NPO法人 希少生物研究会   事務局:大分県中津市

食物連鎖の頂点にあるタカ類をはじめとする希少生物と

その生息環境の保全がすべての生物を守ることにつながります。

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FIELD WORKER

NPO法人 希少生物研究会 研究報告書-1

 今年は「国際生物多様性年」です。10月には愛知県に「生物多様性条約」の締約国が集まり、あらゆる枠組みを策定する会議「COP10」が開催されます。国際条約では「遺伝子」「種」「生態系」のレベルで考えられていますが、私たちにとって捉えやすいのは「種」の多様性ではないでしょうか。2006年から2007年に環境省が取りまとめた最新のレッドリストによると、絶滅の恐れのある日本の野生生物は1002種とされています。これは前回2002年の掲載種と比べて、302種も増えたことになります。鳥類では89種から92種と3種の増加ではありますが、多くの種が絶滅の危険度がより高いランクへと移行し、特に草原や低木林を生息域とする種については、開発による生息地の減少等による影響を大きく受けていることが分かります。猛禽類のサシバについては新たにランク外から「絶滅危惧Ⅱ類」に入りました。これは里山の荒廃、棚田の喪失などが主な原因と考えられ、食物連鎖の頂点にあるタカ類の現状が心配されるところです。

 

 地球環境は多様な生物が連鎖しあって保たれているということは、多くの人が考え及ぶところです。しかし、どんな種が、どれだけ生息し、どのような生態であるのか、またどのような種について保護の優先順位が高いのか等はなかなか知る機会がありません。こうした状況の中、身近な報告集を発行することにより、多くの人が希少種の現状に関心を持つことができます。そして、自分自身も「多様性」の一員であることを認識し、環境保全について積極的に関わることができるのではないかと考えます。

 

《 目 次 》

 

加藤吉勝・後藤肇・渡会満寿男:大分県大分市佐賀関におけるタカの渡り観察記録

 

伊関文隆          :ハイタカにおける成鳥と幼鳥の渡り時期の違い

 

森田祐介・山鷲仁・越野一志 :大分県中津市におけるテングコウモリ等の確認記録

森田祐介          :熊本県阿蘇市におけるコクチモーリー確認事例

 

 

加藤吉勝・後藤肇      :大分県内におけるヤイロチョウの繁殖初記録

 

立川タカ行・加藤吉勝・衛藤豊:大分県内におけるマダラチュウヒの観察記録

 

加藤吉勝          :コウライアイサ5羽の観察記録

 

渡会満寿男・加藤吉勝     :シロハラホオジロの大分県初観察記録

 

渡会満寿男         :大分県内におけるシロハラミズナギドリの初記録

 

加藤吉勝          :大分県内におけるソリハシセイタカシギの初観察記録

 

三丸祥子          :大分県内におけるアカアシチョウゲンボウの初観察記録

 

渡会満寿男         :コミズナギドリの識別

 

FIELD WORKER 2013

NPO法人 希少生物研究会 研究報告書-2

 「生物多様性国家戦略」を日本が策定してから約20年が経ちました。これにより大なり小なり何らかの開発行為を行う場合に「環境への配慮」というものを意識し実施なければならないという方針を、国が打ち出しました。端的に言えば「5つのミティゲーション」です。それまでにも、主に大規模な開発行為に対する「環境アセスメント」はありましたが、さらに地方公共団体段階での開発行為などに対して独自の条例あるいは要綱、自主的配慮等が策定され、より細やかなレベルまで「配慮」する必要が生じました。その配慮すべき「希少種等」を明記したものが環境省版に加え各地方公共団体ごとの「レッドデーターブック」で、「配慮」のバイブルと言えるかもしれません。

 このようなことがきっかけとなって、「ラムサール条約湿地」「ビオトープ」「特定外来法」など生物の多様性に関する用語が浸透し始めましたが、やはり愛知で行われた第10回策定会議いわゆる「COP10」により、この“生物多様性”という言葉が一般的になったと思われます。

 

 ただ、色々な課題を抱えているのが現実です。ヒトの手が入らなくなった里山や里地におけるシカやイノシシによる農林業被害、歯止めがきかなくなっているブラックバスやアライグマ等外来種の問題、金銭的に何ら価値を生み出さないという相も変わらぬ経済優先による多様性豊かな自然環境の無秩序な開発、極めてグローバルで深刻な地球温暖化等です。

 

 様々な生き物たちが暮らす様々な環境の保全、そして様々な生き物たちとヒトとの共存、さらには彼らからの“生態系サービス”の享受など“生物多様性”の重要性を再認識する

ことで、一時的なブームに終わらせてはならないと考えます。

難しいことではありません、四季折々の豊かな自然に親しみ、触れることです。

 まあ“堕を捨て野山に行こう!”ということです。

 

 本会は様々なジャンルに精通した達人たちの集まりだけではなく、単に興味があるだけの方々にも広く門戸を開いているNPOです。今回のフィールドワーカーは約4年ぶり第2回ですが、第3回、第4回と持続的に発刊することはもとより、本誌や会報だけではなく様々な発表の場を活用して“生物多様性”の必要性を広め、深めて、いきたいと考えております。

 

《 目 次 》

 

巻頭グラビア

 

森田祐介         :大分県祖母山系で確認されたニホンモモンガ

 

中村茂・幸野敏治・三浦忍 :河川中流域におけるツクシガモの厳冬期の記録

 

伊関文隆         :アカアシチョウゲンボウとチゴハヤブサの識別

 

伊関文隆         :伊関文隆アカアシチョウゲンボウの個体差と識別

 

田中国彦         :岡山県玉野市槌ケ原秋季のタカの渡り

 

三丸祥子・冨髙裕二    :大分県中津市における秋期ハイタカの渡り観察記録

 

衛藤豊          :大分県におけるオオワシの初観察記録

 

斉藤慶太         :千葉県におけるシラガホオジロの観察記録

 

伊関文隆・渡会満寿男   :沖縄県におけるコシャクシギ72羽の観察記録

 

斉藤慶太         :千葉県におけるヒクイナの営巣確認記録

 

田中弘          :大分県におけるシベリアオオハシシギ5羽の観察記録

 

 

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