電車で見かけた不思議な人Part III

はい、こちらHIDEサカなんでも相談室です。どのようなご用件でしょうか?

<問い合わせ内容>
会社に向かう通勤電車の中で見かけた不思議な人のお話です。

私が席に座っていると、目の前にいきなり一人の男性が座ってきました。
手には小田急のでかい時刻表を持って(JRではなく、小田急のでかい時刻表を持ってる人間は始めて見ました)、デイバックを背中にしょっていました。
背中からデイバックを下ろし、手に持っていた時刻表をデイバックの中にしまいました。
そして、デイバックから出てきた手には時刻表から別のものに変わっていました。
チューイングガムが二つに缶チュウハイが一缶です。

その男性はおもむろにチューイングガムの封を切り一枚口の中へ放り込みました。
そして、すぐに缶チュウハイのプルトップを開けてグビグビと飲み始めました。
そりゃそこら中酒くさくなってしまいました。

そこまではたまに見る朝から酒飲む人間のうちの一人かと思いました。
それが、
アレッ?
と、思ったのがおもむろに次のガムを口の中に入れたときです。
そして、少しかんだ後缶チュウハイをグビグビとやり、そしてすぐにまた次のガムをかみだしました。
そう、前にかんだガムを出さずに、まるでガムを缶チュウハイで流し込むようにしているのです。
そして、15分ほどたった頃にはガムをひとつ丸々食べてしまいました。
ちょうどその頃駅につきその男性は電車を降りていきました

あの人のこの行動が何を意味するのか、いまだもって謎です。
きっと、一生解けることはないでしょう。
奇妙奇天烈摩訶不思議

<お答え>
HIDEサカ店長が思うに、この方はきっとガムを食べないと死んでしまうのです。
「そんな馬鹿な」とか、「つまらない」という声が聞こえてきますが、事実なのでしようがありません。しかし、問題はこのガムです。このガムは一見普通のガムに見えますが、普通のガムではないのです。
ではどういうガムだ?と言うことになりますが、これはオキシガムだったのです。「なんだそれ?」という人が多いと思います。確かにいきなりオキシガムと言って分かってしまうのはもしかして向こう側の人間である可能性が高いです。しかしこういえば分かる人がいると思います。
「海底少年マリンで主人公が海に潜るときにかんだガムのこと。そのガムをかむことによって中から酸素が出てきて酸素ボンベがいらないんだよ」
たぶん年齢が30代半ば〜後半ぐらいの人で子供の頃アニメをたくさん見ていた人なら分かるはずです。そうです、全身赤のウェットスーツにハイドロジェットという赤いブーツ。左腕につけたブーメラン(ガッチャマンの大鷲の健が使ったバードランとは違います)で敵を倒し、たまに白いイルカに乗った少年。あの海底少年マリンです。
そしてあれから30年以上たち現実の世界でもオキシガムができたのです。しかし、それはあくまでも医療用として使用されています。
この世には常人には理解不能な病気と言うものがたくさんあります。そしてこの人もそういう病気の持ち主だったのです。その病気の名は”突発性酸素欠乏症”というものです。これは常に呼吸とは別の手段で酸素を取り入れないと酸欠状態になってしまうと言うものです。この病気はあくまでも突発性であるため常にこのような処置が必要ではないのですが、急激な体温変化や自律神経が鈍感になるとこの症状が出るのです。そこでもう一度行動をよく観察してみるとこの人はお酒を飲んでいます。つまり、この酒により酩酊状態になってしまうとその瞬間呼吸困難に陥ります。あらかじめガムを一緒に食べると言うのはこのような状態にいきなりなってしまうのを避けるためです。

ご回答はこれでよろしいでしょうか?
以上、HIDEサカなんでも相談室でした。


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