ごあいさつ

キリスト教会はすべての人に開かれています。人生を不幸だと思っている人にも、幸せだと思っている人にも同じように開かれています。
 でも、はじめて教会に入るのには勇気が必要だと思います。「未知の世界」だからです。日曜学校や教会学校に通っていた思い出を持つ人たちを別にすれ ば、老若男女を問わず教会に入ることに不安を抱かれると思います。友人や知人に誘われたのならまだしも、自分一人で教会を訪れるというのは、大変な決心を必要とされるでしょう。だから、教会の前を通りかかるたびに覗き込むように扉の向こうを伺ってきた人、教会の門の前を行ったり来たりしながら何年も迷って おられる方、教会から誰かが出てきて、優しく誘ってくれるのを待ち続けている人もおられるかもしれません。
 教会は人生に特別な悩みを抱え込んでしまった人や、世の中に馴染めない人、狂信者、敬虔そのものみたいな人の集まりではありません。心や体に苦しみを抱えている人々もいますが、そうでもない人々も大勢います。教会に来られたきっかけも、キリスト教の美術や、讃美歌が好きだからという人は結構たくさんいます。ごく普通の感性と常識をもった人々が集まっています。
 けれども、私たちの普通の感性や常識とはどんなものでしょうか。

   ひとりの男があった。友も息子も兄弟もない。
   際限なく労苦し、彼の目は富に飽くことがない。
   「自分の魂に快いものを欠いてまで
   誰のために労苦するのか」と思いもしない。
   これまた空しく、不幸なことだ。
   ひとりよりもふたりが良い。
   共に労苦すれば、その報いは良い。
   倒れれば、ひとりがその友を助け起こす。
   倒れても起こしてくれる友のない人は不幸だ。
    (旧約聖書 コヘレトの言葉4章8~10節)

 他人に無関心に孤独に生きることが不幸であることも、苦しい時に助けてくれる友のいない孤独が不幸なことも、分かっていることです。けれど も、普通を喜びを持って生きる事は、本当はとても困難なことです。私たちは絶えず評価にさらされ、競争を強いられ、人格や個性は数字や病名に置き換えられ て支配されます。しかし、私たちの人生は、今後二度と歴史の中に繰り返されることのない唯一の人生です。主イエス・キリストはご自身の命をかけて、神さまにとって私たちが取り返しのつかない尊いものであると教えて下さいました。ごく普通の人生に、愛や平和という神さまの祝福を主イエス・キリストから教えていただいて、孤独から抜け出した「普通」を「喜び」をもって生きる人々が集う所が教会です。すべての人には神さまの前に人として立つことからはじまる、喜びに満ちた、愛される「いのちの意味」があります。どこの教会でも、そこに真実の信仰があれば、愛情豊かな、温かい空気があります。
 一度教会に足を踏み入れたら、逃げられなくなってしまうのではないか、と心配されるかもしれませんが、そのようなことは全くありません。訪れて下さった方を歓迎し、続けて来てくださることを願っていますが、しつこく強要するようなことはありません。その方の人格を尊重し、来る・来ないはその方の選択に委ねています。集会へのお誘いの葉書などを差し上げることはありますが、そのようなことをして欲しくない場合には、お申し出ください。
 クリスチャンは「禁酒禁煙」と思って敬遠される方もいらっしゃいますが、そんなことはありません。聖書が救い主と証言するイエスという方ご自身が、たくさんの人と実に楽しく食事をして、お酒(ぶどう酒)を一緒にお飲みになったことを思わせる記事が何ヶ所も出てきます。ただ、イエスという方が 教えて下さったのは、お酒で誤魔化す必要のない人生の歩み方でした。お酒に頼らない人間関係のすばらしさでした。そして楽しむことを知っているならば、楽しめない人への愛の配慮ができるだろう、ということでした。だから、西荻教会では教会の中では禁酒禁煙にしていますが、個人の嗜好を批判することはありま せん。
 初めて教会の礼拝や諸集会に出席してみると、教会だけで使われる特殊な「教会用語」などに戸惑うことがあると思いますが、だんだん理解できるようになります。分からないことがあったら、牧師はもちろん、遠慮なく、何となく話しやすそうな「おじいさん」か「おばあさん」にお尋ねください。喜んで教えてくれるでしょう。
 東京には沢山の教会があります。「西東京教区」のホームページには東京西部地域の日本基督教団所属の教会リストがあります。一般に教会の集会には、日曜日朝の礼拝と礼拝の前後や平日に開かれる諸集会があります。はじめて教会に行かれる場合は、日曜日朝の礼拝に出席することをお奨めします。
 教会に来ている人たちの年令構成や教会の歩んできた歴史、牧師の個性などで肌に合わないということがあるかもしれません。ですから、いくつかの教会を何度か訪問してみて、自分に合いそうな教会を選ぶのもひとつの考え方です(何事もそうですが、「たった一度」で判断されないことをお勧めしま す)。
 是非、私どもの西荻教会も訪問してみてください。お待ちしております。

西荻教会の場所

西荻教会は、JR中央・総武線「西荻窪駅」北口から徒歩3分のところにあります。

教会は「西荻チャペルマンション」の3階フロアです。

日本キリスト教団 西荻教会沿革

西荻教会は、1879年にイギリス・バプテスト派のW.J.ホワイト宣教師によってキリストの福音を伝えられて設立された第二浸礼教会(東京市本所区松坂町12番地)からはじまりました。その後、移転にともなって京橋浸礼教会、原宿バプテスト教会と名称を変更し、日本基督教団設立後に日本基督教団隠田教会(1941年)と名称変更して戦後を迎えました。戦災で会堂を失い、戦後の区画整理にあって同じ場所に会堂再建ができなかったため、現在の西荻窪に移り、1950年6月4日に日本基督教団西荻教会として歩み出し、現在に至っています。
西荻教会は バプテスト教会として設立されましたが、日本基督教団所属後に教派的な伝統にこだわらない教会として過ごしてきました。現在の礼拝堂にはバプテスト教会に 特徴的な「洗礼槽」がなく、洗礼式は「滴礼」で行われます。前任の杉本茂牧師も、現在の有馬尊義牧師も改革長老教会で育った牧師です。
西荻教会の正面入り口は西荻学園幼稚園正門の隣にあります。3階まで階段がまっすぐのびています。階段の上り下りが困難な方は、マンションのエレベーターで3階に上がることができます。
西荻教会の礼拝堂は、およそ100名が席に着くことができます。冷暖房(エアコン)、FM周波数を利用したマイク設備を備えています。礼拝では「新共同訳聖書」と「讃美歌21」を用いています。教会に貸し出し用の聖書と讃美歌が用意されています。

牧師紹介

牧師 有馬尊義

1970年9月26日生まれ 出身地:東京都

1982年5月30日 受洗(新宿西教会 岡田実牧師)

2001年 東京神学大学博士課程前期修了

2001年 准允(東京教区千葉支区)

2001~2004年 佐倉教会主任担任教師

2005年 按手(西東京教区)

2005~2009年 青梅教会担任教師

2009年4月 西荻教会主任担任教師に就任

2013年現在  西荻学園幼稚園理事長、同幼稚園園長を兼務