那須ロッキーファームの果樹栽培2

ビルベリー

ビルベリー

ビルベリーは北ヨーロッパ原産の野生ブルーベリーの仲間。 一般のブルーベリーに比べ、木が小さく、成長も遅い。枝は糸のように細く、弱々しい感じがします。 最近の情報によれば、健康成分のアントシアニン含量がブルーベリーより多く、医療用 に注目されているとのこと。当園では苗木を植栽して5年になります。樹高は1mに満た ず、果実の生産量もわずかです。植え付け直後は根張りが悪く、雑草と一緒に抜いて しまうほどでした。

栽培用土は赤土ベースにピートモスと鹿沼土、腐葉土とブルーベリーと同じようにして います。肥料も3月に、油かすと発酵鶏糞を1回のみ施肥します。 挿し木は容易に活着しますが、着果まではだいぶ時間がかかります。特に目立った病気や 害虫はありません。 実は熟せば甘くなりますが、小さいのでジャムにします。

日本ブルーベリー協会発行の2008年4月号の記事によりますと、日本でワイルドブルーベリー(ビルベリー)と称して販売されている苗木はビルベリーではなく、TO-303(北アメリカ自生野生種の種間交配)というものだそうです。

ハスカップ

ハスカップ

ハスカップは北海道に自生する1.5mほどの落葉灌木で、アイヌの人々が昔から その実を滋養食として利用していました。通販のカタログを参考に2000年に苗木 10本を購入し植え付けました。用土は赤土土壌にピートモスと堆肥を混ぜ込みました。 一株が数本のブッシュ状になります。 成長は遅く、10年で1m程度です。夏の蒸し暑さに弱く、8~9月にかけて落葉し夏季休眠し、秋口にまた 新葉を出してきます。 病気には強いようですが、コウモリガの樹幹への侵入により太い株が枯れてしまいます。 ハスカップは容易に挿し木が出来るので、コウモリガの幼虫による株枯れ対策として、鹿沼土 にさした挿し穂を常に準備しておきます。

ハスカップは青紫色に熟しますが、果汁は美しい鮮紅色となります。 食味は酸味強く、野性的でブルーベリーほど一般的ではないので生食より ジャムやフルーツコンポートの色つけに利用します。ジャムにする場合は糖度を ブルーベリーより高め(35~40%)にして食べやすくします。

ジュンベリー

ジュンベリー

バラ科の小高木で春に白い花をつけます。10本ほど植えてあります。比較的強健なので、放置しておいても枯れることは ありません。7~8月に熟す赤紫色の小さな実は、かすかに甘く、種もそのまま食べることで野性的な感じですが、生産量は少なく、収穫作業を考えると果樹としての経済性はありません。 ジャムにして賞味します。

コウモリガの樹幹への侵入以外は病気や害虫は見られません。ハマキ虫が 発生しますが特に対策はしていません。

サルナシ

さるなし

サルナシは日本の深山に自生するマタタビ科の蔓性落葉樹で、秋に親指の 先ぐらいのキウイそっくりの実をつけます。当園にあるのは一才サルナシと して苗木が市販されているもので、植え付け直後からよく実をつけました。

目立った病気はありません。コウモリガ幼虫の侵入を受けますが、枯れることはありません。 植え付け用土も特に気を遣う必要もありません。 冬場にある程度剪定しないと、手がつけられない程、蔓が繁茂します。前年枝に実を付けるため選定しすぎると実付きが悪くなります。 繁茂した枝葉は夏に良い日陰を提供してくれます。 実は形も味もキウイに似ていますが小さいので、皮むきが面倒です。

サルナシ

グースベリー

西洋スグリとも言われます。ヨーロッパでは季節の果物として人気だそうです。 落葉灌木は強健で、挿し木でも、取り木でも増やせます。コウモリガの被害は ありますが、病気には強いようです。

6月に半透明緑色の直径1cm程のボール状の実をつけます。この時期はまだ酸味強く生食には 向きませんが、梅雨を過ぎて、ほんのり赤くなると甘みが出て、皮ごと食べられます。 枝全面に鋭いトゲがあり慎重に収穫しないと痛いめにあいます。

アロニア

アロニア

アロニアは別名チョキブル(チョコレートベリー)とも言われ、熟した実はチョコレート(ブラックチョコ)色をしています。 バラ科の落葉灌木です。実は硬くて生食には向きません。ブルーベリーをねらう ヒヨドリもこの実は苦手らしく秋遅くまで残っています。これまで、ジャムにしたり ジュースにしたり、果実酒にしたり試しましたが味覚的には推奨出来るものにはなりませんでした。風変わりなジャム、またはポリフェノールが豊富に含まれるので健康食として利用したいものです。 それにしても アロニアの栄養成分には注目すべきものがあるようです。

チョキブルは病害虫はないものの、根張りが浅く、強風で傾くことがあるので 時々根元を見て、支柱や増し土をする必要があります。


ホームへ