公務員試験お役立ちメモ
ここはあくまで管理人マサの個人的なメモであり、その内容の正確さは保障できません。


2002年05月19日(日) 民法メモ6

使用賃借―要物・片務・無償
使用賃借は、借主が無償で物を使用、収益したのち貸主に返還する合意をした上、借主が物を受け取ることにより成立する、要物契約である(民法593条)。そして借主の返還義務のみが発生する片務契約であり、借主は賃料等の負担を負わない点で無償契約である。


承諾期間の定めのある申込みに対する承諾が期間経過後に到達した場合、原則としては契約は成立しない。
民法526条1項により承諾は発信によって効力を生ずることになるが、承諾期間の定めのある場合は、期間内に承諾が到達しない申込みが効力を失う(521条2)ので、結局契約は成立しない。


相手方が同時履行の抗弁権を有する場合、履行遅滞による契約解除をするには、自己の債務の履行の提供をしなければならない。
同時履行の抗弁権を有する者は、相手方がその債務を履行するまでは自己の債務の履行を拒むことができる(民法533条)から、まず自己の債務の履行の提供をしなければ相手方は債務不履行とはならず、したがって解除もできない。


甲と乙との間で、自己所有の家屋を売却する契約を締結した。契約締結後、引渡し以前に第三者の放火により家屋が全焼した場合、乙は原則として代金支払を免れない。
「第三者の放火による焼失」であるから債務者甲に帰責事由は存せず危険負担の問題となり、目的物は特定物であるから民法534条により債権者主義が適用される。したがって、乙は原則として代金支払を免れない。


期限の定めのない債務は、履行の請求によって履行期が到来するので、改めて解除のための催告をなす必要はない。
履行期の定めのない場合については、412条3項の催告と541条の催告の二重催告は不要である。催告は債務者に履行の機会を与えるものであり、期限の定めのない債務の場合は、履行期の到来のための請求=催告をなす以上、これによって既に履行の機会は与えられているからである(大判大6・6・27)。


履行期までに履行が不能となった場合、債権者は履行期の到来前であっても、催告無しに契約を解除することができる。
履行不能による解除は、催告することなく即時におこなうことができる(民法543条)が、履行期前に不能となったのであれば、履行期まで待つことなく即時に解除が可能である。もはや履行不能となった以上、履行期まで待つのは無意味だからである。


BはAからA所有の土地を2000万円で買い受ける旨を約し、解約手附として150万円をAに支払った。この場合、Bが代金の一部として400万円支払っているときでも、Aの債務不履行を理由に契約を解除する場合は、Bは400万円の返還とともに手附の返還を請求することができる。
解約手附は、当事者の一方が正当な理由なく契約を解除する場合に、倍額を償還(受領者)し、または放棄する(交付者)ものである。したがって、合意解除や債務不履行など、正当な理由に基づいて解除をなす場合は、倍額を償還する必要はないし、他方、手附を交付した当事者は不当利得(民法703条)として返還を請求することができる。したがって、Aは不当利得として手附を返還しなければならない。


AがBに対して土地を売却した場合において、この土地に地上権が設定されており、Bがこのことを知っていたときは、たとえBが契約の目的を達成することができないときでも、Bは契約を解除することはできない。
民法566条。用益的権利による制限がある場合は、悪意者は何らの請求もできない。制限を承知の上で買い受けているからである。善意の買主が解除できる。


瑕疵担保責任の法的性質については、特定物に関する対価的均衡を維持するための法的責任と解する見解(A説)と、特定物・不特定物を通じた契約責任と解する見解(B説)とがある。A説では特定物について、瑕疵ある物の給付でも売主の債務は履行されたことになるとする。
これを特定物のドグマといい、A説はこれを前提として瑕疵担保責任は特定物について特に認められた責任であると理解する。