| 朝日町の獅子舞 |
西村山郡朝日町は西置賜白鷹町に境を隣接していて、村山以北でむかで獅子舞はここだけである。。白鷹に隣接する一部をのぞけば、置賜とは形態がまったく別系統で、幕の中に枠を入れて獅子の体を大きく作るのが特徴になっている。笛・太鼓の旋律・リズムもまったく別系統である。隣接する地域には白鷹から流入した白鷹系の獅子舞があり、笛・太鼓や舞い振りも白鷹系であるが、幕の中に枠(山という、昔は柴で作ったが今はパイプ))を入れて、朝日町系との折衷になっている。 |
| 白鷹町の獅子舞 |
三十数組のむかで獅子舞がある密集地。大別すれば上下動を基本にした七五三獅子舞系が一番多く、次いで長井市につながる左右動を基本にした龍蛇系、そのほかに土地風のユニークな獅子舞が北部に点在し多様である。 白鷹町の獅子舞一覧 |
| 長井市の獅子舞 |
40組を超える獅子舞がある密集地で、そのすべてが龍蛇系。昔は一部地域でで「じゃがっしゃ」「じゃが」(蛇頭)とかいっていたが、こうした獅子舞が当たり前だったので特に名前などなく、「おしっさま」で通っていた地域が多かった。近年は「黒獅子」という名が一般化しつつある。幕は波浪模様で、頭は大きく飛び出たどんぐりまなこに長い鼻ヒゲ、耳の固定された黒い獅子頭、構造的に口が90度前後開いて、バシーン・バシーンとものすごい歯打ち音や、獅子をケイゴが押さえ込む「ケイゴかがり」が特徴になっている。水への信仰が獅子を大蛇にした、全国的にも珍しい獅子舞。 長井市の獅子舞一覧 |
| 飯豊町の獅子舞 |
長井の龍蛇系獅子舞が広まってきて、15組ある。ここも龍蛇系獅子舞一色であるが、伝播の常で、長井市よりはやや風流化されて、頭を回すように振る例が多く、髪がなびいて効果的に見える。。ケイゴかがりも、獅子とケイゴが向きあう形で組んでいる。「荒獅子」と呼ばれることが多く、萩生の獅子舞は「ふるさとの歌祭り」に出演して全国に紹介されたことが自慢になっている。 |
| 小国町の獅子舞 |
むかで獅子は今のところ飯豊町寄りの白子沢地区だけしかつかんでいない。獅子頭の風貌はいわゆる蛇頭で舞い振りも笛太鼓も長井・飯豊に同じだが、獅子幕は波浪幕ではない。 |
| 川西町の獅子舞 |
置賜地方の獅子舞の流行は一部をのぞけば近代に入っての宗教再編以降のものだが、ここも長井から流入したもので、歴史はそれほど古くはない。奉賛獅子祭りを1975年からやっていて、たくさんの人が夏の一夜を楽しんでいる。こうした競演による工夫か芸態にも発展がみられ、「ケイゴかがり」などこの地域独自のものになっている。一部に七ッ穴の笛がある。 |
| 南陽市の獅子舞 |
長井市・川西町に隣接しているが、龍蛇系の獅子とはまったく別系統の獅子である。赤湯や梨郷の獅子は獅子頭が幕中央あたりにあり、獅子かむり(獅子連中の一般的古称)は幕の縁を持って引っ張りあいをする。赤湯の「あばれ獅子太鼓」はすこし前に創作されたもので、笛・太鼓のない例が多い。宮内の獅子は箱(獅子の入った)ばよい・獅子ばよいをするのが特徴で、獅子にさわって獅子の力をもらいたいということだろう。「ばよう」は取りっこする・うばいあうの意である。吉野川に沿って上がると、梵天を追って獅子が走る型になる。 |
| ほかに |
南陽市に隣接する上山市南部に赤湯と同系の獅子がある。酒田市亀ヶ崎の獅子舞は二人立ちだが、くねりの時だけ弓に矢をつがえた形の枠を入れてむかでになるのは珍しい。過疎化・少子高齢化・経済の停滞・労働条件の悪化などで存続が厳しい状態の例も多いが、一方では少しづつ増えている例もある。龍蛇系の獅子が高畠町や米沢市の方まで増殖中である。祭りにこれといった出し物がなかったり、「わぁーっ」と走っていってお金をもらうだけの獅子(あちこちにあり口の悪い人はホエド獅子という)の地区ではでは導入しやすい傾向がある。 |