謎の宇宙人UFO

月の光も星のきらめきもないまっ黒な夜空に、月星印パンツゴムの黄色いネオンがチカチカ、キンキラ、ピカピカリンとまたたく、とってもロマンチックでファンタスティック、その上、セブンアップで、はたまたドクターペッパーみたいなある夜の九時過ぎにこの物語は始まった。

それは雪之丞での部屋のこと。前回の事件でスパイを首になった陳さんは、即席ヌードルの会社を作り、そして今度出すおっぱい型の即席ヌードルの名前を蘭花ちゃんに依頼され考えていた雪之丞。
ちなみに、どんな名前を考えてたかと言うと、
 「味は特だし、関西ヌードル」
 「パンダもびっくり シロクロヌードル」
 「イヌもよろこぶ シロワンヌードル」
 「悶絶絶叫 マナイタヌードル」
 「本場北欧 金髪ヌードル」キャッチフレーズとして「スエーデン喰わぬは男の恥」
閑話休題
そして、寝ながらカップヌードルの名前を考えている雪之状の顔のすぐわきをかすめて、「うーん!!」という誰かがトイレでうなってるような音を出してなにかが飛んできた。
雪之丞は
 「はああ、ドッコイジャンジャン、コーラヤイ。やしょ、まかしょ!!」
という人類の歴史はじまって以来、今日まで古今東西、鶴屋南北。あまたの小説の主人公あれどこんな驚き方をした主人公は雪之丞が最初であろうと言う快挙を成し遂げた。

それは白いひょうたん状の物体だった。その物体を見た雪之丞は「ブヒャー!!」と今度は普通にわめいてしまった。せっかくさっき快挙を成し遂げたばっかりだと言うのにこんな普通の驚き方をしてしまったらすべてが帳消しだ。そんなどうでもいいことは置いといて、その物体は女性のバスト、つまり乳房そのものだった。それも、かなり形の良い色白の愛くるしいおっぱいだった。
あまりのことに気が動転している雪之丞は「きっとこのおっぱいは蘭花ちゃんのおっぱいに違いない。なにかの拍子にとれてしまったんだ」と勘違いしてしまった。雪之丞はそのおっぱいを右手でムギュとつかみ、手触りを官能しながら事の真相を確かめるべく蘭花ちゃんを呼んだ。
部屋から顔を出した蘭花ちゃんと雪之丞は、なぜか少年探偵団の歌を合唱した。そして雪之丞は蘭花ちゃんの胸にある二つのボインを確認し安心して涙ぐんでしまった。
蘭花ちゃんはそんな雪之丞を不思議に思いながらも、右手にあるボインを中華マンジュウと勘違いし問い詰めると、雪之丞はまさかおっぱいとは言えずにシドロモドロしてしまった。そして、はっきりしない雪之丞に蘭花ちゃんは怒って部屋に隠れてしまった。
雪之丞は蘭花ちゃんに嫌われてしまった怒りをおっぱいにぶつけた。するとおっぱいがいきなりしゃべった。
そしてわけのわからない問答を続けた結果そのおっぱいは宇宙人であることがわかった。

雪之丞が信じられないという気持ちを心の中で唱えているとおっぱい型の宇宙人がテレパシーを使い雪之丞に
話し掛けてきた。
テレパシーを使えるのに気づいた雪之丞は少しずつ宇宙人のことを信じてきた。宇宙人によると、オリオン座大宇宙の一惑星ボロサンダル星人とのことらしい。そして、この宇宙人は日本語、英語、フランス語、何語でも話しなおかつ、落語もできると言う。
雪之丞はなぜおっぱい形をしているのか?なぜ裸で宇宙を渡ってこれたのか等色々疑問もあるがすべて超能力のせいらしい。

そこへ、陳家の人々がたずねてきた。雪之丞は何故か自分を狼男(ウルフガイ)と勘違いして陳家の人々を迎えてしまった。蘭花ちゃんがそれを指摘すると雪之丞は正気に戻り、きっと、もう二、三回は混乱するに違いないと思い、読者に問題を出した。
この物語の中で、雪ノ丞は何回混乱するか?わかった人は官製はがきに四十円切手(時代を感じる…)を貼ってポストに投函して欲しいとのこと。
で、いきなり話が戻ると陳さんと蘭花ちゃんがいきなり雪ノ丞の部屋へと入っていった。そして、陳さんは驚き、蘭花ちゃんは自分のおっぱいが落っこちていると勘違いしてしまった。すると、宇宙人がいきなりしゃべりだしそれを聞いた陳さんと蘭花ちゃんは部屋中を走り回って、踊り狂って、やがてへなへなと座り込んでしまった。

宇宙人の話を聞いているうちにみんなある程度納得した。そして、陳さんは宇宙人が裸のままだと風紀上悪いと言い出した。雪之丞と一悶着あった後蘭花ちゃんのブラジャーを貸すことで話がついた。
そんなやさしい蘭花ちゃんに宇宙人が惚れ出したことに気づくと、雪之丞がいきなり慌て出すとそれを見ていた陳さんたちが不思議そうな顔をして何が起こったかを聞いてきた。雪之丞は慌てて話をそらし、なぜこの宇宙人が地球にやってきたかを聞き出そうとした。

話を聞くとどうやら、オリオン座大宇宙と銀河系宇宙が衝突をするらしい。被害を出さないために銀河系宇宙を消滅させることに決まった。その代わり地球だけはオリオン座大宇宙に移転して全生命を存続させる。そして、銀河系宇宙消滅承認のサインを雪之丞にもらいに来たらしい。
何故かボロサンダル星の百万台のコンピューターの人選結果が雪之丞だったらしい。
雪之丞が嫌がっていると、宇宙人はサインをしたら蘭花ちゃんと結ばれ、五億円とイカの燻製二袋をあげるといったが、それでも雪之丞は”ウン”とは言わなかった。

宇宙人は雪之丞の態度にいきなり怒りだし、戦争になると言い出した。そして、いきなり雪之丞の胸でミルクの涙を出し泣き出した。
蘭花ちゃんがそんな宇宙人をなだめる。そして、雪之丞のスケールを説明し、もう一度人選するように提案した。

宇宙人は蘭花ちゃんの提案を聞きもう一度人選することにした。
そして、陳さんが衝突するのはいつか聞くと、宇宙人は三百億年後と答えた。あまりのことに三人はため息をついた。
宇宙人は迷惑料として陳さんは頭がよくなるように、蘭花ちゃんはバストが一センチ大きくなるように、そして、雪之丞にはイカの燻製をプレゼントすることにした。蘭花ちゃんはそんな宇宙人にお返しとして、自分のブラジャーをプレゼントした。
そして、宇宙人は夜の闇に消えていった。

雪之丞は宇宙人が消えていった方角を眺めながら陳さんにカップヌードルの名前を”ミルクたっぷり!おっぱいヌードル”にしたらどうかと提案し、陳さんも納得した。そして蘭花ちゃんが”未確認飛行おっぱい来訪記念新発売!!”というキャッチフレーズをつけたらどうかといった。
雪之丞の目には月星印パンツゴムのピカピカきらめくネオンがまぶしかった。
奇絶!怪絶また壮絶!!


雪之丞作品リスト