in vitroでは良さそうなのに...(お茶 vs.根頭癌腫病) (98/7/12)


最近、お茶の各種の効能が注目されています。抗菌作用もそのひとつですが、これはお茶の成分であるカテキンの働きといわれています。そこで、カテキンで、なにか面白いことができないか文献を探してみた結果、粗カテキンの、ブドウ根頭癌腫病菌(Agrobacterium tumefaciens MAFF 06-63001)に対する最小発育阻止濃度が100ppm以下であることを見つけました。もっともこれは in vitro つまり、試験管やシャーレの中での話ですが...

で、この濃度なら、通常我々が飲んでいるお茶に含まれる濃度で十分ですので、出がらしのお茶の葉を使って実験しました。実験といっても、出がらしのお茶っ葉が出るたびに、鉢土の上に置いておくだけです。鉢土にすき込むと、生ゴミを埋めたのと同じで根を傷めるおそれがあるからです。灌水のたびに「水だし煎茶」が、鉢土にしみ込むと同時に、古くなるとマルチングになるという算段ですが、結果は効いたのかどうかよく分かりませんでした。そもそも根頭癌腫病が、そんなに頻繁に見られる病気ではないので、予防の効果がはっきりしません。根気と多くのサンプル数をこなさないと、結論は出せませんが、土中の有用細菌への影響も、気になるところです。お暇な方は、試してみてはいかがでしょうか?