなく、「読み物の知名度」が好きな人なんでしょう(ってのは、言い過ぎかな?)。とうぜん小説には小説の面白さ(文字だけで読ませる面白さ)、漫画には漫画の面白さがあり、好き嫌いは人それぞれあるでしょうが、ま〜読んでみて損はないでしょう。

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