9/16 説教要旨

マタイによる福音書7章13~14節
マタイによる福音書の山上の説教の結びに入ります。山上の説教にはそれぞれの箇所ごとの小テーマがありますが、全体の大テーマは「天国に入るには?」ということです。そこでイエス様が言われたのが「狭い門から入りなさい」です。「狭き門」というと受験のことを思い浮かべますが、この狭き門は閉じてはいませんし、試験に合格する必要もありません。喜んで迎えてくれる天国に通じている門です。この門は、救い主であるイエス様ご自身のことを指しています。ただこの門だけが唯一天国に通じているという意味で「狭い」のです。十字架にかけられた救い主によって救われるという唯一の天国に入る真理に、多くの人が我慢できないのです。立派な、厳格な、善良な人間でなければ天国にふさわしくないと多くの人が思うからです。だから信仰者ほど失敗を恐れる者はいないと思います。神さまの求める正しさを満たせないと天国に入れないと思ってしまうのです。そこで他人の評価によって自分の正しさを確かめようとします。より厳しい修行で自分を天国にふさわしくしようとします。その方が実は歩きやすく、安心な道に思えるのです。しかし、その道は救い主が開かれた門ではありません。救い主が開いてくださった門は、罪ある者を迎えてくれる門です。主イエスご自身が罪人を担い、迎え入れてくれる門です。ただ神さまの愛によってのみ成立する門です。多くの者がこの神さまの愛に任せきれないのです。だから自分を納得させる評価を与えてくれる大きな道を選んでしまいます。しかし神の愛に背を向けて選んだ大きな道は滅びに通じているのです。

2016年10月01日