Q:

はじめまして。 先月の下旬に、つるバラの苗を衝動買いしてバラを育てようと、思い立った者です。一応、本を借りてきて、いろいろやらなくてはならないことは判ったのですが、家も、ベランダでの鉢植えであるのと、私が、重症のアトピー性皮膚炎のため、あまり薬剤は使いたくないのです。 今のところ、苗は元気で(と、言っても、既にかなり生育しているのですが)どんどん、新芽が出ているのですが、 果たして、予防のために、農薬を使うべきなのでしょうか。水やりや肥料や、剪定はおろか、買った苗の品種すら、未だ判らない私に、今後どうすべきか、一言アドバイスいただければと思います。ちなみに、私は、強酸性水を皮膚科で頂いているのですが(1リットル100円) これは使えるのでしょうか?長くなりましたが宜しくお願いします。(ゲストブック ご記帳から転載)

 

A:

(1)農薬を使うべきか?

★私にとっては雲の上の存在で、尊敬するある超ベテランの園芸家は、ご自身では低・脱農薬化の研究をされる一方で、初めての方には、あえて農薬使用をすすめておられます。これはなぜかというと、せっかく園芸を始めたばかりの段階で、害虫や病気の被害をひどく被ったために園芸そのものへの興味を失ってしまわないようにという配慮からなのです。上達してから自然農薬などに切り替えた方が失敗が少ないでしょうし、防除の安定性からいって、化学農薬にはまだ一日の長がありますので、私もこの考えにはうなずけます。ご自身および周囲への十分な配慮のもとで使用可能なら、利用されるのも一法でしょう。逆に多少の病害を覚悟して始めるならば、当ホームページで紹介した方法を試す価値は大いにあると思います。特に、体質的な問題がおありなら、なおさらです。つるバラは木バラより強健なので、初めてでも十分いけると思います。バラは水やりをサボッて枯らさない限り、滅多なことでは死にません。黒点病で坊主になっても、翌年はまた咲きますので、気楽に構えて楽しみましょう...(;^^)/

★ベランダで雨の当たらないところなら、最難敵の黒点病のリスクは小さく、逆にうどん粉病とハダニのリスクが増します。しかし、この両者はニンニク木酢液などで十分予防でき、大した問題とはならないはずです。無理に農薬に手を出す必要はないかもしれません。

(2)つるバラの管理

初年度のつるバラは、ひたすら枝をまっすぐのばすことに専念して下さい。剪定はしません。最初に鉢植えにしたのは正解だと思います。日照が自由に選べない地植えにするよりは、場所を選ぶことで日照や通風がコントロールできる鉢植えにした方が、初期の生育がよいからです。秋(〜10月)以降、地面におろし、冬に誘引します。翌年春からは、お読みになった本のとおりです。
もし現在、つぼみがついていたら、一つだけ咲かせて、花から品種を推定して下さい。品種による枝の太さや生育の違いをあらかじめ知っておいた方が、誘引の計画がたてやすいからです。京成バラ園芸などのカタログが参考になります。それ以降の蕾は、もしついたら摘んでしまいます。

(3)皮膚科で処方された強酸性水は、普通は食塩添加の電解酸性水か、ハイクロソフト水と呼ばれる電解酸性水です。どちらもバラの消毒に使えますが、電解酸性水は寿命が短いので、もらったらすぐに使って下さい。保管場所は冷暗所が良いです。

 (98/7/12)