蔭腹

あなたは蔭腹(かげばら)と聞いてなにを思い出しますか?
ま〜普通の人は「知らない」と答えるでしょう。
「リングにかけろで……」とか、「アストロ球団で……」と、言ってくる人はその道の人です。
時代劇好きの人はもしかしたら知ってるかもしれません。

実際の意味は、
 人形浄瑠璃・歌舞伎の演出・演技で、登場人物が人知れず切腹し、それを秘して苦痛をこらえながら心中をあかすこと。
 「大辞林第二版から」
と言うことです。
ある意味日本独特の美学でしょうか?

しかし、今回の蔭腹は上のどれとも違う蔭腹です。
蔭腹というより、影腹と言ったほうが正しいでしょう。

それは、会社出勤時の電車ホームでのことです。
私はホームで電車を待っていました。
暑い日は少しでも涼しくなりたいと思い、つい影を探してしまいます。
そしてその日も影を見つけました。
何の影かというと、何かの柱の影です。
私は何も考えずにその影に隠れました。

少しして、電車が来る放送がかかり、もうすぐ涼しくなると思って、ふと目線を下に向けると、そこには柱の影がありました。
みなさん、柱の影ってどうなってるかわかりますか?
当然わかりますよね。
そうです。
真っ直ぐな直線の影ができるのが普通です。



しか〜し、私の見た影は真っ直ぐじゃなかったのです。
その影はこんな感じでした。


???
そうなんです。
私はデブだったのです。

私はこの影を見て思わず「これが本当の影腹だ……」と、思ってしまいました。


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