お客様への説明が一通り終わると既に3ヶ月ほどたっていました。 つまり、第2陣がが既に異動済みの状態です。 この時点で人員は当初の半分以下。 しかし、それでも買ってくださるお客様への販売。 お客様への納品。 当分の間仕事はなくなりません。 しかも、なくなると言うのとで、早めに買おうと思っているお客様もいるらしく、生産終了が決定する前よりも売れ行きがよくなっています。 期末などは、まるでお店の閉店セールのように売れました。 しかし、人員は半分以下。 今までお客様への納品をやったことない人間も駆り出されての納品です。 これぞまさしく最後の花道のようです。 よく人はこのような状態を”花火のような”と表現しますが、改めてこの言葉を実感してしまいました。 花火のようにパッとひらいて、パッと散る。 まさにその通りの状態です。 元々製品自体が全国区の製品なので私もあっちこっち行くことになりました。 当然関東圏が多いのですが、北は北海道、南は九州まで出張の日々です。 北海道から四国に移動したこともあります。 多いときには月に15日間出張しました。 つまり、週に1回会社にいるかどうかと言う状態です。 元々私は外回りがメインの仕事ではないので、会社でなければできない仕事があります。 時間やりくりをしてお客様に迷惑をかけないように(その代わり同僚には迷惑をかけましたが)作業をこなしていく状態です。 そうこうしているうちに後少しで9ヶ月が経ちます。 そうです、私もいよいよこの職場を去ることになりました。 しかし、最終日の2週間ほど前いきなり上長に会議室へ呼ばれました。 そして、「もう少し異動を延長したい」とのこと。 どうやら、異動先の職場と調整をしているようです。 どうやら異動先は決まったようですが、異動時期を延ばしたいとのこと。 私はすぐにでも出張に出なければならい状態です。 とりあえず「任せます」とだけ言い席を立ちました。 後で労働組合の知り合いから連絡があり、職場同士の話し合いだけしかしておらず、人事や労働組合に一切相談がなかったので結構もめたそうです。 2〜3日して再度上長に呼ばれ半年間の延長が決まりました。 私を含めて数名の者が延長となりました。 何日かして残る人間だけ労働組合の方との面接がありました。 「申し訳ありません」 「言いたいことがあれば言ってください」 「今回が本当に最後だから我慢してください」 色々なことを言われましたが、個人的にはサラリーマンだから仕方ないよなという気持ちがあったため、何でそんなに申し訳なさそうにしているんだろうと思っていました。 最後の花道を飾ろうと思っていた矢先にこのようなことになり、なんだか最後の徒花になってしまった気分です。 とにかく残り半年を乗り切ろうと自分に言い聞かせました。 しかし、この半年がどれだけ辛いものかをそのときの私は知る由もなかったのです。 続く。 |