つるバラの枝が折れちゃった


Q:

ツルバラをベランダの窓枠に這わせてみようと計画したのですが、このところ、先端の葉がしおれているので良く見てみると、シュートが根元から半分程、折れてしまっているのです。茎の半分位はなんとか台木にくっついているのですが、新苗で購入した為、枝はこの一本のみで、この枝を切り取ってしまうと、横から生えている五枚葉が一枚残るだけです。

この枝は、思いきって切り取るべきなのでしょうか?

現在は、切り取る勇気が持てないまま、支柱を補強し、バラの根元をビニールテープで巻いていますが、よい方法があったら教えて下さい。(メールによるお問い合わせ)

 

A:

GAMIもドジってよく枝を折ります。でも折ってすぐならたいていくっつきます。ご経験のように断面の半分がつながっているなら、割れた部分をしっかり接合し、離れないように木ぎれなどでしっかり当て木をして下さい。テープ巻きより当て木の方が重要です。テープだけでは機械的固定力が十分には保てません。今回は地際部に近いので当て木はやりにくいですが、台木を含め、周辺をしっかり固定して下さい。固定したら、傷口が乾燥しないようにテープを巻くか、癒合剤を塗りましょう。

今回は発見が遅れたので、100%くっつく保証はありませんが、くっつかないまでも残った茎の部分だけで、少ないながら花は咲くはずです。「ギプス」は来年までとらないで下さい。葉の萎れがひどいようなら、残った茎の水分輸送能力にあわせて、葉の萎れ具合を見ながら、枝先を剪定していってもいいかと思います。

もしも折れたのがホントの根元、つまり芽継ぎ部分が剥がれたり、切り接ぎ部分が折れちゃったんなら、ちょっと回復は難しいと思いますが、その場合も、葉っぱが枯れてしまわないようなら、様子を見てやってもいいかと思います。最後に残った五枚葉に望みを託して...


さて、元から切り取るべきかどうかですが、GAMIなら絶対に切りません。もったいないからとか、直る可能性があるからではなく、貴重な経験が出来るからです。

ベテランの中には、どうせ残してもいい花は咲かないし、次のシュートを期待して切った方がいいとい人がいるかもしれません。でも、切ってしまったら、その後の枝の回復具合も枯れ具合も経験することは出来ないのです。バラが賢明に「カルス」を形成しながら傷を再生しようとする姿を経験できずに終わります。ダメだったらダメでいいではないですか。そのおかげで、今回のように折れたらどうなるのか、実際の経験が出来たのです。それが上達のモトになるのではないでしょうか?

ご存じのように、GAMIは根頭癌種病でも株を抜いて廃棄しろとは言いません。すでに治療法が見つかっているという安心感もありますが、ダメならダメで、最後までどうなるのかバラとつき合う経験が今後のためになると思うからです。この経験なしでは、かりに何十年バラ栽培をしても、根頭癌種病に関しては、ただ『抜いて捨てろ』としか言えないドシロウトのままでいるわけです。
GAMIは将来そんな「ベテラン」になるのはまっぴらです (^◇^;)まだ当分無理だけど...

最近のバラブームでは、バラという植物を単なる花生産機械としか見ることができずに、『家のバラが××なんですが、どうしたらいいでしょう?』と、単に答えだけを欲しがる人を、よその掲示板でときどき見かけます。これは初心者だからということが免罪符にはなりません。自ら観察し調査して答えを探す努力を忘れ、他人の指示や本・マニュアルの通りに行動するだけでは、ガーデニングが面白くなるはずも上達するはずもありません。

なお、以上の文句は今回の質問をされた方に向けたのではありません。今回の質問者はすでにご自分の解を用意された上で質問されているからです。しかし最近おおいに不満を感じていましたので、この質問にひっかけて書かせてもらいました。

GAMIのHPのお客さんには、このような不満の対象になるような人は滅多にいません。ありがたいことですヾ(^^;)

(2000/5/11)