風流系の獅子・鹿  「花 笠」     02年8月更新
 「三頭の獅子は日・月・星の三光天子、仏法僧の三覚界、三宝荒神をあらわす。四つの花笠は四天王をかたどり女形をとるのは弁財天女に仮託するもの…」古い巻物にはこう書かれているとか。
 風流系の獅子・鹿の芸能では配役が獅子・鹿だけという例は少なく、ほかに道化や棒術・太刀使い、鉦打ちなどが出る例が多い。中でも多いのは花笠で、特に三頭構成の獅子が分布する関東甲信から東北南部の広い地域で見られるが、東北の多頭構成の獅子や鹿では少ない。花笠の出るところでは、獅子が花を愛で花にたわむれ花に酔うという感じの、「花かがり」「花見」「花吸い」などという演目を持つ例が多い。花笠は4人出る例がもっとも多く、舞庭の四隅に立つ。楽器は「ささら」をすってリズムをきざむ場合が多いが、ときどき笛の例がある。女または女装が多いが、女をやめてしまったところもある。山形県新庄市のように、笠をかぶった男が「ささら」をすりながら歌をうたう例や、山形県南部の三頭構成の獅子踊り(写真・山形県長井市を参照)では「花笠」が早乙女で、腰の鞨鼓を打つなどというのは全国的には珍しい例になるだろう。
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