10月の手紙

主イエス・キリストにあってご挨拶いたします。皆様に恵みと平和がありますように。実りの秋の恵みが豊かにありますように。西日本豪雨、台風、北海道の地震による被災者のために神さまの慰めと励ましを重ねてお祈りします。
年齢に関係なく、腰骨が立ち背筋が伸びた状態で座ったり歩いたりすると、実年齢より10歳は若く見え、逆に背中が丸まって猫背になると実年齢より10歳は老けて見えるそうです。さらに言うと、姿勢が良いとそれだけで立ち居振る舞いに何となく品性が感じられるし、その逆もまたしかり、なのです。ただ自分の姿勢を客観的に見る機会のない私たちは、自分が良い姿勢をしているのか分からないし、そんなことをあまり意識していません。
子どもの頃、先生によく「正しい姿勢で!」と言われました。立っていても座っていても、正しい姿勢をずっと維持するのは疲れる気がしていたものです。しかし専門家の話によると、楽な姿勢、たとえば椅子に座って足を組むと楽に感じるのは、そもそも体が歪んでいるからだそうです。正しい姿勢が身に付いていると、姿勢を正しているほうがずっと体は楽なのだと言います。正しい姿勢は意識しないと身に付きません。そのためには日頃から「見られている」という意識を持つといい、と聞いたことがあります。
心の姿勢も同じことが言えるのではないでしょうか。心の姿勢とは、物事に取り組む時や新しいことに挑む時の心構えのことです。そして体の姿勢がそうであるように、心の姿勢も一瞬のことではなく、日常の中にそれはあります。心の姿勢が歪んで心まで猫背になっている人が増えていないでしょうか。どう生きたらいいのか。どこに向かって成長していくべきなのか。人の想いをしっかり受け継ぎ、それをちゃんと繋いでいるでしょうか。こんな思考を「面倒臭い」と思って避けていると、気が付かないうちに心が猫背になります。思考がひねくれてしまったり、うつむきがちになり何となく前を向いていけなくなるのです。
「隠れたことを見ておられるあなたの父(神さま)が報いてくださる」
(聖書 マタイによる福音書6章6節)
「見られている」という意識が美しい姿勢をつくるのは、体も心も同じなのでしょう。
2018年10月20日
西荻教会 牧師 有馬尊義

2018年10月24日