第68話 Option@ |
カイの努力を知らずにいたことに悩む雨宮。そこへ現れたのはカイがピアノを教えている少年とその母。レッスン料として食事の仕度にやってきた。一緒に来た少年、昔イジメによる登校拒否児童だったが、カイにピアノを教わることで少しずつ直ってきた。 雨宮は少年の相手をしていると、いきなり少年がピアノを弾き出す。それは少年が作詞作曲した”ヤツラに捧げるバラード”という名の歌。少年が気持ちを落ち着けるために弾く歌。それはレッスンではなく、オプション@”心を正常に戻す時間”と呼ばれている。 少年は雨宮にも弾いてみろという、雨宮はずっとピアノを弾けないでいるので、恐る恐る弾き出す。最初は一本の指で音を一つ一つ確かめるように。そしていつの間にか普通に弾き出す。目にいっぱいの涙をためながら。雨宮は自分がいかにピアノを好きかということを知る。 カイが帰ってくると少年が外に出ていた。そして雨宮がオプション@の最中だといい、一緒に外で待つことにする。 |
第69話 挑戦状 |
カイが外で待っているとそこへベンちゃんがビデオを持ってやってくる。丁度その時雨宮が家から出てきたので、そのままみんなで家に入る。雨宮は阿字野のビデオを出してカイと一緒に見る。 カイにとっては始めて見る阿字野の若かりし頃の姿。カイは阿字野の演奏に見とれてしまう。そして、あらためて阿字野のすごさを知る。 |
第70話 4分30秒の解 |
ビデオが終わりカイが感動にふけっていると、雨宮はカイのピアノが聴きたい、今最高のカイの演奏が聞きたいという。そして、恥ずかしいと、嫌がるカイに雨宮の本当の気持ち、今までカイから逃げてきたこと、ピアノが弾けなくなってしまったこと、全てを打ち明ける。そして、カイから逃げないためにも今、カイのピアノが聞きたいという。 真剣なまなざしの雨宮に、カイはピアノへ向かう。そして神経を集中して弾き出す。リストの”ラ・カンパネラ”を。 その演奏に雨宮は打ちひしがれてしまい、ピアノ教師が言った言葉を思い出す。そして、カイがものすごく先にいることを実感する。 |
第71話 その向こうへ |
演奏を終えたカイに雨宮は握手を求める。そして心の中で絶対にカイから逃げないと誓う。 カイはその後すぐにバイトへと向かう。そして、雨宮は今日が土曜日であることを思い出す。 カイがバイトを終えかえってくると、そこには雨宮の姿はなかった。手紙だけ残して、急に帰ってしまった雨宮にふてくされるが、そのまま阿字野のビデオを見る。カイは阿字野の運命を思い出す。そして涙し、ビデオに合わせてピアノを弾き出す。 そこへ阿字野がいきなりやってくる。カイはピアノの演奏を止めるが、阿字野は続けろという。そして、「俺を超えて、世界の全てを超えろ」と言う。 |
第72話 父のピアノ |
修平は祖母の家で帰り仕度をしていた。最後に父のコンサートに顔を出しそのままオーストリアへ帰ることにした。 父のピアノを聴く雨宮。幼少の頃から聴いているはずなのに、初めて知る父のピアノの偉大さ。雨宮は今まで気づかなかった自分に涙する。 父に見送られ雨宮はオーストリアへ戻る。ピアノをやらされてるのではなく、ピアノをやっているのだという気持ち。そしてもう絶対に逃げないと言う気持ち。ピアノを好きだと言う気持ち。色々な思いを胸に秘め雨宮は父に手を振る。 |
--------------------- 番外編 --------------------- 調律師・カイの巻 |
カイがバイトで路上パフォーマンスを行っている楽器屋で急遽調律師の体調不良により、カイが調律師として何件かの家を訪問することになる。 そして3件目。その家は音大付属高校に通う娘がおり、半年振りに寮生活から帰ってくるということで、帰ってきてすぐピアノが弾けるように調律を頼んだとのこと。ピアノのある部屋には多くの賞状や、トロフィー、盾が並んでいる。そしてそこに書いてある名は丸山誉子。そこへ犬のウェンディもやってくる。カイは昔のことを思い出し、丁寧に誉子のピアノを調律する。 誉子は白石と一緒に家路を歩いていた。そしてその横を通る1台のバイク。カイは心の中で誉子にがんばれと言い通り過ぎていく。 |
第73話 日曜の夜は・・・・@ |
店の控え室で衣装合わせをするカイ。最近だんだん体格が良くなってきて女物が合わなくなってくる。 彫師の冴ちゃんは仕事が終わった日曜日は必ずP・CLUBへと向かう。そして目的はマリアのピアノ。既に1年ぐらい続けている、自分へのご褒美として。今日もマリアの演奏を聞きその後久しぶりにマリアと会話をする。 冴ちゃんはマリアを誘って他の店に飲みに行く。そして二人で盛り上がる。 |
第74話 日曜の夜は・・・・A |
店では雨宮がいきなり帰ったことでふてくされるマリア。冴ちゃんは雨宮はマリアの恋人だと思ってしまうが、すぐに否定される。店内ではマリアの美しさにみんなが話題にしている。そこへ声をかける店のマスター。冴ちゃんの客でもある。 店内にある小さいおもちゃのピアノ、マリアはそれで曲を弾き出す。引き出すと同時に店内には異様な雰囲気が。誰もがマリアのピアノに耳を傾ける。位置しか切れている店内の音楽。店で聞こえる音はマリアが弾くピアノの音だけ。 何度かのアンコールにこたえてマリアと冴ちゃんは店をあとにする。酒が弱いマリアは道端に寝てしまいそうになる。冴ちゃんはマリアにうちに来いと誘う。マリアは冴ちゃんと一緒に部屋へと向かう。 部屋に付きマリアは酔った勢いで冴ちゃんに自分が男であることをばらしてしまう。冴ちゃんはなにを言われたか分からないというような顔。 |
第75話 告白 |
マリアは冴ちゃんに謝りながら自分が男であることをバラス。しかし冴ちゃんは気にするなと言う。自分の20歳以上と言っているが、実は18歳だと言う。 冴ちゃんは伝説の彫師の孫。そして、部屋中にあふれる絵。冴ちゃんはマリアに見せたいものがあるといい一枚の絵を持ってくる。それはマリアがピアノを弾く絵。”森のピアノ”を弾いてる絵。 冴ちゃんはマリアがてっきりニューハーフだと勘違いしている。そして、お互いに好きだと言い抱き合う。 マリアは自分は一ノ瀬海という名の普通の男だと言う。そして、冴ちゃんはよく意味のわからないままカイに抱かれて……。 |