11/4 説教要旨

マタイによる福音書8章1~4節

山上でお話を終えてイエス様は山をおりられます。ここからイエス様の言行を記した箇所がはじまります。そこに重い皮膚病の人が近づいてきて、清められることを願いました。イエス様はその人を清めて病を癒してくださいました。この出来事は、山上の説教の最後の教えにあった「わたしのこれらの言葉を聞いて行う者」の具体的な姿です。重い皮膚病の人は、当時「汚れている」と言われていました。重い皮膚病は神さまの罰を受けていると信じられていたからです。ですから、病の苦しみ以上に、ユダヤ人でありながら神さまの救いの外に置かれるという苦しみを背負っていました。汚れを人に移さないために人々から離れていることを強制されていました。おそらくこの人は人々から離れてイエス様の言葉を聴いていたのでしょう。そして、この方ならば自分を清めて神さまの元へと帰らせてくださる救い主だと信じて近づいてきたのです。これが「わたしのこれらの言葉を聞いて行う者」の姿です。イエス様は、近づいてきた彼を「手を差し伸べてその人に触れ」て、迎え入れてくださいました。「手を差し伸べて」という言葉には「広げて」という意味もあります。つまりイエス様は片手を伸ばして触れたというよりも、両手を広げて迎え入れたと理解してよいと思います。「よろしい、清くなれ」という言葉も、癒しの宣言であるとともに、「そうだ、あなたは神の御腕の中にいる」という宣言です。救いの宣言です。山上の説教で語られた、「悲しむ人々は幸いである、その人たちは慰められる」「求めなさい。そうすれば与えられる」「岩の上に自分の家を建てた賢い人」の実現がここにあります。

2018年11月12日