読者レポート


●京成バラ園の冬作業

以前、きょうみさんがゲストブックの書き込みで京成バラ園の冬作業を報告して下さいました。

書き込みのその部分を再掲しますと、

「...立派なスタンダード仕立てのバラのまわりをバラ園のおじさんがスコップでガツガツ掘っておられました。寒肥だそうです。しかも1株に牛ふん1袋(10KG?)くらいドッサリと。ダイナミックでした!おじさん曰く、こうやって牛ふんを沢山やっとけば来年も立派な花が咲くんだよ。ちょっとぐらい病気になっていても何でもないんだから…。...」

と、いうことでした。こりゃ、とても参考になりそうです。

で、どのくらいの規模で土をどかしてるのか興味があったので、きょうみさんに問い合わせたところ、その様子が写っている写真を送って下さいました。

なるほど、これを見るとかなり株もと近くから半径30cmくらいの範囲で、相当の深さで掘り起こしてるようです。こんなに根っこの近くまで(おそらく根が露出してると思いますが)ホジクレるのは、やはりプロなのでしょうか。

なんだか、鉢植えの土換え感覚ですが、GAMIはこんなに根っこの近くまでは、コワくてホジクレません。見習うかどうかは皆さんのご判断にお任せしま〜す。GAMIも試しにどれか一株やってみようかな。

きょうみさん、情報ありがとうございました。

 

【GAMIのひとこと】

...GAMIが、この件に興味を持ったわけは、はたしてバラの場合は耕起と不耕起どちらが良いか?という根本的な問いをちょうど考えていたところだったからです。

一般的な本では、冬には多かれ少なかれ根の周りを耕すかホジクるかして、施肥や有機質の補充をするように書いてあります。しかし、もう一つのやり方として、いっさい土を起こすことはせずに、有機質や肥料は土の上に置いておくだけのやり方もあるのです。

そして、根の働きや、一部の害虫対策から考えると、減農薬栽培のバラの場合は後者(不耕起)の方が、いろいろ有利な点が多そうなのです。この件に関しては、これまでの少ない経験から漠然と立てた仮説も含まれているのですが、現時点で実証するだけのデータが手元にありません。いずれ結果が出たら、理由も含めてHPにUPしようと思っています。(すぐおしえろぉ! という方には、現時点でわかっていることはメールでこっそりお知らせしますが...)

(でも、そうなると京成のオジサンはどうなってしまうのだろうかって(゚_。)?(。_゚) いやいや、一般的な高農薬(?)栽培法を極めたプロの技ですから、この場合は、こっちの方が良いのかもしれません)


ガムテープ捕獲技っ!! 

掲示板で、サーシャさんが紹介して下さったガムテープを用いた害虫捕獲法です。ピンセットなどを使うよりずっと効率がよく低コスト。掲示板の書き込みを再録します。サーシャさん情報ありがとうございました。

 

用意するのは、基本的には『荷造り用・紙のガムテープ(あの、茶色っぽい安価なヤツ)』若しくは『セロテープ(ガムテープ程度の太さのあるもの)』。あとは、手で切れないならハサミ。
で、ガムテープの粘着面を表にして、手の親指以外の4本の指にハマるようにリングを作ります。

それで、ペタペタやるワケです。

アブラムシやヨトウムシなら、ちゃんと取れます。

バラ自身の葉や花弁には、意外と、よっぽどキツ〜く押し付けない限りは貼り付かないので、傷みは、ほぼゼロ!
狭いスキマに入り込んでいるアブラムシも、紙の薄さを活かしてガムテープを差し込めば、かなり取れます♪

株数が少ない方、ミニチュアを育てている方にはオススメです。

虫を取った後は、そのままorたたんで捨ててしまいましょう(逃げ出さないようにして)。
その後で、木酢液などの防虫剤でケアしておけば、尚、良いのではないでしょうか?

 

【GAMIのコメント】

この技は、なかなかどうしてスグレものです。5月下旬くらいから、害虫が増加するとともに天敵の活動も活発になってきます。そんなとき害虫を見つけて、スプレー缶でシュッと一発やりたくても、近くに天敵の幼虫がいたらためらってしまいますが、この方法ならあっさり片づけられます。スプレー缶の周りにガムテープをぐるぐる巻きに巻いておくと、必要なときすぐに利用できて便利です。


サーシャさん御紹介の本 

掲示板でサーシャさんが紹介して下さった「ノイバラと虫たち」、藤丸篤夫、福音館書店、¥1,300は、バラにつく虫とその天敵について、美しい写真で紹介しています。IPMを実践しようとするバラの初心者にとって、昆虫図鑑よりずっと頼りになる一冊となるでしょう。

【GAMIのコメント】

ギフチョウの発見と研究で有名な名和靖の処女作「薔薇の壱株 昆虫世界」(1897)は、1本のバラを舞台に繰り広げられる昆虫達の複雑な生活を解説した31ページの名著。登場する虫達は、「ノイバラ...」と重なる。最終版は1922年版らしいので、今となっては簡単には入手できない。「ノイバラ...」はこれにかわるものとして貴重な存在。


イザヨイバラの実ってオモロイ格好だ 

GAOさんが大船フラワーセンターで撮影した写真を、メールで送ってくださいました。
(画像クリックで大きい写真が見られます)

いただいたメールの説明によれば、 

『イザヨイバラは蕾の状態から、このとげとげです。とげとげの先に大きく花が咲いていました。夏あたりになると実が大きくなって林檎のような香りもして来ます。今まで、辺りに花が見当たらないのに甘い香りがしてくるので葉が香る品種がどこかにあるのかと探していたのですが、秋になってから下に落ちている実を拾ってみたら香りのモトはここでした。』

とのことです。

【GAMIのコメント】

GAMIの庭ではバラの実といえば、赤くなったツルツルのしか見たことないので、驚きです。大船植物園には毎年春には行くのですが、秋には行ったことがありませんでした。オモロイものを見逃していた ヾ(^^;)


LeMondさんの挿し木教室

掲示板で10〜11月に挿し木の話題が出ました。そのときに、たくさん挿し木をやっておられるLeMondさんにやりかたを書き込んでもらいました。掲示板だけに残すにはもったいないので、許可をいただき、こちらにも転載します。挿し木って冬でもできるんですね〜

以下、LeMondさんの書き込みからです (2001/11/08) (なお、GAMIが勝手に改行をいれさせていただきました)

.........................

さて、アジュールさん。私は数やってるだけで名 人でもなんでもありませんが、この時期でも挿し木 は大丈夫ですよ。ただ、室内でという条件付きですが。

挿し床には鹿沼土にピートを5%弱混ぜた ものがいいです。鹿沼のスカスカをピートが僅かに 改善している、ってくらい。差す前によく潅水して 埃などの変なものを流してしまい、同時にピートを 湿らせます。

挿し穂は地上部も地下部もやや長く とり、地下部の切り口は本などで言っているのよ りやや鈍角にして長い方の皮を薄く削いでやり、 そこと切り口の周囲に発根剤を付けてやります。

地上部の切り口は水平に。葉は最低でも二枚は 付いていること。そして私の経験上、地下部の切 り口は、芽から遠いほど発根の確立が高いので、 地下部の切り口は、芽のすぐ上で切るようにします。

最下部の葉から上をGAMIさんの「もどき」で 洗うと葉が長生きします。葉が落ちても根は出るのですが、確率は落ちます。それと、これも私の経験上ですが、地下部の切り口に「もどき」が付 くと何故か発根しません。発根剤と邪魔な化学変化をするのでしょうか。

挿すポットはハーブとか植えて売ってる小さい奴で、最下部の葉が地表 より1cm上になるくらいにして、ポットの底近くまで深めに挿します。受け皿をして水がポットの四分の一位にくる状態にして完了です。

この方法で はカバーはしない方が確率が高いです。葉が多め についていて、蒸散量が多いためでしょうか。しかし、その水分循環の良さが確率を高めているような気もします。室内にカビが多く生えるような環境ではカバーが必要ですが。これが、私のこれから秋季での確率の高い方法ですが、これからはむしろ発根・発芽後が難しいです。外へ出すと気温差でやられますし、陽に当てないと芽が伸びません。

室内で陽当たりの良い場所があれば問題無いのですが。あとは芽が2〜3cm伸びたら通常用土に植え替えますが、今の時期は室内に置ける鉢にしておいた方が無難です。そうしておくと、正月とかに花が見られる時もあります。挿し木の場合は摘蕾はあまり効果が無いように思います。もっとも私は、元来摘蕾はしない主義なのですが。

あと、根が先に出るとは限らないので、芽が動いても、ある程度伸びるまでは、焦って液肥などをやったりしないようにしないと萎れてしまいます。

挿し穂の太さですが、つる系は細め(やや若い枝)、木はそれよりやや太めが着き易いです。日本ばら園さんでつる系や半つる系のORを購入された経験のある方なら、「あのくらいか。」と解かって頂けると思うのですが。こんなところでしょうか?

もっと寒くなると、室内の温度は暖房などで上がりますが、乾燥するのでカバーの方法とかに別のコツがありますが、今月いっぱいはこれでいけると思います。

先月から今月にかけて、この方法でHTを12本挿して10本成功しました。挿し木は私の贈答品となっています。つるだと早いもので二週間から三週間、木は一ヶ月前後で発根でしょうか。

今まで確率を上げることに熱心で、データ取りを余りしなかったのですが、GAMIさんの影響で、今年の春から色々と分析し始めました。従って今まで書いた事には、まだ科学的裏付けはありません。たまたま、私の環境に合っただけの事で、他の場所では通用しないのかもしれませんし、そこのところをご理解の上、もし参考にして頂ければと思います。いずれ、その辺のリポートをお届けしようと思っているのですが、尺取虫の歩みです。
遅れ馳せで申し訳ありません。

LeMond

【GAMIのコメント】

「もどき」が挿し穂の切り口についてはダメというのは貴重な情報でした。ついついブッかけてしまうのでGAMIも気をつけなくては...(^^;;


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