園芸用便利グッズ


バラ栽培を始めると、「ベテラン」を自称する人から、いろいろ親切な「教え」を受ける機会が増えます。しかし、本当に技術を理解し、自家薬篭中のものとして後輩を十分指導できるレベルの先輩に恵まれればいいですが、大抵は、中途半端な経験やフィーリングにもとづく「ご高説」の開陳につきあわされるのがオチです。「そんなことより、こっちは具体的に、こうこうこういうことを教えて欲しいんだけど?」と聞くと、とたんに入門書の受け売り程度のことでお茶を濁しちゃったりして、こっちの聞きたいことは教えてもらえない...(^^;)

そんな、不幸な方(^O^)のために、いい加減なベテランよりは、はるかに頼りになる味方を紹介します。ポケットマネーで買えるものばかりですので、使ってみて下さい。


●pHメーター

土の酸性度(pH)を測定することは、施肥や土壌管理のために重要なことですが、従来は、なかなか安価で簡便な方法がありませんでした。もっとも安上がりなのは、酸度測定液を使う方法で、ホームセンターで千円以下で入手できますが、土と水を混ぜた液に検査液を滴下し、その変色量によってpHを決める、「比色法」なので、慣れが必要で精度も高くありませんでした。もっと精度良く計るためには、検査液の代わりに汎用pHメーターを用いますが、これですと一気に二桁万円単位の投資が必要になります。これよりはぐっとお安く、無電源タイプの土壌専用のpH計も市販されており、これだと現場の土に直接差し込むだけで測定が可能です。でも差し込む部分が大きいので小型の鉢には使えませんでした。これも安いものでも5千円以上していました。(写真右、円錐部分を差し込む)

しかしガーデニングブームのおかげで、(株)竹村電機製作所から3千円程度で買える土壌酸度計(DM−7)が出ました。(写真左) 精度はそれほど高いとは思えませんが、実用上は十分だと思います。これだと土に差し込む部分が細く、3号ポットでも大丈夫です。輸入品ですと同様のタイプで2千円程度のものもあります。なお、このpHメーターでは液体のpHは計れません。念のため。

(株)竹村電機製作所
東京都豊島区西池袋 2−29−11
TEL: 03-3984-1371
 


砥石

剪定鋏を長く使っていると、切れ味が悪くなりますが、ナマクラ刃でバラの剪定を行うと、組織が傷み、病原菌が進入しやすくなるなどの問題が発生します。

従来、刃物研ぎは難しい。特に剪定鋏のように、かみ合わせの調整が必要なものはシロウトでは無理と思われていますが、分解しないで研げば、実際はそれほど大変ではありません。たとえば、細身のダイヤモンド砥石(リョービ「パワフルダイヤミニ」600番(写真右)、1200番など)を使って、鋏の刃をいっぱいに開きながら、切れ刃(鋭角の薄い刃がついているほう)の表側からカーブに沿って軽くなでるように研ぎます。普通の砥石より軽く使うのがコツです。砥石を当てる角度は、鋏によりますので、鋏の取り説書を参照して下さい。きちんと研ぐには、刃裏の「返り」を確認しつつ研ぎますが、返り取りはごく軽く行わないと研ぎすぎになりますので注意。ちなみに「返り」は、刃裏側を指でさわり、ザラザラした感じから確認できます。この感じは、包丁研ぎの要領と同じです。

ダイヤモンド砥石がない場合は、棒状のオイルストーンが安価で手軽です。この場合はオイルをさしながら研ぎます。


pF計

水やりのタイミングを知るには、経験と勘が必要だといわれていますが、初心者でも簡単に水やり時期を知ることができる便利な道具があります。(株)藤原製作所の「NEW水まきタイム」がその一例です。この道具を使えば、ただ土にさしておくだけで、土中に含まれる水のpF値が2.3より高いか低いかを、一目で判断できます。pF値の説明は別項(工事中)に譲りますが、土中で植物が利用できる水の有無を知ることができる指標です。逆に言えば、土中にあっても植物が利用できない性質の水もあるのです。植物が利用できるのは、pF値が1.8〜2.7の範囲の水で、3より高くなると、植物によっては生育が鈍ってくるそうです。

 

(株)藤原製作所
114-0024
東京都北区西ヶ原 1丁目46番16号
TEL: 03-3918-8111


続く...