子供の金銭教育

 このテーマの本も何冊か読みましたが、一生、ラットレースから抜け出せないと思われる内容(労働の対価としてお金を受け取るだけの金銭教育)の本は、あえて対照から外しました。どういう生き方が本当に豊かな生き方なのか、これから私もチビと一緒に考えていきたいと思っています。
 ここでは、お勧めの本の簡単な内容だけ掲載していますが、ここで紹介した本のもう少し詳しい紹介や、子供のお金教育関連でイマイチだった本の書評も書いたブログもありますので、興味のある方はご覧下さい。⇒「ママが教えるお金のイロハ
パパ銀行のマネー哲学  著者:デーヴィッド・オーウェン  出版社:アンドリュースクリエイティブ 1400円

目からウロコが落ちた、久々の本でした。
ウチのチビには、是非、実践してみようと思う内容でしたし、既にティーンエイジャーのお子さんをお持ちの方であっても、参考になることが沢山あると思います。
子供のために、子供がもらったお金を強制的に貯金させることが、子供の立場で考えると、どういうことなのか?何故、子供たちが親にねだってお店で騒ぐという行動をとってしまうのか?これまで読んだ、どの本にもなかった視点、でも、深く納得してしまう説明がこの本にはあります。
いずれ、子供は自立していきます。その時に、安心して、子供を信頼して、背中を押してあげられる親になりたいと思う方は必読です。  (2004/8/30)
お金もうけは悪いこと?  著者:アンドリュー・クレメンツ 出版社:講談社 1200円

この本は、下に紹介した歯みがきの話の現代版といった所でしょうか。
小さい頃からお金に興味津々だったグレッグが、最初は自分の労力でお金を稼ぎ始め、その内、頭を使って、労力以上のお金を手にする方法を身につけていきます。

とはいっても、お金にガツガツしている訳ではありませんし、下の本より、子供の心の中の葛藤、チームとしてやっていくための人間関係などについても描かれていて、大人もとても考えさせられる物語になっています。
できることならば、子供自身が、このような体験から学べるのが一番なのでしょうけれど、物語に夢中になることで、疑似体験できるのも悪くありませんし、何より、物語としても、とても面白い本でした。

ウチの子が小学生になったら、読ませたいし、きっと夢中になるような気がする一冊でした。(2007/8/31)
歯みがきつくって億万長者  著者:ジーン・メリル  出版社:偕成社  1300円

この本は、小学生をターゲットに書かれた物語で、アメリカでは20年以上読みつがれている本だそうです。
でも、経済的なことを全く知らない子どもに読ませると、親は暫く、子どもの質問攻めにあいそうな内容です。

ルーファスという男の子が、お母さんに頼まれて歯磨き粉を買いにいったら、あまりの高さにびっくり!
「こんなの自分で作れば、もっと安いはずなのに・・・」と思った彼は、即、作ってみます。そして、材料費に1セントの儲けをのせて、近所で販売。これが評判を呼び、色々な方法で販売網を広げていきます。
途中、友達に協力してもらうために、ルーファスは手作りの株券を渡します。株主は利益から配当を受けることができるという特典つきです。大人顔負けの方法で周りのサポートを受け、ビジネスとして展開していくうち、高い歯磨き粉を作って売っていた製薬会社を脅かすまでの存在になっていくのです。

投資教育だけでなく、起業家教育にも面白い一冊です。将来、うちのチビにも読ませたい本です。  (2004/10/4)

お金に強い子に育てる!−経済サバイバル時代の今を生き抜く「絶対ルール」 上村 武雄著 主婦と生活社

日本人が書かれた中では、秀逸な書籍だと思いました。
「教訓001 お金持ちにしたければ、考える力をつけさせるそのための回り道や失敗は必要なことだと、親自身が大きく構える必要がある。」そのとーり!!!(笑)見開き2ページに渡り、この教訓の内容を分かりやすく解説されているのですが、これにもまた納得!
内容に沿った、秋田綾子さんのイラストも、「くすっ」と笑わせてくれ、内容の堅い部分をほぐしてくれています(笑)。
究極は、「教訓15 お金で買えない「能力」こそが、お金を生み出す源。これに気づいた人がお金持ちへの第一歩を踏み出すことができる。『能力』を育てる教育を考えよう。」ですね。ウチのチビにもこの「能力」を身につけさせたいです。
この本は子供に直接読ませるものというよりは、子供にお金のことをどう伝えるべきか親が考えるための本です。
やはり、実際の取り組みとしてはパパ銀行が秀逸ですが、ベースとして考えておく必要のある「お金の問題点」が沢山例示してあり、とても勉強になると思います。オススメです! (2005/5/30)

学校で教えないお金の本 日下公人 著 エディト

先入観をイイ意味で覆された面白い本でした。だって、T大経済学部卒、旧 長銀の取締役をされたと聞いたら、それだけで、「ううう・・・難そう」という先入観。
ちょっと読むと、「だ」「である」口調なので、ママには堅すぎる気もしますが、例は具体的で、経済にうとい方でも意外に分かりやすいはずですし、発行は1999年と古いのに、今でも十分通用します。
面白い視点を1つ紹介すると・・・「1000万円を儲ける一番簡単な方法は、誰かに2000万円稼がせることだ。」
ひぇー、こんな事言う銀行員、会った事ないよー(笑)。この後の説明は、子供時代のカーネギーを例に、とても面白く深い考察が書かれています。最終的には、ものすごーく考えさせられた1節でした。
いやはや、自分がいかに未熟者なのか、つくづく認識させられた一冊でした。この先生の講義、一度、受けてみたいな〜(笑)。(↑多摩大学大学院教授だそうです。)お勧めです。 (2005/7/1)

12歳までに身につけたいお金の基礎教育 横田濱夫 著 講談社文庫

この内容で470円(税別)はものすごくお買い得です!特に、小学生以下の子供をお持ちのママに読んで頂きたいな〜と思いました。
多少の違和感はありましたが、この本には、それを超える大事なメッセージが詰まっています。
銀行マンからみた、真の資産家という人たちの暮らしぶり。どういう心理から人が浪費してしまうものなのか、とてもよく観察されていて、私はイチイチ納得しました。「シロガネーゼ」などを羨んだり、ブランドものの衣を借りないと生きられないママにはきっと耳が痛いと思いますが(笑)。
そして、自分の子を、親や友達に「せびる子」にしないために、親がしておくべき大事なしつけが書かれています。
後半は、大人が身を持って示す、ハンコや健康保険証などの管理。また、人づきあいの仕方などが書かれています。
この本を読むと、子供がお金にルーズだったり、カード破産してしまったり、常にお金に苦労したり、自分のお金の面倒を自分でみれなかったりしたら、それは、やっぱり親の責任なんだな〜と、つくづく考えさせられました。 (2005/4/11)

父さん、僕は金持ちになりたいんだ。 マルク・フィオレンティーノ著 英知出版 

 この本は、息子から、題名になっている相談を受けた時に、15年以上、米系投資銀行の頭取を勤め、その後、フランスで自分で証券会社を経営しているお父さんが心の葛藤を交えて話していく・・・という本です。
会話形式なのが、私には若干読み辛かったですが、含まれるエッセンスは素晴らしかったです。
すごく参考になったのは、「金持ち」を志向する子どもに対して、「勉強する意義」をどう説明されたのか?という点でした。ここだけでも、読む価値ありです。
後半は、少しテンポがUPし、さすが金融界のTOPにいる方だと思う解説が続き、私はとっても楽しめました♪ (2006/10/10)

子どものためのお金のレッスン 著者:ジョン・ウィットコム  出版社:講談社 1600円

長らく不景気だと言われながらも、近くのおもちゃ屋では高いゲームソフトを子供が買い、若者は無茶な買い物でカード破産、親はためらいもなく自宅を買ってローンが払えなくなったり、学費が払えなくなったり、どう見ても詐欺だという商法にひっかかったり・・・。「お金の話は家ではタブー」だなんて言っていられない時代になってきている気がするのです。
この本は、3歳位〜大学入学に至るまで、ステップを置いて、子供にどういう課題に取り組ませ、お金に慣れさせるべきなのかが順を追って説明されています。
もちろん、アメリカと日本は制度や仕組みが違いますし、何もかもこの本通りにはできませんが、子供がいる方だけではなく、自分自身がお金にルーズだと思われる方は自分の認識を改める初歩のステップを学ぶことができると思います。お勧めの一冊です。  (2002/2/15)
おこづかい ゲームブック 羽田野 博子 著

4歳〜簡単に遊べる編と、6歳〜細かく計算してみよう編で、遊べるようになっている、おこづかいゲームです。
このゲームですが、おこづかいゲームとしては、確かによくできてる気がします。
特に、ローンの金利が、預金金利の10倍という設定に、驚きつつ、解説に、「なるほどねー」と考えさせられました。
また、ゲームの中で、サイコロの「?」が出たら、参加者全員が両替したり、ローンの返済をするなど、ちょっと立ち止まって、見直したり、親に相談できたり、話し合えるというのも面白いなーと思いました。
子供におこづかいをあげるようになって、子供の無駄遣いが治らないと嘆くママには、試してみる価値があるように思います。

お金に関して、小言を言うより、子供自身に考えさせることが大事なので、こういうゲーム形式というのは、子供にも受け入れ易い気がしています。 (2007/7/12)

買って!買って!病 24の処方箋 あんびる えつこ 著 主婦と生活社

買い物に行く度、この症状が出る子や、お小遣いをあげる年の子供を持つママには心強い一冊です。この本を読んで、著者のあんびるさんが、非常にバランス感覚の優れた方だと知りました。
この本は、ケース・スタディー方式で書かれているので、あんびるさんの考えをまとめるのは難しいのですが、私自身のお金の価値観が、親の影響が強いことや、国の文化が違えば、捉え方も随分変るのだと知りました。
一番ショックを受けたのが、最近の子供へのアンケートで、「落としてももったいないと思わない金額は?」という問いに、4年生で平均54円、5年生で108円、6年生で132円というデータが出たのだそうです。この金額、大人の目で捉えてはいけないのです。子供達がもらうお小遣いと対比すると、すごい割合です。
子供に、どうお金について教えようかと迷われてるなら、この本にはヒントが沢山あると思いました。非常に良書です。 (2005/10/17)

金銭教育 著者:榊原 節子  出版社:総合法令 1700円

国際投資コンサルティング会社を経営されている榊原さんが、子供達にどのような金銭教育を施していくべきかを提案してある一冊です。
お小遣いを労働の対価として渡すのではなく、マネジメントを学ぶ機会として提供するべきだというスタンスで書かれています。お金をコントロールする術を身につけておかないと、お金に振り回される人生になりかねませんよね。私達の老後も厳しい生活が待っていそうですが、子供達にとっては更に過酷な老後が予想される以上、リスクに備える金銭教育は必要不可欠になってくると思います。子供をもつ方は読んで損はない一冊です。 (2002/3/19)
「稼ぐ人」に育てる7つの才 著者:キャメル・ヤマモト  出版社:ゴマ・ブックス 1300円

いきなり、日本の教育制度の中で勝ち残れる子供が育つだろうか?という問題提起をされてしまうと・・・正直、とほほ・・・なのです。
これからチビには、少なくともここに挙げられている7つの才を持って大人になって欲しいものだと願わずにはいられません。だって、「いい会社で一生会社に面倒をみてもらえる人生」っていうステイタスは、今も崩れ去りつつありますよね。
読んでみられる方は・・・今まで私達が受けてきた教育を、頭の中でリセットしてからの方がいいかもしれません。柔らか頭でどうぞ。 (2002/12/2)